梨紗(津東1年)が期末試験の勉強にやって来た。
ちなみに兄貴は陵、同じ津東の3年で野球部のピッチャー。
13日ネタ・・・高校野球地方大会の津東の初戦ネタで盛り上がる。
3年前、陵は久居東のエースとして中学最後の大会に出場。
春以降の練習試合では、ほぼ全ての試合をシャッタウトと絶好調。
ところが緒戦の久居西戦、思わぬ出来事が陵を襲う。
初回の立ち上がり、陵の球の速さに観客からどよめきが起こった。
ところが西中の監督がベンチから審判に駆け寄り、何か言っている。
その抗議を受け審判がマウンドへ。
監督自らが投球フォームを示しながら、陵の投球フォームがルール違反だと主張している。
それまでの試合、西中をも含む試合では、審判からも相手チームからも、何ら注意を受けてなかったにもかかわらずだ。
結局、陵は審判に指示されたフォームで投げることを強いられる。
身体のひねりを効かせることができない・・・縮んだフォームを。
球に立ち上がりの伸びはなく、結局優勝候補の東中は初戦敗退。
その日はゆっくり休めばいいと伝えてあったのに少し遅がけに塾に姿を見せた。
「よく来たな、褒めてやるよ」
「・・・先生、見に来てくれてありがとう」
「オマエだけじゃない、あれから一志中にエスティマ走らせて瞭と慎也と健斗の鋭さが一向に感じられないサッカーの試合も堪能させてもらったよ」
「・・・」
「3年後にはまた行ってやるよ。その時には全力投球を見せてくれや」
「うん」
あの後悔と慙愧の思い出から3年。
7月13日午前11時30分、プレーボール。
今度こそ・・・今度こそ、ありったけの力で全力投球をするために陵はマウンドに上がる・・・。
ちなみに朝日新聞の地方版から抜粋。
●津東
昨夏、初戦で敗れた経験から「まずは1勝」が目標。エースの左腕竹内が力のある直球で三振を狙い、長打力のある4番の捕手谷口を中心に好機を逃さない打撃を目指す。ノック、キャッチボールなどの基本練習を重視して、肩の強化や失策を減らす努力を重ねてきた。
紀藤憲和主将 全員野球を徹底して、甲子園につながる1勝を勝ち取りたい。
13日は「たいしょうさん」からのお誘いもあり津球場まで出向くつもりだ。
瞭(津高3年)も「津高よりは陵のほうが見たいから応援に行くよ」
陵に物理と化学を教えている中藤(三重大学医学部4年)なんぞ、「プラカードをつくろうか」
13日は賑やかな一日になりそうである。