<島に溶け込む「迷彩服」>―という見出しの記事(「記者の眼」)が4日付の琉球新報に載りました(以下、抜粋)。
<陸上自衛隊石垣駐屯地が開設して9カ月近く。駐屯地は島の市街地からやや離れた場所にあるとはいえ、しばしば迷彩服姿の隊員を目にする。
11月にあった地域のまつりでは、広報活動の一環で自衛隊が迷彩服姿で目抜き通りを行進した(写真左)。隊員の通勤退勤時にも着用しているのを見る。不安を抱く市民は少なくない。
市民らは通勤時や日常生活では着用を自粛するよう駐屯地に繰り返し求めている。が、こうした要請への対応は、決まって駐屯地の門前だ。誠実さを欠く。(八重山支局・平良孝陽記者)>
自衛隊の「迷彩服」。それは災害時の出動でも常態化しています。それどころか、被災者に「迷彩服」のライフジャケットを着用させたこともあります(2018年7月9日のブログ参照=写真中)。
「迷彩服」は言うまでもなく戦闘服です。ちなみに手元の国語辞典を引いてみると、「迷彩」とは「敵の目をくらますために、建物・軍艦・戦車などにいろいろな色を塗って、まわりと区別がつかないにようにすること。「-服」」とあります。
災害は戦争ではありません。「敵」はいません。「迷彩服」を着る必要性は全くありません。普通の作業着でいいのです。まして被災者にも着用させるなどもってのほかです。
こうした「迷彩服」の着用、汎用化が意識的に行われていることは間違いありません。その狙いは、「記者の眼」が指摘している通り、自衛隊(軍隊)の市民生活への「溶け込み」を図ることです。
7年前に初めて韓国を訪れたとき、仁川空港からソウルへの電車・地下鉄で「迷彩服」の兵士が乗り込んできたのを見て驚いたことがあります。日本では見かけない光景だからです(写真右)。
しかしすぐ合点しました。韓国は朝鮮民主主義人民共和国と軍事的緊張関係にあり、朝鮮戦争はいまだ終結していません。そしてなにより、韓国には徴兵制があるのです。まさに軍隊が市民生活に「溶け込んでいる」のです。
日本の街中を「迷彩服」の自衛隊員がかっ歩している光景は、韓国の後追いをしているように思われます。だとすれば、この先にあるのは、徴兵制の導入であり、戦争当事国になることか―。
それはけっしてありえない話ではありません。そうならないように、自衛隊は憲法違反の軍隊であるという原点に立って批判を強める必要があります。