廊下で勉強している未流来(セントヨゼフ6年)、彼女に山崎(24期生・三重大学医学部1年)が話しかけている。化学や物理のカリキュラムについて話している。
俺はというとZTVのほうのパソコンがつながらず、真ん中の部屋・・・スカイプ専用に使っている光のほうのパソコンを起動させる。中1の郁也に理科の双子葉類と単子葉類の違いを絵で描かせて記憶させようとしている。
時計を見やる・・・午後9時。隣の高校生の部屋では勉チャンが来たころだ。さっき甚ちゃん(6期生相当・県職員)が来たが、ゆっくり話す時間はない。
喬之(三重高1年)に二次関数の移動の問題を教える。高校の授業の予習だ。それから安呂巴(高田文理1年)にコンビネーションの問題を2問ほど。そして昨日の授業の復習プリントを一人ひとりに解説・・・関係代名詞のストレートな文法問題だ。安呂巴が5点、信利(津高1年)が8点、知愛が4点・・・ちなみに12点満点だ。
信利に解説を終えたところに未流来が姿を見せる。「ちょっといいですか」 未流来が話し始めたのは小論文についてだ。高校のほうから小論文の課題を出すような気配があったと言う。痛し痒し・・・ここは二次対策で突っ張りたい。あくまで志望大学の選択肢の一つに三重大学医学部の地域枠推薦はある。しかし、それ以外にも未流来の選択肢はある。ここは前向きな両天秤、あるいは二股をかけたいのが本音。彼女のためにもだ。
そんな話のなか、さりげなく・・・微積が始まった・・・聞き違いかと突発性難聴の自分の耳を疑う。聞き返す・・・始まったばかり・・・震える。あまりにも遅すぎる。ただ、数Cのほうはかなり終わっている。しかし微積が今からだと、いつ終わる。通りがかった山崎に伝える・・・「そりゃ、遅いですね」と山崎。「まあ、物理と化学が終わってるのが幸いですけどね」 今までの未流来の数学に対するスタンスは予習をせずに授業のなかで理解していくというもの。「さすがに今回だけはそのスタンス、封印してくれや」と俺。「できれば夏休みが終わるまでに数ⅢCを一度はまわしたい」 山崎と相談し、4STEPしかないというのでチャートを買ってきて未流来に渡すことにする。「チャートは何色ですか」と未流来。「青やな」と俺。「青って難しそうじゃないですか」 「いや、黄色とほとんど同じや」 なだめすかせる作業が始まる。
・・・結局はチャート、青で落ち着く。未流来がつぶやく・・・「微積分って問題をこなさないとダメですか」 「そやな・・・俺は短距離走だと思ってるから・・・調練やな、それだけに早く取りかかりたい」 「調練ですか・・・耐えるんですね」 「・・・まあな」 「私は・・・忍ばない忍者になりたいんですよ。カタカナのニンジャになりたいんですよ」
明日は宮脇、最優先事項だ。