山本飛鳥の“頑張れコリドラス!”

とりあえず、いろんなことにチャレンジしたいと思います。

植木等さんの訃報

2007-03-29 01:46:46 | 未分類過去
「スーダラ節」や「無責任男」の時代の植木さんのことはほとんど記憶にない。
私が知っているのは、晩年になってからの植木さんだ。
いつだったか、「植木さんというのは一番ステキなおじいさんだな」と思ったことがある。
70歳くらいだったかと思う。すごく健康的だった。
顔の色つやがよく、無駄な贅肉などなどなく、頭の回転も良く、品があって味があって、ほんとうにいい感じだ。
当時、70代くらいで亡くなっていく芸能人を見るたびに残念に思い、「誰がいつまでも元気で活躍し続けられるだろうか?」と思った時に、まず、植木さんが思い浮かんだのだ。
森繁さんは高齢になっても頑張っている代表的な人だが、それに続いて、いや、それ以上に軽快に健康で活発に100歳までも元気で現役で活躍しそうな人が植木等さんだと予想した。

しかし、それが実現できなくてほんとうに残念だ。

おやっと思ったのは、昨年暮れ、青島幸男さんの葬儀のときの植木さんだった。ちゃんと歩いてはいるが、酸素の管のようなものが鼻につながっていて、健康ではないということがわかった。ちょっと見ない間にずいぶんと弱られたようだった。

きょう、朝のテレビ番組「とくダネ」で知ったことに、10年前から肺気腫で闘病生活をしていたという。ぜんぜん知らなかった。でも、昨年は映画の撮影にも出演していて、いい味をだしているようだ。今年の夏に放映されるようだが、それが最後の出演の姿となる。
90歳くらいまで現役でいてくれることを期待してはいたが、80歳まで仕事をされたのは素晴らしいことだろう。

植木さんは、テレビでは軽い男を演じていたが、実は非常に真面目な人だったという。お寺の息子で、お坊さんになる勉強もした人なので、もともと内面的に深みがある人だったそうだ。実は酒も飲まない煙草も吸わない。
なるほど、だからあんなに健康的だったのかもしれないと思った。

若い頃、クレイジーキャッツは、青島幸男の脚本で、毎日昼の時間に5分くらいのコントをやり、ナマで放送していたらしい。
青島さんも意地悪ばあさんをやったり、外面は非常に軽い人だったが、内容の濃い人だった。若いときは体が弱くて、みんなが青春を謳歌しているときに、闘病を続けて苦労していたのだそうだ。青島さんその後も大きな病気をしているし、いろいろな方面でで活躍されたが、長生きはできなかったのが残念だ。

お寺の住職だった植木さんのお父さんは、植木さんの芸能活動には反対だったそうだが、青島さんという青年は素晴らしい脚本家だから、この人の脚本を演じろと植木さんに言い、植木さんが住職にならず芸能界で生きていくことを認めたようだ。さすがにお父さんも人を見る目のある立派な人だったのだろう。

青島さんや植木さんなど、外は「軽い」のに、内容の深い人というのは、本当に魅力がある。
小松政夫は植木さんの付き人をしていて、とてもかわいがられたそうだが、そういえば小松政夫さんにも同じような要素があるなと思った。

これらのことは朝の「とくダネ」から仕入れた情報が多いが、フジテレビ「とくダネ」は非常によくできている番組だ。毎回、何でもきめ細かく検証しきちんと編集されている。短時間のうちに充実した内容を構成し、制作するスタッフもすごいと思うが、司会の小倉さんも物事を深くしっかりと把握している人で、人間の深さを感じさせられる。

それに比べると、TBSの朝ズバはあまり好きではない。局の番組も作りも、みのさんに丸投げという感じだが、みのさんのコメントも、その場その場にひらめいた感情的、独断的なコメントばかりでうんざりする。
前日のフィギュアスケートの選手たちに対するインタビューも、見ていて気分が悪くなった。みのさんの聞き方は、小倉さんとは比較にならないほど無知で、下卑ていて、不公平で不愉快だった。一言で言えば真央ちゃんにばかり時間をかけちやほやして、安藤には失礼な質問を投げかけていた。そのような人格も疑うが、知識についても、多忙なひとりの人間が早朝から長時間担当し続けているのだから、限界があるのは当然だ。

その点、フジテレビは、分担をしながらしっかりと務めているところがすばらしい。小倉さんはみのさんと違い、多数長時間の生放送を抱え込んだりしていないので、教養があり、内容を充実させていて、無理がない。
昔はTBSで気に入ったドラマや番組が多かったが、今はフジテレビのほうが格段に優れてきていると思う。

話が植木等さんからずれてしまったが、表面は軽く、しかし中身の深い植木さんや青島さんのような人、そして、教養があって公正な小倉さんのような人が私は好きだ。