「先生、今日は家族で食事に出たんです。それで帰る車の中で本当に久しぶりに塾の先生のブログを見て・・・それで僕の名前が出てて、昼間にポストにメッセージを入れたって書いてあって・・・ええ!って思って、家に帰ってからポストを覗いたら、ブログに書いてあった通りに先生からのメッセージがあって・・・本当に・・・本当にありがとうございました。まだ、僕のことを覚えてくれてたんやって・・・」
覚えているのも何も・・・かつてウチの塾で教えた生徒なら覚えているに決まっている。その想いは年々大きく育つ。これは凌之に限ったことじゃない。ただ、凌之の場合は特別な感慨がある。常に悩まされてきた肘のケガ。「一度でいいから・・・一生で一度だけでいいから、全力で右腕で投げてみたい」 あの悲痛な叫びとともに思い出がまとわりつく。
「肘のほうはずっと左で投げてました。でも、その左も今年の春先によくなくなってきて・・・それで今は代打専門です。50m走で7秒1だった僕が今では6秒5になりました。まあ、それでも速いとは言えないんですが。でも脂肪がついていた僕の身体も変わりました。筋肉トレーニングのおかげだと思っています。ボディビルやウエートリフティングで世界大会レベルの先生が伊勢にいらっしゃって、そこでトレーニングしてます。今までは過激な練習量もあり、身体的には細い選手が多かったんですがチームカラーが変わりました。僕だけなく、みんなががっしりしてます。トレーニングだけでなく強化食、これってプロテインより効果があって、でもまずいんですがね、食生活の改善も図っています。それでも最近は肉離れに泣かされて、これで三度目なんですけどね・・・それでもベンチに入ることができる。最後の夏を代打で出場できる。本当に嬉しいんです。今年は甲子園は厳しいかもしれません。でも2年に二人いいピッチャーがいます。やはり来年が一番可能性があります。でも僕にとっては今年が最後の大会です・・・最高の準備をして臨みたい。先生のメッセージにもあったように・・・悔いがないように、本当に悔いがないようにしたいんです」
皇學館高校野球部は明日から県外に遠征に出る。
凌之の中学最後の試合がこのブログ。あの日は俺のエスティマがなぜかエンスト、それも42号線の一車線の信号でだ。恥ずかしさがぶり返す。臼井、改めて感謝する、すまんかったな。今度ジャン卓で遭遇したら、アンタのリーチに即で赤五筒を振ってやるよ。
凌之がいつか家庭を持ち、子ができて、その子供に「俺が昔おった塾はな」って言いつつ、このサイトを見せる日が来れば最高だ。そして凌之は続けるわけだ・・・「あの、おもろい塾先も今じゃ死んでしまったけどな」
俺が死んでも「れいめい塾」はブログの中で生き続ける。