あるくみるきく_瀬戸内シーカヤック日記

瀬戸内を中心とした、『旅するシーカヤック』の記録

『芸予ブルー』_テーマカラー of 印象派_”瀬戸内シーカヤック日記”

瀬戸内シーカヤック日記: 至福の週末_別邸 音信

2014年09月21日 | 旅するシーカヤック
2014年9月20日(金) 朝起きると、この週末も休日出勤だという長男を見送り、着替えてコーヒーを楽しむ。
リモワの小さめのキャリーバッグに詰めた荷物をクルマまで運び、ロードスターのトランクへ。

シートに乗り込むと、いつものように手を伸ばして左右のラッチを外し、ソッと幌を下ろす。
ギアがニュートラルである事を確かめ、クラッチを踏み込み、キーを捻ってエンジンを目覚めさせる。

『じゃあ、出発しようか!』 この週末は妻と二人でドライブ旅行。
土曜日の朝の快適な海沿いの国道を走り、まずは広島市内へ。

記念日の朝食は、アンデルセンのモーニングからスタート。

『ああ、やっぱりアンデルセンのパンは美味しいな』
『ほんと、あのゴマが入ったパンがおいしかった』 『俺は、フランスパンの皮の部分があんなに美味しくて驚いたよ』

『ごちそうさまでした』 うん、これはなかなか良いスタートじゃないか。

***

今日の最初の目的地に到着。

角島である。

少し曇りがちではあるが、やはりここの景色は素晴らしい。

ちょうどお昼時。

今日のお昼ご飯は、せっかくだから角島でいただくことにしよう。

俺はイカ刺し定食。

妻は烏賊と雲丹の二色丼。 いつものように、シェアしていただく。
『ごちそうさまでした』

***


角島を出ると、湯本温泉に向けてドライブ。

途中、海沿いの公園でしばし休憩。 ベンチに座り、コンビニで買い込んできたホットコーヒーを飲みながら、景色を堪能。

青い空。 青い海。 秋の心地よい風が吹き抜け、とても心地よい一時である。

***

午後2時。 今日お世話になる宿、大谷山荘の別邸、音信に到着した。
玄関に着いた時には、複数の他のお客さんも少し先に到着されていたようで、クルマがずらり。
BMW、Audi、インフィニティ。。。 いずれも一千万円クラスの高級車ばかりである。 その最後尾に、幌を開けたロードスターの俺たち。
『やっぱり俺たち、ちょっと場違いかなあ』と笑い合う。

ここでは、宿の方が駐車場に廻してくださるので、ここで幌を閉め、荷物を降ろし、キーを付けたままにしてクルマを預ける。
荷物を運んでいただき、茶室へと案内される。

毛氈の上に座ってお菓子を頂き、薄茶をいただく。 至福の二日間の始まりである。

***

部屋に案内していただくと、なんと去年お世話になったのと同じ部屋。

広々として眺めが良く、お気に入りとなった部屋である。 『これはうれしいなあ』


部屋に入るとまずはお風呂へ。 部屋に備え付けられている露天風呂である。

今日一日のオープンドライブの汗をさっと流す。
風呂から上がると、やっぱりまずはビール!

ここ音信では、非日常を楽しんでいただくというコンセプトからか、自動販売機や一般的な売店はなく、ビールやジュース、お茶などの飲み物一式がキッチンに備えられているのである。
冷えたビールを取り出し、きれいに洗われているグラスに注ぐ。

『いただきます!』 ゴク、ゴク、ゴクリ。 プハーッ。 『うん、旨い! ほんま、最高の気分やなあ』

缶ビールを一本飲むと、妻と一緒に大浴場へ。
『じゃあ、適当な時間に上がるよ』 『うん、分かった』
普段なら、何時頃にここで待ち合わせしよう、などと決めるのだが、この宿では二枚のICカードキーを渡してくれるので、お互い気の向くままにお風呂を自由に楽しみ、好きな時間に部屋に戻る事ができるのだ。

また、ここ音信は、広い空間に18部屋しか備えられておらず、廊下やエレベータで他のお客さんとすれ違ったりすることもほとんどない。
静かな空間で、のんびりまったりと自分たちのペースで楽しむ事ができるのが、本当に心地よいのである。

そしてスリッパを履かなくてよいのも、快適に過ごせる要因の一つ。
部屋に備えられた足袋を履き、きれいに掃除された廊下を浴衣と足袋で歩くのだ。 まるで、自宅で過ごしているような快適さ。

