股間の解放記

普通の社会人PEKOの、日々思うことをつづっていきます。

黄金のアデーレ 名画の帰還

2015年11月30日 17時19分32秒 | 映画評論ア行
製作年:2015年
製作国:アメリカ/イギリス
日本公開:2015年11月27日
監督:サイモン・カーティス
出演:ヘレン・ミレン,ライアン・レイノルズ,ダニエル・ブリュール,ケイティ・ホームズ
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アメリカ在住の82歳のマリア・アルトマンは、グスタフ・クリムトが描いた伯母の肖像画で第2次世界大戦中ナチスに奪われた名画が、オーストリアにあることを知る。彼女は新米弁護士ランディの助けを借り、オーストリア政府に絵画の返還を求めて訴訟を起こす。法廷闘争の一方、マリアは自身の半生を振り返り…。
ナチスに奪われた世界的に有名なグスタフ・クリムトの名画を取り戻すため、オーストリア政府を相手に返還訴訟を起こした女性の実話を基に描いた人間ドラマ。肖像画のモデルとなった女性のめいで、戦争に運命を翻弄された実在の主人公をオスカー女優ヘレン・ミレンが好演する。彼女とタッグを組む弁護士に、『[リミット]』などのライアン・レイノルズがふんし、『ラッシュ/プライドと友情』などのダニエル・ブリュールらが共演。『マリリン 7日間の恋』などのサイモン・カーティスがメガホンを取る。

ナチスに奪われたクリムトの名画を取り戻すために、オーストリア政府を相手に訴訟を起こした女性の物語。アカデミー賞女優のヘレン・ミレンと、ライアン・レイノルズのコンビがとても新鮮で面白い。実話だと思うと、政府を相手に訴訟を起こすなんてすごい女性だなと思いました。絵の所有権は誰にあって、遺言状の効果はあるのか。裁判の行方を描くと同時に、マリアの半生も描かれています。幸せの絶頂から、ナチスからの迫害。そして国外へと逃亡しようとするマリアが背負ってきた壮絶な人生に驚きました。ナチ政権時代の出来事があったからこそ、マリアは何としてでも絵を取り戻して家族との絆や思い出を大切にしたかったのかもしれません。絵については全く知識がありませんが、戦争に翻弄された家族、戦争の恐ろしさを感じられる作品でした。希望が持てるラストも良いですね。とても良い話でしたが、途中でマリアの気持ちが揺らぐ場面があります。そこをもっと丁寧に深く描いてくれれば共感できたと思います。なんで急に気持ちが変わったの?と疑問に感じたので…。

この作品の評価・・・・★★★★★★★☆☆☆(満点は★10)
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あいつの声

2015年11月26日 21時14分49秒 | 映画評論ア行
製作年:2007年
製作国:韓国
日本公開:2011年9月3日
監督:パク・チンピョ
出演:ソル・ギョング,キム・ナムジュ,カン・ドンウォン,イ・ヒョンチョル

人気キャスターの一人息子が突然誘拐され、犯人は身代金1億ウォンを要求。警察の捜査網をくぐり抜け、正体をつかませない誘拐犯だけに、正体を突き止める唯一の手掛かりは声だけだった。そんな誘拐犯とのやりとりが長期化するにつれて、両親はだんだんと追い詰められていき…。
1991年にソウルで起きた誘拐事件を基に、最愛の息子を奪われた両親と誘拐犯の悪夢のような44日間を描くサスペンス。監督は、『ユア・マイ・サンシャイン』のパク・チンピョ。脅迫電話に振り回される父親を、『公共の敵』シリーズのソル・ギョングが演じる。誘拐犯の声という形で出演するのは『義兄弟 SECRET REUNION』のカン・ドンウォン。両親を精神的に追い詰める誘拐犯の声を冷徹に表現し、存在感を見せるカン・ドンウォンに注目だ。

