朝一で1階のマッツン(7期生・美容室自営)に髪を切ってもらった佳子(13期生・県内市民病院作業療法士)が姿を見せる。
佳子はけがなどで病院に運ばれる患者さんを担当する。
現場が急性のため、一定期間が過ぎると他の病院にまわす患者さんと、入院か通院の患者さんに分かれる。
ゆえに患者さんとの付き合いは短いか長いかのいずれか。
他の病院にまわす患者さんは回復の見込みがある患者さん。
しかし、通院や入院ともなると、その症状は個々個人で変わる。
理学療法士はPT、フィジカル・セラピスト、そして作業療法士はOT(オキュペイショナル・セラピスト)と呼ばれる。
理学療法士の場合は最初の動作・・・立ったり、座ったりするという動作回復を担当する。
いっぽう、作業療法士はそれ以後・・・掃除をしたり、料理を作ったりという日常生活の不可欠な動作を担当する。
さらに作業療法士の場合は、患者さんの心にも踏み込む。
患者さんが自己を律する気持ち、治療を受け続けようとするモチベーション、そんな感情の彼岸にまで踏み込む。
OTのオキュペイショナルは occupy の形容詞形、occupy は「~を占める」・・・「患者の心を占める」のが作業療法士の仕事だ。
心の治療ゆえに授業や教材で覚えた知識はあくまで参考に過ぎず、より多い実践を積み重ねることで自分なりのメソッドを構築していく。
その意味では、ある種システム化している理学療法士よりおもしろいらしい。
「分かりやすい計算問題が次の病院にまわす患者さんで、文章問題が病院に残る患者さんみたいなもんか?」と俺。
佳子が言葉を濁しながら苦笑する。
来週から試験が始まる清美(三重・選抜1年)が高校生の部屋で勉強している。
清美は理学療法士を志望している。
今日、佳子に清美を紹介した。
近い将来、清美の職種決定に際し、佳子がキーパーソンになりそうな気がする。
作業療法士の学科は最近定員割れが多くなってきたとか。
なんでやろね?
クリックのほう、何卒!