この世界の憂鬱と気紛れ

タイトルに深い意味はありません。スガシカオの歌に似たようなフレーズがあったかな。日々の雑事と趣味と偏見のブログです。

残念ながら原作には遠く及ばなかった映画『マラヴィータ』。

2013-11-17 23:13:25 | 新作映画
 リュック・ベッソン監督、ロバート・デ・ニーロ主演、『マラヴィータ』、11/17、ユナイテッドシネマキャナルシティ13にて鑑賞。2013年54本目。


 毎年、年末が近づくと宝島社からその年の『このミステリーがすごい!』(通称『このミス』)が発売されます。
 『このミス』を読んで思うのは、「うわぁ、面白そうな小説ばかりだなぁ」ということではなく、「面白そうな小説はどれも値段が高いなぁ」ということです。
 国内小説のベストテンがすべて二千円近くするハードカバーばかりという年も珍しくありません。
 いくら面白そうな小説が紹介されていても、二千円もしてはおいそれと買うわけにはいきません。外れだったとき懐が痛すぎます。
 これが外国小説だとまだマシです。
 千円前後の文庫本が何作かランクインしてますからね。
 せっかく『このミス』のようなガイド本を買って、そこに紹介されている本を一冊も買わないというのも何だかなぁと思って、以前は外国小説の文庫本を買っていました。
 ただ、文庫の書き下ろしだと、やっぱりクセのある作品が多いんですよね。なかなか作品の世界に入り込めず、結局読み通せないことも多かったです。あぁ無駄遣い。
 そんな中、目茶目茶ツボだったのが、フランスの片田舎に引っ越してきたワケありのアメリカ人一家を描いた『隣りのマフィア』でした。
 これはすこぶる面白かったですね。それにとても読み易かったです。
 そして、こうも思いました。この小説を映画にしたらさぞかし面白いだろうな、と。ストーリーもキャラクターも血生臭いところも爆発シーンがあるところも何もかもが実に映画向きではないか?
 でもその当時は映画化の話などまったく耳にしませんでした。
 それが七年前のことです。

 で、今年になって一本の映画の存在を知りました。
 フランスの片田舎に引っ越してきたワケありのアメリカ人一家の物語、、、って『隣りのマフィア』じゃん!!かなりビックリしましたよ。だって小説が映画化されるのって、フツーは(娯楽小説であれば)刊行後、一、二年の間ですからね。まさか、七年の時を経て映画になるとは…。こんなこともあるんですね。

 さて、映画を観ての感想です。
 映画の出来自体は決して悪くないと思いました。原作の雰囲気もそこそこ出てはいました。
 ただ、、、やっぱり原作が面白すぎるんですよ。
 原作をそれなりに上手く映画にしてはいると思うけど、それでもやっぱり原作には遠く及ばない。それに自分が面白いと思ったエピソードのいくつかが削られてますしね。
 映画だとブレイク一家を殺しに来たヒットマンたちはひたすら残虐で無慈悲に書かれているけれど、原作はちょっと違うんですよね。どう違うかは省略しますが。

 リュック・ベッソンが監督だから、もしかしたら中身がスカスカの映画になってるんじゃないかと思ってましたが、そんなことはなかったです。
 ちょっと血生臭くはありますが、ほぼ誰にでもお薦めできる映画だと思います。
 映画を観て、少しでも面白いと思われた方は原作の方も読んでみることをお薦めします。


 お気に入り度は★★★☆、お薦め度は★★★☆(★は五つで満点、☆は★の半分)です。
コメント (2)
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