歩がやって来た。しばらくしても何も指示を出さない俺のところにやってきて「何をすればいいでしょうか」 「宿題は?」 「終わりました」 「ちゃうちゃう、日々の宿題じゃねえって。テスト当日に提出する教科書併用の問題集だ」 「持ってきてません」 「・・・あのな、今までの試験の流れのなかでまだ学習してへんか」 「・・・」 「試験日は?」 「10月の9日と10日です」 「試験日が言えるようにはなったわけや・・・じゃあさ、一歩踏み込んで試験日まで2週間を切っている。今週の金曜日あたりに試験範囲が発表される。その時までに当日提出分の宿題をどこまで潰しておくかが勝負やって・・・期末の時にオマエに言ったはずやで。最悪な展開は何度も言うが、試験発表から宿題を始めて直前まで宿題ばっかやってる奴やって」
稜大が来た・・・この学年のいい怒られ役だ。皆の前で聞く、「数学どこやってる」 「一次方程式の文章題、距離のあたりです」 「じゃあ、試験範囲は文章題全部やろ。今日中に問題集を文章題の最後まで潰せ! できるまで帰るな!」
この稜大に対しての厳しい言い方・・・まあ、全然悪くはない稜大はかわいそうだが・・・この叱咤めいた言い方が歩にいい影響を与えればなと思う。何度も言うが、かわいそうなのは稜大なわけで・・・心中で俺に何か機嫌が悪くなることでもしたかなと思いつつも必死に問題集を解いている。
中3は昨日の全県模試での弱点、歴史の大正時代と昭和時代・・・1年後輩たちの今回の中間試験の範囲だが、中2と同じプリントを手渡す。政党政治から戦争終結までだ。
試験直前の人也は英単語の確認からだ。深夜に作っておいたプリントの字校正を兼ねて二人で音読から始める・・・やはり深夜に打つプリントにはミスが多い。真ん中の部屋で音読してると甚チャン、ふわりとやって来る。
中1へは諒(21期生・三重大学工学部物工4年)と高1の馨五をぶつける。今日から英語の比重を下げて他の教科へ・・・まずは一次方程式からだ。東の中2が4人ともやって来る。歴史のプリント、中3がやってるやつだ。採点は中3、少しは緊張するかもしれない・・・緩むかもしれない。
大西君(研究者)からパソコンへメール・・・なんとか10時開始の授業に間に合ったようだ。とりあえずは良かった・・・。
メールといえばドキドキしながら初めて送った sms ・・・ショートメールサービスとかのやつ、夕方になり返信あり。安堵する。
いろんな塾の先生と知り合いになると、生徒たちと line や sms などで頻繁に連絡を取り合っているという・・・俺にはできないな。ついつい自分ならと考える。・・・自分ならば、人から干渉されるのが嫌やろなと思ってしまうからだ。ところがどうやら最近ではそうでもないらしく、コミュニーケションツールとして大いに活用している塾の先生方がいる。でもなあ・・・そこまで踏み込んでいいのかと思うのだが。
しかし状況は切迫してる。そんな今までのスタンスを変える時期に来ているかもしれない。