アリの一言 

天皇制、朝鮮半島、沖縄の現実と歴史などから、
  人権・平和・民主主義・生き方を考える。
   

「本土」メディアが報じない中、進む沖縄の戦場化準備

2023年07月25日 | 沖縄と日米安保・米軍・自衛隊
  

 「中国脅威」論を口実にした自民党・岸田政権の自衛隊基地増強化が強行されている沖縄で、有事・戦場化準備が進んでいます。最近の動向を県紙からピックアップします。

 陣地構築訓練 「陸上自衛隊が南西諸島の有事に備え、陣地構築などを視野に、沖縄県内に広く分布する琉球石灰岩の掘削方法の検証を進めていることが分かった」(6月28日付琉球新報)

▶ レーダー配備 「北大東島(写真右)への航空自衛隊の移動式警戒管制レーダー配備計画を巡り、防衛省は調査の結果、配備に適していると判断したことが分かった。6月30日、村や村議会に対し、島北部の村有地を配備先として検討していることを伝えた」(5日付琉球新報)

▶ 久米島でオスプレイ 「米海兵隊が15日からの訓練のため、オスプレイの離着陸で航空自衛隊久米島分屯基地を使用すると日本側に通知したことが分かった。…オスプレイが同分屯地を使用するのは初めてとみられる」(11日付沖縄タイムス)(写真左は琉球新報より)

▶ レーダー配備で住民説明会 「北大東島への航空自衛隊移動式警戒管制レーダー配備について、防衛省は20日、村民説明会を初めて開いた。…約100人が参加。「住民への説明を後回しにして計画が進んでいる」「配備されたら標的にされる」と批判や不安の声が上がった」(21日付沖縄タイムス)

▶ シェルター設置 「政府が、台湾有事を想定し、宮古島に住民用の避難シェルターを設置するための予算案を2024年度概算要求に盛り込む方向で調整していることが分かった。…石垣、与那国各島でもシェルター整備を進める」(24日付琉球新報)

 北大東島のレーダー配備は「本土」メディアもそこそこ報じましたが、それ以外はほとんどスルーしています。
 野村浩也氏(広島修道大学教授)は日米軍事同盟(安保条約)によるこうした沖縄の基地問題を報じない「本土」メディアが、沖縄の「制度的差別」を再生産していると指摘します。

「「本土」メディアは、安保が原因で沖縄で発生する基地問題を恣意的に「ローカル・ニュース」に分類して全国ニュース化しようとしないが、そもそもそれが差別行為なのである。いいかえれば、「基地問題を報道しないという基地問題」だ。「本土」メディアは、このような「もうひとつの基地問題」を日々蓄積することによって、制度的差別を再生産し続けている」(野村浩也氏、「「制度的差別」を問う」12日付琉球新報)

 もちろんメディアだけの問題ではありません。

 「本土」に住む私たち日本人は、日米安保体制の犠牲を集中的に受けている沖縄の現状・基地問題をどれだけ自分の問題として捉えているでしょうか。
 自衛隊が米軍と一体となって戦闘状態に入れば、真っ先に攻撃されるのが沖縄であることは明白です。
 万一そういう事態になれば、私たちは、「国体(天皇制)護持」のために沖縄を「捨て石」にした歴史の大過を再び繰り返すことになります。
この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 軍拡は「当然」という立憲民... | トップ | 「ロシア語では歌わない」は... »