Silver linings

カリフォルニアで子育てとか仕事とか。

Sense of Ownership

2010-04-24 15:13:30 | エクスプロラトリアム

エクスプロラトリアムではMechanisms and Motion(からくりと動き)をテーマとしたイベントが明日から始まる。今日はスペース内の展示品、インスタレーション、ワークショップの準備など、明日の本番に備えてすべてを仕上げる日。ここ2週間で撮影した20以上のいろいろなからくり装置や複雑な機構を捉えたビデオの編集も終わり、他のメンバーと話し合いながら13個を選び、それらをインスタレーションとして展示品のなかに組み込みました。映像を流すモニターは4つの小さなデジタルフレームなのだけど、実際に会場にてそれが流されるのを見て1人感激(どんなに小さくてもうれしい!)。みんなに「グッジョブ Ryoko! We love it!」とポジティブフィードバックをもらい、ひと安心。



『敷居を低く、天井を高く、多様性を確保する。』
ラーニングスタジオから学ぶことはたくさんあるけれど、最近はこれを感じています。私が担当していたビデオでも、どれを流すかを決める時の基準がこのルールだった。どんなイベントをする時も、誰もが(ほんとうに「誰もが」)活動に入れるように敷居を低く保ち、でも単なるこども向けの浅い活動だけでなく、できる人には高度なことまで挑戦できるよう天井を高く保ち、なおかつ多様性を確保すべくさまざまなバラエティの可能性を残しておく。
Low floor(敷居を低く),
High ceiling(天井を高く),
Wide walls(多様性の確保).
という認識的多元論の考え方はやっぱり前の職場と通じることが多くて、ここにこられて本当によかったなと思う。

上2枚の写真は、大人が見ても「ははぁ~」とうなってしまうようなからくり時計(メンバーがつくったもの)、下2枚の写真はピラゴラスイッチのようにここに自作でからくり装置をつくるための3面のかべ。こども達でも楽しめるようツールと材料を厳選してつくっているけれど、大人にとってハードルが高いものもまざっている。

エクスプロラトリアムは、なにかすごいものを見せて「どうだ、すごいだろう」ということを示す場所ではない。科学的な発見や、物理の法則を見せて、「こんなことお前には思いつかなかっただろう」とか「これを思いついた人はかくかくしかじかの偉い研究者で・・」とか言うためのミュージアムではない。そんなことより学び手ひとりひとりが自分にとっておもしろいこと、自分にとっての発見、自分にとって意味のあることを、自分で見つけて帰る場所。みんなそれぞれ見方や考えることが違っているから、優劣どうのこうのよりも、「自分で」思う、「自分で」考えるという Sense of Ownership(自分のこととしてとらえる感性)が何よりの学びだと、このミュージアムは私に教えてくれた。だから当然ひとりひとりに対する Respect for the learner (学び手に対するリスペクト)がとことん浸透している。これ、マイクとカレンから日常的にひしひしと伝わってくる、学びの場をつくる身として大切にしたいスピリット。

・・・と自分なりにリフレクションしたところで、明日に備えて寝ます。

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