息子を誘拐された両親と誘拐犯の44日間のやりとりを描いた、1991年に起きた実話を基にしたサスペンス。時効間近に製作された本作は監督・出演者・スタッフが一丸となって事件解決を願い製作されたそうです。
両親の気持ちの考えるだけで胸が苦しくなります。韓国では3大未解決事件の1つとされ、映画化された「殺人の追憶」「カエル少年失踪殺人事件」に次ぐ3作目となります。犯人は誰なのか、そして誘拐した目的は何か。謎が徐々に明らかになっていけ…ばいいのですが展開としては単調な方でした。まぁ実話であり現在でも未解決なので仕方がないかもしれません。ラストに犯人のモンタージュと実際の声が流れるのでゾッとしました。“あいつの声”は残された両親を一生苦しめるだろう…。誘拐されてすぐに窒息死したサンウ君を想うと可哀そうで仕方ない。警察の無能っぷりも腹が立ってくる。しかしながら、ドキュメンタリーを観ているような感覚になり、観終わったあとは「あぁ可哀想…。辛い…。」という印象しか持てなかった。なんだろうなぁ…テレビ番組の公開大捜査スペシャルを観ているような?顔は出ませんがカン・ドンウォンが最初から犯人役って知ってたのも良くなかったかな。
映画の感想とは関係なく誘拐当日に9歳の少年を殺害して、録音した子供の声を流し生きているように偽装して、脅迫電話を80回以上も繰り返して44日間も両親を苦しめ、大金も奪い取るなんて…時効は過ぎたとしてもこんな冷酷な犯人が早く罰せられることを心から願います。

この作品の評価・・・・★★★★★★☆☆☆☆(満点は★10)
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PRESSURE/プレッシャー

2015年11月25日 16時10分19秒 | 映画評論ハ行
製作年:2015年
製作国:イギリス
劇場未公開
監督:ロン・スカルペッロ
出演:ダニー・ヒューストン,マシュー・グード,ジョー・コール,アラン・マッケンナ,イアン・ピリー

石油のパイプラインが故障し、ソマリア沖の深海で作業をすることになった作業員4人。順調に進んでいたはずが、いきなりの嵐で母船が沈没してしまい4人を乗せた作業タンクが水深200メートルで孤立してしまう…。酸素も残りわずかの中、作業員4人は生き延びることができるのか…
劇場未公開。TSUTAYAだけレンタル作品。深海に取り残された男たちのサバイバルを描く。

ソマリア沖で潜水中に深海に閉じ込められたダイバー4人の決死のサバイバル。母船は嵐で沈没…絶体絶命の状況で刻一刻と減っていく酸素メーター。海底に閉じ込められた極限状態の恐怖(プレッシャー)を描いています。しかし意外と彼ら4人は冷静なんですよね。この手の作品でよくある1人ずつ死んでいく展開。それは良いとして、助かりそうな方法があるのなら、初めからすれば良かったんじゃないの?とツッコミ。彼らが観る夢の中での出来事がまた、閉塞感や孤独を感じます。でも緊急事態で話すことか?息子に会いたいだの、彼女を事故で失っただの、家族は大切だの…いやいや、それよりもまず助かる事を考えようよ(笑)もう少し「俺が生き残る!お前は死ね!」みたいなドロドロした展開もあれば楽しめたかもしれません…。

この作品の評価・・・・★★★★☆☆☆☆☆☆(満点は★10)
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インサイド・ヘッド

2015年11月24日 23時16分14秒 | 映画評論ア行
製作年:2015年
製作国:アメリカ
日本公開:2015年7月18日
監督:ピート・ドクター
声の出演:竹内結子,大竹しのぶ
official site

田舎町に暮らす11歳の女の子ライリーは、父親の仕事の影響で都会のサンフランシスコに移り住むことになる。新しい生活に慣れようとするライリーの頭の中では、ヨロコビ、カナシミ、イカリ、ビビリ、ムカムカたちが、ライリーの幸せのためという強い気持ちが原因で衝突していて…。
11歳の少女の頭の中を舞台に、喜び、怒り、嫌悪、恐れ、悲しみといった感情がそれぞれキャラクターとなり、物語を繰り広げるディズニー/ピクサーによるアニメ。田舎から都会への引っ越しで環境が変化した少女の頭の中で起こる、感情を表すキャラクターたちの混乱やぶつかり合いなどを描く。メガホンを取るのは、『モンスターズ・インク』や『カールじいさんの空飛ぶ家』などの監督ピート・ドクター。成長という普遍的なテーマと子供の頭の内部という独創的で柔軟な世界が混じり合う、個性的な物語に期待が高まる。

少女の頭の中で4つの感情のキャラクターが繰り広げる物語。喜び、怒り、嫌悪、恐れ、悲しみ…それぞれの個性的なキャラクターたちが活躍します。ライリーが生きる現実世界と、ヨロコビやカナシミがいる脳内世界、2つの世界での話が進んでいくので少しごちゃごちゃしているかなと思いました。まぁ引っ越しをして慣れない土地で暮らすことになった少女の話を、脳内まで描くっていうアイデアは面白いと思います。でもなんか感動しなかったんです。カナシミの行動にちょっとイライラしたり、ヨロコビのテンションの高さに違和感を覚えたり。要は人間ってヨロコビの感情だけじゃなくて、カナシミやイカリなど喜怒哀楽があるからこそ成長できるのだというメッセージが込められていると思います。カナシミがあるからこそ、その先にヨロコビが待っている。でも全体的に子供が観るとちょっと理解し難いかもしれません。大人が観てもどこで笑ったり感動していいのやら…。結局ヨロコビ以外の感情が目立たずに終わってしまったのも残念なところ。良い話なんだけどね。

