山本飛鳥の“頑張れコリドラス!”

とりあえず、いろんなことにチャレンジしたいと思います。

12 自分は「ダメな女」ではないと思っている女

2007-07-14 17:48:19 | 読書
村上龍 「ダメな女」

“タイトルを見てどきっとしてしまったあなた。
あなたはたぶんダメな女ではないでしょう”

ここでの内容はいちいち引用しないことにするが、実際この本を買うに至ったのは、ドキッとしたからだろうと思う。

「ダメな女」ということで連想するもの。
優柔不断な女、依頼心の強い女、依存する女、悲観的な女、自己中心的な女、気位の高い女、虚栄心の高い女、卑下する女、相手を見て態度を変える女、自分が一番正しいと思っている女、等々・・・
表面的にみると、だらしない女、身だしなみを整えない女、不潔な女、ルーズな女、大騒ぎする女、慌てふためく女、物事を極端に捉える女、自分の意見を言わない女、物事に対して何も判断しない、等々・・・

私の場合、
片付けのできない女 自己主張の強い女 ってところかな。

この本を買ったきっかけは、「女性の品格」を買いたくなかったからだ。
もっとストレスのたまらないマシな本はないかいなと思って探したからだ。
私は、駅前で配られるポケットティッシュを有効利用したい人間だし、安物の服しか買えない人間だから、「品格のある女性」になんかなろうとは思わないが、すくなくとも「ダメな女」にはなりたくないのだ。
この本が、「整理整頓ができない女」「ただの物をもらう女」がダメな女である、などということが書いてないことは初めからわかっていたし、そういう切り口でないところがすきなのだ。

11 構造のくだらなさに気付かない女

2007-07-14 17:12:04 | 読書
村上龍 「ダメな女」

“世界を相手に国際的競争をするのに、
日本のくだらない「構造」は必要ない。
そこから脱出する方法を探るべきだ。”

村上氏が嫌う日本の構造とは、様々な職業や年代の人々がそれぞれその属性にしたがってポジションを与えられ、そこにとどまって、そのポジションにふさわしい言動をとることを要求されること。
そして、苦労してはい上がった人間を「世間」が認め、ちやほやすること。

しかし、この文章が書かれてからすでに6年の年月がたち、そのような日本の古い構造もかなり壊れてきていると言えるだろう。
いまや、苦労をした人間が報われるなどという考えをする人は少なくなっているし、むしろ苦労が報われなのは、その活動の仕方がおかしいか、よほど要領の悪い人間だということだ。今は、頭をかしこく働かせ効果のある活動をすることのできる人が、社会的地位も財力も得ることができるのだ。

海外で暮らしたことのない私は、日本社会を外から眺めたことがないから、日本のくだらなさはよくわからない。確かに外国に出てみることは大切なことかもしれない。
ひとかどの人は皆、日本を出て見ることだろう。

数年前とはずいぶん変わってきたこのごろではあるが、逆にまた別の位置づけが固定されてきているような気がする。つまり成功者というものは、血のにじむような努力ではなく、頭を使って工夫をしながらポジティブな姿勢で生きた結果成功を勝ち取ったに違いないというような発想だ。また、老後に貯金しか残っていない人間は人生を失敗したようなものだなどという発想だ。
人間にはいろんな人生があり、いろんな成功の仕方がある。いろんな幸福の形がある。人間を勝ち組、負け組みなどとひとつのパターンにあてはめて決めてしまうこと自体、それも新たな構造に人間を閉じ込めているような気がする。

今、この日本の構造の中での「ダメな女」を考えてみると、「なんとかセレブになろうとしている女」、逆に「負け組みから抜け出せるわけがないとすねている女」(私?)。
年金問題に躍起になっている人。
いずれにしても、やはり日本社会の渦の中に入り乱れて、かき混ぜられている人かな。