夢うつつ♪つれづれ草子

書いて残しておきたい事が、たくさん出来ました(*^^*)
自分自身のための備忘録なんだけれど…いろいろ書きたいな♪

リボンは色褪せ、ドングリから芽は出ないだろう… (VOL.1)

2009-09-08 20:07:36 | 極私的「ベルばら」語り@危険地帯
アンドレとマリーズが、明るいふたりの未来への架け橋となるようにと、幼い別れの日に交換したドングリとリボン。

それなのに

毒吐き@危険地帯のうえに、花組公演のネタバレしています。

それでもいいよと覚悟を決められた方のみ、この先にお進みくださいませm(__)m







今回のアンドレ編は、マリーズを演じる彩音ちゃんが可哀想過ぎます(大泣)
彩音ちゃん自身も、お仕事とはいえ、毎日つらいのではないでしょうか…



別れて25年位経って、突然再会した幼なじみに、脅迫されるアンドレ…

これが主演コンビの唯一の絡みとは、情けない限りです(涙)

「私がブイエ将軍に頼めば、オスカルの中隊のパリ進駐を取り止めさせることが出来る」

言外に、オスカルを助けたければ、私と結婚して!なんだよね…



この決め台詞(笑)をマリーズに言わせるために、今回の「ベルサイユのばら」の脚本は、奇妙に曖昧になっていると感じました。

アンドレがブイエ将軍の屋敷を訪ねた場面。
アンドレはブイエ将軍に対して、《オスカル隊長》という呼び方で話を進めます。
ふつう、一兵士が将軍の地位にある者を訪問したら、せめて自己紹介くらいは「ジャルジェ准将の従卒です」と言うでしょう。
ブイエ将軍もジャルジェ准将とは呼びません。
(それ以前の、衛兵隊の場面でも)

何故、劇中に《ジャルジェ准将》あるいは《ジャルジェ大佐》という言葉が出てこないのか?

それは、准将という階級は進駐する二個中隊を選べる立場であり、パリに行くのが嫌なら、自分の権力で行かなくてもいいように出来る立場だからです。

うろ覚えなのですが、おそらく一個中隊は200~300人規模、大佐は連隊を率いる事が出来る階級で、連隊は数千人規模だと思います。
衛兵隊当時のオスカルの階級は大佐よりひとつ上の准将なのです。

百歩譲って、ブイエ将軍がオスカルに強硬にパリ進駐を命じたとしても、オスカルはアントワネットに「行きたくない」と直訴すればいいだけの話なのです。
(天地がひっくり返っても、オスカルはそんな事は言わないでしょうが)
アントワネットがオスカルに寄せる信頼を考えれば、アントワネットはオスカルを危険なパリに行かせる訳がありません。

つまり、オスカルの階級をあからさまにしてしまうと 、マリーズの決め台詞(笑)は意味を持たなくなり、そもそもアンドレはブイエ邸を訪問しないので、二人は再会しないのです。


ここまで考え抜いて書かれた脚本なのでしょうか。

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥

オスカルは自分の意志でパリ出動を決めたのです。
自分が行くから、自分が陣頭指揮をとるから、ついてきてくれと兵士たちに言ったのです。
そして、兵士たちはそれに応えました。
安穏と暮らせるはずの、大貴族の一員であるオスカルが、敢えて危険な道を自分で選び取ったのです。


この、オスカルの生き方をもっと大事に描いて欲しかった。
オスカルの周囲の人間たちが、オスカルの身の安全を願う気持ちはわかる。
それを振り切って、混沌とした祖国をよい方に向けるために、軍人として身をささげたい!と願ったオスカルの気持ちを、周囲の人間たちは身を切られるような思いで、受け入れたのです。

今回の脚本を書く上でも、オスカルの意志と気持ちをくみとって欲しかったと、切に切に思うのです。



アンドレの命日を7月14日と言い切っちゃったね…
アンドレの命日は13日ですけど…
(原作のキャラとしての)アンドレさんには、熱狂的なファンがたくさんいるはず。
大切な命日を無視されてしまったアンドレファンもつらいよね……

それに、いくらお祖母ちゃんの頼みでも、ブイエ邸に出かけて、最愛のオスカルの“敵前逃亡”を願うアンドレというのも、どうなんだろう?
アンドレはオスカルの気持ちを誰よりも深く理解していたはずでは?

今回のアンドレさんは、マリーズが絡まない部分では、原作に沿ったとても心優しくあたたかいアンドレさんだったのにね…


コメント
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