この作品の評価・・・・★★★★★☆☆☆☆☆(満点は★10)
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リアル鬼ごっこ

2015年11月23日 17時14分48秒 | 映画評論ヤラワ行
製作年:2015年
製作国:日本
日本公開:2015年7月11日
監督:園子温
出演:トリンドル玲奈,篠田麻里子,真野恵里菜,桜井ユキ,高橋メアリージュン,磯山さやか,斉藤工
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女子高生のミツコは、何者かに追われ、ふと気が付くと学校の教室にたどり着いていた。一方、ケイコは知らない女性にウエディングドレスに着替えさせられ、何者かに追われる。そして陸上部のいづみも迫りくる恐怖と対峙することとなり…。
人気小説家山田悠介の原作で何度も映像化されている題材で、『愛のむきだし』『ヒミズ』などの鬼才・園子温がオリジナル作品として監督を務めた問題作。殺人のターゲットを全国の女子高生とし、女子高生が次々と殺される中、3人のヒロインが阿鼻(あび)叫喚の様相で逃げ惑う姿を描く。出演は、トリンドル玲奈、元AKB48の篠田麻里子、真野恵里菜。過剰でグロテスクな演出と、園監督の手腕により見いだされる女優たちの新たな魅力に注目。

園子温監督の作品を今まで幾つか観てきましたが完全に完成度が右肩下がり…。本作は今までの作品で一番酷かったかもしれない。まず言いたいのはタイトルの「リアル鬼ごっこ」について。鬼は1人も出てこないし、予告編の子供のナレーションで“女子高生の数を減らしま~す”というのも本編では一言も言いません。そうです、これはリアル鬼ごっことは無関係なのです。園子温監督は、なんと今までのリアル鬼ごっこを知らないまま撮影の臨んだそうです。なんだそりゃ!だったらこのタイトルを付けるな!!ストーリーは何もありません。正体不明の風に追われて逃げる主人公、ちょいちょい映るパンチラ。ワニに股食われる。斉藤工のブリーフ姿。オチはゲームの世界だった?観終わってから「意味不明」という言葉しか出てこない。出てくる人物が何者なのか分からないまま進んでいくので置いてけぼりです。これなら俺でも作れるんじゃないかと思ってしまう。ドローンも無駄遣い。

この作品の評価・・・・★☆☆☆☆☆☆☆☆☆(満点は★10)
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妻への家路

2015年11月22日 13時51分53秒 | 映画評論タ行
製作年:2014年
製作国:中国
日本公開:2015年3月6日
監督:チャン・イーモウ
出演:チェン・ダオミン,コン・リー,チャン・ホエウェン,チェン・シャオイー,イェン・ニー
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1977年の中国。文化大革命が終結し、20年ぶりに自由の身となったルー・イエンシー。ところが自宅に戻ると、妻のフォン・ワンイーは夫を長年待ち続けた疲れが原因で記憶障害となり、イエンシーを他人だと認識してしまう。イエンシーは向かいの家で生活を始め、収容所で書き続けてきたワンイーへの膨大な量の手紙を読み、駅に夫を迎えに行くワンイーにも付き添い…。
『紅いコーリャン』『秋菊の物語』などのチャン・イーモウ監督とコン・リーが再びタッグを組み、文化大革命後の中国を舞台に夫婦の切ない愛を描くドラマ。20年ぶりに解放された夫が、夫を待ちすぎて記憶障害となった妻に自分を思い出してもらおうと奮闘する様子を映す。ひたすら夫を待つ妻をコン・リーが、妻に寄り添う夫を『HERO』『インファナル・アフェアIII 終極無間』などのチェン・ダオミンが演じる。いちずな夫婦の姿が感動的。

記憶障害になった妻。妻に自分を思い出してもらおうと奮闘する夫。すぐ隣に夫がいるにもかかわらず、夫を帰りを駅で待ち続ける妻の姿が切なかった。夫と認識してもらえないルー・イエンシーは様々な方法で妻に会いに行きます。ピアノの調律師、手紙を読む人、自分の名前を書いたプラカードを持って駅で待ち続ける…。それでも気付いてくれない妻…。降り積もる雪と重なり、さらに切なさが高まります。ただただ切ない…。しかし、何も変えることが出来ないのなら、今を受け入れることも大切。夫婦の絆に切ないけれど心温まる物語でもありました。でも少し盛り上がりに欠けたかな。夫婦の行く末を淡々と描き過ぎた…。文化大革命についてもう少し掘り下げたら面白くなったかもしれません

この作品の評価・・・・★★★★★★☆☆☆☆(満点は★10)
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コードネーム U.N.C.L.E.

