癌春(がんばる)日記 by 花sakag

2008年と2011年の2回の大腸癌手術
   ・・・克服の先に広がる新たな春を生きがいに・・・

サンタクロースの思い出

2008年12月25日 | 日常生活・つぶやき
 子供の頃、25日の朝、目が覚めて直ぐに枕元を探す・・・あったあった・・・サンタのプレゼント・・・当時そのプレゼントのほとんどは学用品だった。それでも1年で一番うれしい日で、うれしいプレゼントだった。

 その夢が現実と化したのは4年生のときだったと思う・・・翌日、文房具屋に何かを買いに行ったら、そこのオヤジさんが「昨日、サンタさんが来たでしょう。何のプレゼントだったかオジサン知っているよ」みたいなことを言われた。その店頭に同じ物が並んでいた。薄々サンタの存在に疑問を持っていたので、「やはりそうか?」と妙に納得したのを覚えている。別にショックはなかった。

 翌年、それを確かめようと眠ったふりをしてそのときを待った。父が4人の頭元にプレゼントを置いていく姿を薄目で眺めて、「弟妹には黙っていよう」と心に決めた・・・その後、それはいつまで続いたのかは覚ぼえていない。

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 時は流れて、自分が父親になる。自分が親から貰った夢を子ども達にも・・・と、それとはなしに欲しい物を聞き出しては、それを探し出すのに大変だった。また、同じ物がなかった場合、それをサンタに変わってどう言い繕うか苦労したものである・・・まあ、「散々苦労す」だったが、喜ぶ姿に自分の子供の頃と重ねてこちらも喜んだものだ。

 息子も4年生ごろまで信じていたようだ。そろそろ夢を壊さないように現実に気付いて欲しい・・・数日前に買っておいたプレゼントを息子が見つける可能性の高いところに隠して置いた。案の定作戦は当たる。そのときに、娘には内緒にしておくように頼んだ。当日の朝、娘と一緒になって喜んでくれる姿がいじらしかった。

 一番辛かったのは娘のときだ。これも4年生のときまで信じていた。息子が「そろそろ気付かせないと友達にバカにされるよ」と言う。たまたま「ポシェットが欲しい」と言ったので、妻が娘の洋服地の残り布でそれを作り、息子の時と同じ作戦をとったが気付くことはなかった。

 当日の朝、そのプレゼントを見つける・・・布地を見て、当然妻の手作りだと気付く・・・突然、ワァーワァーと泣き出してしまった。まさに夢が壊れた瞬間だったのだろう・・・慰めるのに大変だった。

 翌年のクリスマスは、当然、サンタからのプレゼントは終わりにし、欲しい物を買い与えた。ところが、25日の朝、目が覚めたら、自分と妻の枕元に「今まで夢を与え続けてくれてありがとう!」と書かれた手紙が添えられた娘からの小遣いを貯めて買ったであろう精一杯の気持ちが感じられるプレゼントが置かれてあった・・・今度泣いたのは、自分たちだった・・・・。