それら全ての心遣いが素晴らしい。

大浴場で、露天風呂と岩盤浴を楽しみ、部屋に戻る。

そして、再び風呂上がりのビール。 至福の一時。

***

『ちょっと、下に降りてみようか』

1Fには、本やDVD、CDなどが置かれたスペースがあり、ソファーや自分たちの部屋で自由に楽しむ事ができるのである。

本を物色していると、『ジュースでも如何ですか?』と声をかけていただき、『はい、いただきます』ということでソファーに座り、ジュースをいただきながら本を開く。

『どうもごちそうさまでした』

別の本を持って部屋に戻る。

夕食の時間まで、しばし読書の一時。


***

午後6時半。 部屋のチャイムが鳴る。 『夕食の準備をさせていただきます』
今回は、部屋食のプランを選んでみたのである。

今日の献立。
こちらの宿では、四季折々の食材が使われるという事で、今回はどんな料理がいただけるのか、とても楽しみにしているのである。

まずは妻とビールで乾杯! 『おめでとう。 そして、これからもよろしくな』

今回は、好きなクラシックのCDを家から持参してきたので、それを適度な音量で流しながら、妻と二人で向かい合い、静かで豪華な夕食の一時。

一つ一つの料理は、きれいに盛りつけられ、舌だけでなく目でも楽しむ事ができる。

土瓶蒸し。

今年初の松茸である! 『うーん、いいお味だなあ』

刺身は、もちろん最高。 雲丹がまったり濃厚で素晴らしい後味。
これは、日本酒にしなければ。

この宿でいただくのは、昨年に引き続き『獺祭』 日本酒が苦手な妻も、このお酒は美味しいとのこと。

肉は、”百姓の塩”で。

ふくの唐揚げ。

出汁にこだわっておられるとの事で、薄味でも味の奥深さが堪能できる。

『ごちそうさまでした』 6時半から始まった夕食が終わったのは、なんと9時前であった。 あっという間の至福の一時。
お世話してくださった方に、『いやあ、部屋食にして良かったです。 また来年来れたら、ぜひまた部屋食でゆっくり楽しみたいですね』

この宿では初めての部屋食であったが、広々とした部屋で自分たちの好きな音楽を聴きながらゆっくりと食事を楽しむ事ができる事に加え、夕食のお世話をしてくださった担当の方の様々な気配りや楽しい会話もあり、たっぷり2時間の夕食を心から堪能する事ができた。

***

2014年9月21日(日) 朝目覚めると、カーテンの外からうっすらと日差しが差し込む。

電動カーテンを開け、お気に入りの景色を目の前に。

妻と二人、大浴場で朝風呂を堪能。
8時から朝食。 朝食の会場へ。

ここは広い会場ではあるが、テーブルごとに仕切られており、静かに食事を楽しむ事ができるのだ。

窓からは、大谷山荘とプールが見える。

運ばれてきた朝食は、朝からとても充実したメニューである。

そして、運んできてくださった方を見ると、見覚えのある顔である。
『去年来た時も、あなたに朝食のお世話をしていただきましたね』 するとその方も、『見覚えがある方だなと思っていました』
『その時、シーカヤックの話をしたんです』 『はい、覚えています。 確か去年は11月に来られて、あちらのスペースでしたよね』

『はい。 あのときはいろいろな話をさせていただき、”また来年もぜひいらしてくださいね”って言ってくださり、俺たちも、来年来てあなたに会えるのを楽しみにしていますって話したんで、今回もお会いできて本当に嬉しいです』
『私も、どこかで見覚えが。。。って、なんだかモヤモヤしていたので、声をかけていただいて良かったです』

おいしい朝食をゆっくりと楽しみ、食後のコーヒーも頂いて部屋に戻る。

お気に入りのCDを聞きながらマッサージ椅子でリラックスし、部屋の露天風呂に入り、コーヒーをゆっくりと飲む。
11時前。 荷物をまとめて部屋を出る。

チェックアウトし、クルマが玄関に廻されるのを待つ。

『お車の準備ができました』 荷物を持ってクルマまで案内してくださったのは、夕食のお世話をしてくださった方と、去年に引き続き朝食の時にお世話になった方。
『また来年も来られるように、仕事がんばりますよ!』と笑う。 『ええ、またぜひいらしてください』
クルマに乗り込み、幌を開けて出発。


家の近くまで戻り、ガソリンを入れると。。。

500kmちょっと走り、燃費は17.17km/L。 ハイブリッドでもアイドルストップでもない、総走行距離16万km近いクルマにしては良い燃費!

***

大切な妻の記念日を、とっておきの宿、音信さんで過ごす事ができた。 妻も喜んでくれたようだ。
『いやあ、やっぱりここの宿は最高だね。 年に一度の贅沢。 来年もまたぜひ来ようね』
『来れるかな?』 『うん、来られるように頑張るよ!』

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする