アリの一言 

天皇制、朝鮮半島、沖縄の現実と歴史などから、
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日曜日記265・注目される「赤旗」の自己批判だが・・・

2023年09月03日 | 日記・エッセイ・コラム
  1日付のしんぶん赤旗電子版に注目される記事(社告)があった。
ジャニー氏性加害問題 「赤旗」の報道姿勢について」と題し、こう書いている(太字は私)。

「ジャニーズ事務所「外部専門家による再発防止特別チーム」の調査報告書(8月29日)は、テレビ局をはじめとするマスメディアが…故ジャニー喜多川氏の性加害を報道するのを控えたと考えられると指摘しました。極めて重大な問題です。

 「しんぶん赤旗」は、同事務所のタレントを紙面に出すため批判を控えるようなことはしていません。他方、ジャニー氏の性加害については、2003年に東京高裁で少年たちへの行為が認定された際に時事通信配信の記事を掲載して以降、今年4月に元ジャニーズJr.のカウアン・オカモト氏が記者会見するまで報じていません。

 それはジャニー氏の性加害が深刻な人権侵害であるという認識が弱く、独自に取材し追及しなかったためです。「赤旗」はこうした反省のうえにたって、性加害を決して許さない、人権を尊重した報道を貫いていきます。(赤旗編集局)」

 20年間、ジャニー喜多川性加害問題を報道してこなかったのは、「深刻な人権侵害であるという認識が弱」かったからだ、という自己批判だ。

 「赤旗」が個々の記事についての釈明ではなく自らの根本体質の欠陥を認めて自己批判するのは極めて珍しい。自己批判は重要だ。

 しかし、この社告の「自己批判」は極めて不十分だ。2つ問題がある。

 1つは、主体が「赤旗編集局」の名前になっていることだ。日本共産党(中央委員会)の名前になっていない。

 「赤旗」は言うまでもなく日本共産党中央委員会が発行している共産党の機関紙だ。その編集には中央委員会が全面的責任を負っている。日々の編集においても書記局を通じて、あるいは直接、幹部の指示が随時おりてくる。

 「赤旗」の欠陥は党中央委員会(日常的には常任幹部会)の欠陥に他ならない。そのトップは志位和夫委員長だ。釈明・自己批判の名前を「赤旗編集局」にすることによって党中央(常幹)の責任を棚上げすることは許されない。
 奇しくも、この問題を報道してこなかった20年間は、「志位委員長」の23年間とぴったり重なる。

 もう1つは、「赤旗」すなわち共産党中央が、「性加害が深刻な人権侵害であるという認識が弱」いという重大な欠陥を持っていた(持っている)のはなぜか、という根源がまったく分析されていないことだ。

 この欠陥が「ジャニー喜多川問題」だけに該当するということはあり得ない。赤旗編集局、党中央、党組織全体に、セクハラはないのか。ジェンダー差別はないのか。人権侵害はないのか。徹底的に分析する必要がある。

 手近な例だが、2日付の沖縄県紙に、来年6月の沖縄県議選の共産党1次公認候補7人が発表された。その中に女性はたった1人だ。あれほど女性議員の少なさ、政治分野のジェンダー差別が問題になっているにもかかわらずだ。

 欠陥の根源を調査・分析し、改めることがなければ、真の「反省」とはいわない。
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