2015年11月21日 01時45分09秒 | 映画評論カ行
製作年:2015年
製作国:アメリカ
日本公開:2015年11月14日
監督:ガイ・リッチー
出演:ヘンリー・カヴィル,アーミー・ハマー,アリシア・ヴィキャンデル,エリザベス・デビッキ
official site

東西冷戦の最中の1960年代前半。CIAエージェントのナポレオン・ソロとKGBエージェントのイリヤ・クリヤキンは核兵器拡散をたくらむ謎多き国際犯罪組織を制圧するために、長年の政治的対立を超えて手を組むことに。思考や方法論も真逆の二人は、組織につながる手掛かりである行方をくらました科学者の娘を守り、核兵器の大量生産を阻止すべく奔走する。
1960年代の人気テレビシリーズ「0011ナポレオン・ソロ」を、『スナッチ』などのガイ・リッチー監督が新たな視点で映画化。東西冷戦下、CIAとKGBのエージェントが協力し合い世界規模のテロ事件を阻止すべく奮闘する。プレーボーイのソロと堅物クリヤキンという水と油のスパイコンビを、『マン・オブ・スティール』などのヘンリー・カヴィルと、『ローン・レンジャー』などのアーミー・ハマーが熱演。そのほか『アンナ・カレーニナ』などのアリシア・ヴィキャンデル、ヒュー・グラントらが脇を固める。

1960年代の人気テレビドラマ「0011ナポレオン・ソロ」をガイ・リッチー監督が新たに映画化。東西冷戦の時代に敵国同士だったスパイ2人が手を組んで、大規模テロを阻止しようとする物語です。スパイコンビを演じたのがこちらの2人↓

イリヤ・クリヤキン役を演じたのは『ソーシャル・ネットワーク』『J・エドガー』『ローン・レンジャー』と話題作に出演し続けているアーミー・ハマー(左)。私生活では石油王の御曹司だそうで…神は2物でも3物でも与えるのか(笑)
ナポレオン・ソロを演じたのは『マン・オブ・スティール』のスーパーマン役を演じ、来春公開予定の『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』にも出演するヘンリー・カヴィル(右)。このイケメン過ぎる2人がスパイって…なんだろうね。ちなみに元々はトム・クルーズがナポレオン・ソロ役の候補になっていたそうですが降板したそうです。

さて、感想に戻ります。今年は数多くのスパイ映画が公開されてきましたが、本作はオシャレなスパイ映画になっています。映像・音楽・俳優。ガイ・リッチ-監督らしい、60年代のファッションや小道具、とにかくカッコ良さにこだわった仕上がり。ストーリーは至ってシンプル。しかしシンプルなのは良い事なのだけど今年公開された「ミッションインポッシブル」や「キングスマン」と比べてしまうと新鮮味に欠ける。何か1つ今までにない突起した仕掛けや演出があれば良かったが、何かのスパイ映画で観たことがあるようなシーンばかり。アクションも、ラブロマンスも…。面白かったしお金を払って観た事に公開はしていないが…う~ん。続編イスタンブール編がありそうな予感もするので期待しています。

この作品の評価・・・・★★★★★★☆☆☆☆(満点は★10)
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グッド・ライ~いちばん優しい嘘~

2015年11月20日 17時14分35秒 | 映画評論カ行
製作年:2014年
製作国:アメリカ
日本公開:2015年4月17日
監督:フィリップ・ファラルドー
出演:リース・ウィザースプーン,アーノルド・オーチェン,ゲール・ドゥエイニー
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カンザスシティーの職業紹介所勤務のキャリーは、スーダンの内戦で両親を亡くしたマメールらを空港で出迎える。これまで抜かりなく仕事をこなしてきた彼女の任務は、難民の彼らに勤め先を見つけることだった。だが、電話など見たこともなく、マクドナルドも知らない彼らの就職は困難を極める。
『ビューティフル・マインド』などのロン・ハワードが製作に回り、『ぼくたちのムッシュ・ラザール』のフィリップ・ファラルドー監督を迎えた感動作。1983年にアフリカ大陸のスーダンで起きた内戦を機に、アメリカの各地に移住することになった3,600人の難民の若者たちを取り巻くドラマを映し出す。主人公を『ウォーク・ザ・ライン/君につづく道』などのリース・ウィザースプーンが熱演。実話を基に描かれる、文化の違いから生まれる数々の笑いや交流に感動が押し寄せる。

