気分の蓄話2

うどんにはちくわのてんぷらじゃろ

公楽食堂

2009-07-04 | うどんのことなど
サンメ[トの再開発事業で高松駅の周辺はずいぶんときれいになった。
ただ、駅舎の位置が微妙にずれたためか
道一本はさんで向こう側には、なにやら路地裏的な空気が残っている。

高松駅前「公楽食堂」
 

偶然にも、ここのあとで何気なく手にした本によると
「公楽食堂」は昭和22年、満州から引き上げてきて開業されたとのこと。
昭和23年ころの駅前商業地の地図に記載された中で(おそらく唯一)現存する店らしい。

常連客の行動パターンは同じ。
店に入るなり御飯(大・中・小)と味噌汁を注文、
続いて棚に置かれたおかず類と湯飲み(上に漬け物の皿が載っている)を取り席に着く。
サラダまでつけて500円そこそこである。

これだけ長い間愛され続けてきた店が美味くないわけがない。
ただ、うどんなどという食い物に関わってしまったため、
ここはまず「うどん有ります」制覇・・・だな(涙)。

玉子うどん270円。


細めの柔らか麺。ごく薄口の出汁。
玉葱の卵とじが乗っている。
とっても胃に優しそう。

食べながらふと思った。
これは定食を食べる人の汁代わりなんだろうな、
うどん単品注文する客って案外少ないんだろうな、と。
現にお品書きの「汁の部」には「玉吸い」というのがある。
おそらくこの玉子うどんの麺抜きなのだろう。

定食主体の大衆食堂における汁代わりのうどんは、単品で自己主張してはいけない。
極力控えめに、おとなしくしていなければいけない。
いまどき流行りの固コシ剛麺などもってのほかである。
そのためには製麺所から仕入れた作り置き麺がちょうどいい。

先月出た吉原食糧の社長さんの本にも書かれているが
昔のうどん屋の多くは、製麺所から仕入れた麺だったという。
今は自家製麺の新興セルフ店で出される茹でたて剛麺が主流となってきているが、その一方で
「讃岐うどんは固いばっかりで・・・」という、知ったふうな陰口もきかれるようになった。
そんなことを言うんだったら、ここみたいな店も大事にして欲しいのである。

早朝からの営業(最近30分早く7:30~となった)ゆえに
朝からビールで煮え立ったおっちゃんがゴロゴロしているかと思ったら
お品書きの端に「店内での飲酒はご遠慮下さい」と書かれてある。
まあ、無理しないのも長生きの秘訣かも知れない。

コメント (2)
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