製作年:2021年
製作国:アメリカ
日本公開:2022年3月25日
監督:ギレルモ・デル・トロ
出演:ブラッドリー・クーパー,ケイト・ブランシェット,トニ・コレット
1939年、カーニバルのショーを観終わったスタントン(ブラッドリー・クーパー)は、マネージャーのクレム(ウィレム・デフォー)に声をかけられる。そこで出会った読心術師のジーナ(トニ・コレット)に気に入られたスタントンは、彼女の仕事を手伝い、そのテクニックを身につけていく。人気者となった彼は一座を離れて活動を始めるが、ある日精神科医を名乗る女性(ケイト・ブランシェット)と出会う。
ウィリアム・リンゼイ・グレシャムの「ナイトメア・アリー 悪夢小路」を原作に描くサスペンス。ショービジネスの世界で成功した野心家の青年の運命が、ある心理学者との出会いによって狂い始める。メガホンを取るのは『シェイプ・オブ・ウォーター』などのギレルモ・デル・トロ。『アメリカン・スナイパー』などのブラッドリー・クーパー、『ブルージャスミン』などのケイト・ブランシェットをはじめ、トニ・コレット、ウィレム・デフォー、リチャード・ジェンキンス、ルーニー・マーラが出演する。
ショービジネスの世界で成功した男に待ち受ける運命を描いたサスペンスミステリー。鬼才ギレルモ・デル・トロ監督の独特の世界観を久しぶりに楽しめました。ダークで不気味な映像とグロいシーン、そして美術セットや奇術装置の数々にワクワクが止まりません。ギレルモ・デル・トロ監督作品は、怪物が登場することが多いですが、本作では分かりやすい目に見える怪物は出てきません。しかし人間の心の奥底に眠っている“怪物”。主人公のスタンこそが怪物なのだと観ていくうちに理解できました。感情丸出しのブラッドリー・クーパー。そして一切の感情を出さないケイト・ブランシェット。この2人の会話にゾクゾクさせられました。読心術を手に入れたスタンが、多くの人々を、世の中を、目に見えないものへの信仰心を利用して、自分の思い通りのまま支配していく。しかし、スタンは超えてはいけない一線を超えてしまったのです。降霊術を始めてしまったスタンの運命。“因果応報”。支配する者からされる者へ。自分が置かれている環境や、出会いによって人格や人生が変わってしまったスタンのように見えましたが、自分の父親にした行いを場面を観ると、彼の中には最初から怪物がいたのかと感じてしまいました。そして彼以上の怪物が世の中にはたくさんいるのだと知って、さらにゾクゾクさせられました。もう少し登場人物たちの過去について詳しく説明が欲しかったところ。そしてちょっと長いかな…
この作品の評価・・・・★★★★★★☆☆☆☆(満点は★10)
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