アメリカに移住することになった難民の若者たちのドラマ。実話を基に描かれています。スーダンで起きた内戦や、難民たちのアメリカで生活を見て考えさせられることがたくさんありました。マクドナルドですら初めて見るスーダンの若者たちにとっては、何もかもが新鮮。賞味期限が切れかかった食料品を平気で廃棄処分していることも、本当は勿体ないことなんだろうし、この食料で救える命がたくさんあることを忘れてはいけない。当たり前のように物を捨てて、当たり前のように新品を買う自分が少し恥ずかしくなりました。アメリカで暮らしていても純粋な気持ちを忘れない若者たちの姿に感動しました。幼い子供たちが内戦地を歩き続ける姿に終始ドキュメンタリーを観ているような重たい空気で話は進んでいきます。タイトルの「グッドライ」はいつ出てくるのかと不思議に思ってましたが、最後の最後に出てきました。難民のロストボーイだったマメールがついた嘘。その嘘はどんなに自分が辛い状況に置かれていても、人を想い守るためについた嘘でした。平和に生きられることに感謝。もう誰も傷つかず、悲しむことのない世界になって欲しいと切に想いました。

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女神は二度微笑む

2015年11月17日 18時13分23秒 | 映画評論マ行
製作年:2012年
製作国:インド
日本公開:2015年2月21日
監督:スジョイ・ゴーシュ
出演:ヴィディヤ・バラン,パランブラタ・チャテルジー,ナワーズッディーン・シッディーキー
official site

イギリス・ロンドンに暮らすヴィディヤは、インドへ行ったまま行方不明となった夫のアルナブを捜すためにコルカタにやって来る。しかし、宿泊先や勤務先にアルナブがいた痕跡はなく、やがてアルナブに非常によく似た男が国家情報局に追われていることが判明。ヴィディヤは危険を冒してでも、アルナブの行方を捜そうとするが…。
インドで消息不明となった夫を捜す女性をヒロインに、失踪と地下鉄テロの二つの事件にまつわる壮大な謎を、多彩な伏線を張り巡らせて描いたサスペンス。イギリスで暮らすインド人女性が、インドへ行ったまま連絡が途絶えた夫を見つけるべく、妊娠中の身でありながら壮絶な捜索劇を繰り広げる。主演は、ボリウッドを中心に活躍しているヴィディヤ・バラン。監督は『アラジン 不思議なランプと魔人リングマスター』のスジョイ・ゴーシュ。謎が謎を呼ぶストーリーと衝撃の展開に驚かされる。

消息不明になった夫を探す女性が、大きな事件に巻き込まれていくサスペンス作品。インド映画は今まで何本か観てきましたが、ポジティブな作品ばかりでした。初めてのサスペンス in インド映画です。既にハリウッドでリメイクが決定しているほど。確かによく出来ている!後半までは、よくある話なのだけど、突如状況が一変します。どんでん返しが起きてから伏線が回収されストーリーを思い返すと恐ろしくもあり切なくもあり…。夫の行方不明と地下鉄テロ事件。2つの事件の真相が明らかになっていく中で、怪しい人物が次々に浮上してきます。最後はきっと夫と再会して…と思ったら「えぇー!」まさかの展開でした。誰が嘘を付いていて、真実は何なのか。なかなか予想できない終わり方ですよ。ミランの正体ばかり気になっていると…ネタバレになるのでこれ以上は言えません(笑)主演女優の美しさや、コルカタの街並みも魅力的でした。インド映画恐るべし!全てが明かされたように見えますが、地下鉄テロの真相は謎のまま…

この作品の評価・・・・★★★★★★★★☆☆(満点は★10)
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トゥモローランド

2015年11月16日 12時44分38秒 | 映画評論タ行
製作年:2015年
製作国:アメリカ
日本公開:2015年6月6日
監督:ブラッド・バード
出演:ジョージ・クルーニー,ブリット・ロバートソン,ヒュー・ローリー,ラフィー・キャシディ
official site

