この「札幌50峰」は北海道新聞社発行のさっぽろ文庫「札幌の山々」(札幌市教育委員会編)<1989年1月発刊>に掲載されている。選者は編集者の今村朋信氏かもしれない。選定に至った経緯はよく分かっていないようだ。
しかし、HYML発足当時の20年前から、この踏破を目指して登っている札幌のメンバーも多くいた。登山道のある山は約半分で、他は積雪期に登られることが多いようだ。簡単な山は藪漕ぎでも登れるが・・・。
実際に登ってみて感じたことは、「なぜこんな山が?」と思うような山もあり、もっと選ばれていても良いと思う山も多くある。標高点で山名なし(神社山、大倉山)、三角点で山名なし(野牛山)も入っている。
50峰に入っていない山で自分が登ってみて、選ばれても良いのに…と思う山は、並河岳、ヒクタ峰、庚申草山、藤野富士、盤渓山、盤ノ沢山、兜峰、手稲山西峰などがある。
完登ゴールとなった股下山山頂にて
自分がこの踏破を意識したのは一昨年の夏である。道内の主な山は何度も登っていて、道南以外の未踏の山で登れそうな山を探していた時に、ふと思いついて、50峰の残っている山を数えてみた。結果12峰あった。その内、簡単に登れる市街地に近い低山が6峰。登山道がないので積雪期にしか登れない比較的高い山が6峰だった。そのときに、市街地にある低山5峰を1日で踏破したが、この時に荒井山を忘れていた。昨夏に登山道がないとされていた阿部山の踏み跡を辿って登り、今冬に残りの6峰を登ってゴールすることができた。
「札幌50峰一覧・登頂記録」を見てみると、この中で一番早く登った山は、1994年5月の神威岳である。その年のうちに、無意根山、余市岳、定山渓天狗岳と登っている。当時は「一人歩きの北海道百名山踏破」を狙っていたこともあり、それらに選ばれている山ばかりであった。
特に印象に残るのは、スキーで循環縦走をした小喜茂別~喜茂別岳~並河岳~中岳、美笛峠からスキーで縦走したフレ岳~小漁岳~漁岳、豊羽鉱山跡の今は無き無意根山荘前からスキーで循環縦走した長尾山~美比内山である。
最近は、出所は不明であるが、「札幌150峰」というものまで出現し、それらの踏破を狙っている登山者も多いようだ。こちらは、札幌50峰のほかに、地図上に名前のない山(三角点名や通称)などが含まれている。こちらは札幌や近郊在住者にお任せで、食指を動かす気はさらさらない。こちらが踏破した「道南219座」の方がずっと大変で、価値があると自負している。