夢うつつ♪つれづれ草子

書いて残しておきたい事が、たくさん出来ました(*^^*)
自分自身のための備忘録なんだけれど…いろいろ書きたいな♪

『天上の虹』

2013-08-27 10:47:54 | 小説や漫画や映画やテレビや音楽のこと。

里中満智子先生の『天上の虹』の新刊が、ついに出ました
第22巻になります。
友人に発売日を教えてもらって(ありがとう)、Amazonで予約しておいたら、日曜日(25日)に届いたので、一気に読みました。
次の23巻で完結予定だそうで、回想シーンなども多く、ゴールの手前まで来たという印象です。

『天上の虹』は、副題(持統天皇物語)にもあるとおり、持統天皇(う野讃良皇女=うののさららのひめみこ ※「う」の漢字が出せません)の生涯を描いた作品です。

現時点では、讃良は上皇となり、孫である河瑠皇子(かるのみこ)が文武天皇になっているので、讃良は老境に入っています。
最近は、子の世代や孫の世代の恋愛エピソードなどを織り込みながらも、淡々と話が進んでいく感じです。

大化の改新から始まり、律令制度に基づいた国家の完成、というのが物語の主軸なのでしょうが、とにかく登場人物が多い。
一夫多妻制なので、系図が複雑。
しかも主要なキャラは、漏れなく心理ドラマを展開しているので、23巻も必要になったのでしょう。
心理描写がものすごく丁寧なのですね。
こちらが行間を読まなくてもいいくらいに。

政治劇であり、古代ロマンであり、讃良一家のホームドラマでもある『天上の虹』です。

それまで古代史のエピソードというと、宝塚の『あかねさす紫の花』、『あしびきの山の雫に』とか、井上靖氏の小説『額田女王』で知った程度でした
『天上の虹』は、わたしの古代史への扉を大きく開いてくれました


今回驚いたのは、雑誌での連載開始が1983年だということ
なんとなく90年代に始まった気がしていました。
「mimi」という季刊の漫画雑誌に、大和和紀先生の『あさきゆめみし』といっしょに連載されていて、『あさきゆめみし』が完結した時点で、雑誌が廃刊になったのですよね。
そこまではコミックスも順調に出ていたのですが(15巻くらいかな~?)、書き下ろしになってからは、古代史の新しい発見などもあり、ペースがガクンと落ちてしまいました‥‥
でもなんとか完結まで漕ぎつけそうで、里中先生、ありがとう

『天上の虹』の完結のずっとずっと前に、続編にあたる『長屋王残照記』と『女帝の手記』が完成していて、そちらも読みました。
が、やはり『天上の虹』は、里中先生がライフワークとおっしゃるだけあって、特に書き下ろしになってからは、先生が描きたいこと、書かなくてはならないと判断したことを、妥協せずに作品にしている印象があり、内容も思い入れも、とても濃いです。

楽しみに完結を待ちたいと思います。


ベテラン、大御所と言われる先生方が今なお、大作、佳作に挑んでいらっしゃるのは、嬉しいものです

大和和紀先生の『イシュタルの娘』、さいとうちほ先生の『とりかえ・ばや』、吉田秋生先生の『海待Diary』etc.‥‥完結を楽しみにしている漫画はけっこうあって、まさかこの歳になっても、漫画を読み続けているなんて感慨深いものがあります。


コメント
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