17歳のケイシーが見覚えのないピンバッジに触ると、自分が思い描いた別世界へと入り込んだ。バッテリー切れで現実の世界に戻ってきた彼女の前に、不思議な少女アテナが現れる。そしてケイシーにトゥモローランドに戻りたいのなら、フランクという男性を訪ねるよう助言する。
『ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル』などのブラッド・バード監督と、名優ジョージ・クルーニーのタッグで放つ話題作。ウォルト・ディズニーが想像した未来を軸に、“トゥモローランド”のことを知っている主人公と17歳の少女が未知の世界への扉を開く姿を描く。共演は『愛する人』などのブリット・ロバートソンやテレビドラマ「Dr.HOUSE」シリーズでおなじみのヒュー・ローリーら。ウォルト・ディズニー社の保管庫で発見された資料を基に創造された世界に息をのむ。

未来都市トゥモローランドを舞台に、少女たちの成長を描いた物語。ディズニー映画ってある程度は安心して観れるよねぇと思いながら観ましたが、本作はディズニーらしさは無く、大した盛り上がりも無く終わってしまった感じです。諦めずに夢を見ることの大切さを描いてはいると思うのだけど、主人公たちが何を目指して頑張っているのか分かりづらかった。ドキドキも無ければワクワクも無い…。ディズニーだから子供向けだとは思うのだけど、首をもぎ取ったり、ロボットの顔面をパイプでボコボコにしたり。ディズニーってこんな暴力的だったっけ??(笑)ケイシーが特別な人間ということで序盤は話が進んでいったけど、途中からはアテナとフランクがメインになっていて、ケイシーは完全に脇役なっていたような。ケイシーが本当に必要な存在だったのか疑問に感じました。敵のボスも弱い…。中盤で追いかけてきた黒づくめのロボットの方がインパクトあって強かったよね。2時間が長く感じました…
映像は「こんな未来都市があったら良いなぁ」と思えるくらい魅力的でした。で結局はトゥモローランドって何だったの?

この作品の評価・・・・★★★☆☆☆☆☆☆☆(満点は★10)
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誘拐の掟

2015年11月15日 16時56分58秒 | 映画評論ヤラワ行
製作年:2014年
製作国:アメリカ
日本公開:2015年5月30日
監督:スコット・フランク
出演:リーアム・ニーソン,ダン・スティーヴンス,ブライアン・ブラッドリー,ダニエル・ローズ・ラッセル
official site

ニューヨーク中が連続誘拐殺人事件におびえていた1999年、元刑事のマットのところにある依頼が舞い込む。それは妻を誘拐された夫からの、犯人を見つけ出してほしいというものだった。マットはこれまでの刑事人生で身に付けた全てのスキルを総動員して誘拐犯の捜索に挑むが、相手もなかなか尻尾を出さず……。
『96時間』シリーズなどでアクション俳優としての地位を確立した名優リーアム・ニーソンが主演を務め、ローレンス・ブロックの傑作ミステリーを映画化したサスペンス。引退した敏腕刑事が、猟奇殺人犯と激しい頭脳戦を繰り広げる姿を活写する。『ザ・ゲスト』などのダン・スティーヴンスや、ラッパーのアストロことブライアン・ブラッドリーらが共演。邪悪な猟奇殺人鬼に挑む主人公のパワーに圧倒される。

最近のリーアム・ニーソンって似たような映画ばかり出ている気が…。引退した刑事が、依頼された誘拐事件の捜査をしていく物語。刑事と猟奇殺人犯との対決が見どころなのだけど、「96時間」のような派手さは無く、静かに犯人を追いつめていく。地味なあるかと思いきや、犯人たちの鬼畜な行動が面白いので最後まで飽きることはありません。犯人との交渉や、自らの過去が描かれていて、なかなか重厚に出来ている。黒人少年とも交流もこの映画で心温まる貴重なシーン。ただ展開が単調なので、新鮮さはありません。代わりにグロさが強い(?)猟奇殺人犯がいかにして犯罪に手を染めるようになったのか背景も見たかったな。リーアム・ニーソンの渋い演技や、妻を殺され復讐に燃えるダン・スティーヴンスの演技は良かったです。

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愛を積むひと

2015年11月14日 12時47分04秒 | 映画評論ア行
製作年:2015年
製作国:日本
日本公開:2015年6月20日
監督:朝原雄三
出演:佐藤浩市,樋口可南子,北川景子,野村周平,杉咲花,吉田羊,柄本明
official site

東京の下町で営んでいた工場を閉鎖し、残りの人生を北海道で過ごそうと決意した篤史と良子の夫婦。かつて外国人が暮らしていた家を手に入れて暮らす二人だが、仕事一筋だったゆえに篤史は手持ちぶさたになってしまう。そんな彼のために良子は、家を囲む石塀作りを頼む。しかし、良子が以前から患っていた心臓病を悪化させて他界してしまう。深い悲しみに沈む篤史だったが、石塀作りを手伝う青年・徹との交流や、娘・聡子との再会を経て、前を向くようになる。
エドワード・ムーニー・Jr.の小説を基にしたヒューマンドラマ。北海道で第二の人生を過ごそうとする夫婦が、改めて自分たちの愛情や絆を見つめ直す姿を追い掛けていく。メガホンを取るのは『釣りバカ日誌』シリーズなどの朝原雄三。佐藤浩市と樋口可南子が主人公の夫婦にふんし、その脇を『悪夢ちゃん』シリーズなどの北川景子、『日々ロック』などの野村周平らが固める。温かな物語に加え、北海道の大自然と美しい四季の移ろいを捉えた映像も必見。

最愛の妻を亡くし深い悲しみに沈む男性が、周囲の人々に支えられて愛情や絆を取り戻していくストーリー。北海道の美しい景色が印象的でした。良い話!ではあるけれど、それ以上でもそれ以下でもない、よくある家族の話でした。妻に先立たれて悲しむ夫の篤史でしたが、妻の良子が家の数カ所に手紙を隠していたのです。「この手紙を読む頃には私はもう…」う~んよくある演出…。良子が心待ちにしていた石塀作りも、いつのまにか完成しちゃった感があります。完成する瞬間を見せてくれたらもう少し感動が増したかもしれない。借金で町工場を手放したはずなのに、北海道に家を建てて暮らしていけるほどの金があるの??そして娘が心配というなら夫婦で北海道に行かずに東京にいたほうがいいんじゃないか?リアリティが無く、綺麗にまとめ過ぎている感じがしました。若者たちの妊娠も、娘の不倫エピソードも必要あったかと思うと疑問です。それでも夫婦の強い絆を感じられましたが…可も不可もない作品でした。

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グラスホッパー

2015年11月12日 01時34分34秒 | 映画評論カ行
製作年:2015年
製作国:日本
日本公開:2015年11月7日
監督:瀧本智行
出演:生田斗真,浅野忠信,山田涼介,麻生久美子,波瑠,菜々緒,村上淳,吉岡秀隆,石橋蓮司
official site

恋人を殺害した犯人へのリベンジを誓った鈴木は、教職を辞め裏社会の組織に潜入しその機会をうかがっていた。絶好の機会が訪れた矢先、押し屋と呼ばれる殺し屋の仕業で犯人が目前であっけなく死んでしまう。正体を探るため鈴木が押し屋の後を追う一方、特殊な力で標的を自殺に追い込む殺し屋・鯨は、ある任務を終えたとき、殺人現場を目撃し…。
人気作家・伊坂幸太郎のベストセラー小説を、『人間失格』などの生田斗真主演で映画化したサスペンス。恋人を殺害した犯人への復讐に燃える元教師、人の心を操り自殺に追い込む殺し屋、その命を狙うナイフ使いの殺し屋の運命が、それぞれの思惑を抱えながら交錯していくさまが展開。監督は、『脳男』に続き生田とタッグを組む瀧本智行、脚本を『あなたへ』などの青島武が担当。共演には日本のみならず国際的に活躍する浅野忠信、Hey! Say! JUMPの山田涼介が顔をそろえる。

伊坂幸太郎のベストセラー小説を映画化。原作は未読です。恋人を殺され復讐に燃える男。人の心を操り自殺に追い込む男。ナイフを使う殺し屋の男。3人の男たちの運命が交差しながら展開していきます。バッタの気持ち悪さが目立っていたり、渋谷のスクランブル交差点の実物大セットを作ってしまったことに驚きでした。グラスホッパーってバッタって意味だったのね。伊坂幸太郎の小説って、伏線が張られていて最後にどんでん返しのような展開が待っているのが面白いのだけど、今回はそういうのが無かった。恋人を殺された青年が復讐に燃えるのは分かるけど、どうも納得いかない点が幾つかあってスッキリしない…。そもそもカボチャの少年は何故スクランブル交差点にいたのだろうか。そして指輪を1年後に返す理由が分からない。少年が属している悪を正すという謎の組織の正体も分からずじまいだし。死んだ人間が出てくる演出は必要あったのだろうか?冷蔵庫に1年保存したスープは飲んじゃダメ!!(笑)生田斗真,浅野忠信,山田涼介、3人の演技やアクションは良かったと思うが、わざわざ映画にするほどの話とは思えませんでした。
菜々緒の悪女役もそろそろ見飽きたな……。

この作品の評価・・・・★★★★☆☆☆☆☆☆(満点は★10)
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リピーテッド

2015年11月11日 17時21分50秒 | 映画評論ヤラワ行
製作年:2014年
製作国:アメリカ/イギリス/フランス/スウェーデン
日本公開:2015年5月23日
監督:ローワン・ジョフィ
出演:ニコール・キッドマン,コリン・ファース,マーク・ストロング
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目覚めると前日までの記憶が全てリセットされてしまう特殊な障害があるものの、献身的な夫に支えられ日々を送っているクリスティーン。ある日、医師だという人物から電話がかかってくる。それを受けたクリスティーンは、夫に黙って彼のもとで診察を受けていると聞かされ、数週間前から自分が毎日の出来事を映像で記録していることも教えられる。その映像を捜し出して再生する彼女だったが、そこには信じられない光景が収められていた。
SJ・ワトソンのベストセラー小説を実写化したミステリー。前日の記憶を保持できない障害のある女性が、一本の電話を受け取ったのを機に思いも寄らない事態に引きずり込まれていく。製作に『グラディエーター』などのリドリー・スコット。主演に『めぐりあう時間たち』などのニコール・キッドマン、『英国王のスピーチ』などのコリン・ファース、共演に『ビトレイヤー』などのマーク・ストロングと豪華な顔ぶれが結集。謎が謎を呼ぶ先読み不可能な展開に加え、彼らが織り成す濃密なストーリー展開に息をのむ。

目を覚ますと昨日までの記憶がリセットされてしまう女性が、驚愕の事件に巻き込まれる物語。ニコール・キッドマン,コリン・ファース,マーク・ストロングといった豪華な俳優陣が揃っています。色々と謎が並べられていて、それをどう回収していくかに期待していましたが、何か物足りない感じで終わってしまいました。誰が敵で誰が味方なのか緊張感を保ったまま話は進んでいくのですが、夫の正体が長期間バレずにいられることにも疑問だし、医者は普通の医者だったことも残念。息子や夫と再会してから何かあるのかと思いきや何も無かったし…。クレアはもう少し早くクリスティーンを探すこと出来たと思うのですが。描くところを、きちんと描けば傑作になっていたかもしれません。

この作品の評価・・・・★★★★☆☆☆☆☆☆(満点は★10)
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呪怨 −ザ・ファイナル−

2015年11月10日 17時15分19秒 | 映画評論サ行
製作年:2015年
製作国:日本
日本公開:2015年6月20日
監督:落合正幸
出演:平愛梨,桐山漣,おのののか,柳ゆり菜,松浦雅,HIKAKIN
official site

小学校で教師をしている妹の結衣が姿を消したと知らされた麻衣。その行方を追ううちに、結衣が不登校を続けていた佐伯俊雄という生徒の家を頻繁に訪ねていたという情報をつかむ。結衣の情報を得るために佐伯家に向かうが、屋敷は解体されて更地になっていた。不動産業者から佐伯家の屋敷が呪いの家だと聞かされて困惑する中、麻衣の周囲で奇怪な現象が頻発する。
ハリウッドでもリメイクされた、大ヒットJホラー『呪怨』シリーズの完結編。行方不明の妹を捜す女性が、すさまじいパワーを秘めた呪いと対峙(たいじ)する姿を追う。メガホンを取るのは、『感染』『学校の怪談 呪いの言霊』などの落合正幸。『摂氏100℃の微熱』などの平愛梨が怪奇現象に襲われるヒロインにふんし、絶叫演技を披露する。あの俊雄くんがどのような形で登場するかにも注目。

呪怨シリーズも本作がラスト。完結なのだからすべてが解決するのだと思っていましたが…あれ?何1つとして解決していない。というか、今までの展開と全く同じっていう…。呪いに触れた者が死ぬなら分かるが、関係のない人間が殺されているような気がしてならない。そして死に方が雑です。カラオケルームの天井に頭突っ込むってお笑いですか?エレベーターに乗ってる大量のブリーフ俊雄も笑えました。音響のデカさで観客を怖がらせようとする無理矢理な演出は飽きました。呪怨シリーズも最初は怖かったけど、もう完全にネタ切れで怖くなくなってしまいました。伽倻子も俊雄も、もう引退ですね。
学級日誌を宅配で届けるって個人情報はどうなってんだ??

この作品の評価・・・・★★★☆☆☆☆☆☆☆(満点は★10)
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