股間の解放記

普通の社会人PEKOの、日々思うことをつづっていきます。

メン・イン・ブラック3 3D

2012年05月30日 12時12分20秒 | 映画評論マ行
製作年:2012年
製作国:アメリカ
2012年5月25日公開
監督:バリー・ソネンフェルド
出演:ウィル・スミス,トミー・リー・ジョーンズ,ジョシュ・ブローリン
official site

月面のルナマックス銀河系刑務所から、凶悪S犯のアニマル・ボリスが脱獄し、地球に逃亡した。超極秘機関“MIB”のエージェント“J”と“K”は、ボリスが関係する犯罪の捜査を始める。しかしある日、出勤した“J”は、相棒の“K”が40年前に死んでいると聞く。どうやら、ボリスは40年前に自分を逮捕した“K”を恨み、過去に遡って“K”を殺してしまったらしいのだ。“J”は40年前にタイムスリップし、若き日の“K”とボリスの阻止に乗り出す。
ウィル・スミス演じる陽気なエージェント“J”と、トミー・リー・ジョーンズ演じる無愛想なエージェント“K”のコンビの活躍を描く「MIB」シリーズ3作目。引き続きバリー・ソネンフェルドが監督を務めている。本作の舞台となるのは1969年。凶悪犯が40年前にタイムスリップしてエージェント“K”を殺してしまった事を知ったエージェント“J”が1969年にタイムスリップし、ジョシュ・ブローリン演じるヤング・エージェント“K”とともに事件を阻止しようとするのだ。もちろん、ユニークなエイリアンたちもたくさん登場しているのでお楽しみに。

このシリーズの良さは、くだらないけど笑えたり、真面目な話じゃないけどツボにハマる面白さ。パート1もパート2も確かに面白かったです。今回もそんな感じの雰囲気かと思ってましたが…ん?今回は泣ける話?

今回の3作目はエイリアンたちとの戦いだけでなく、KとJの関係について描かれています。タイムスリップしてエイリアンを倒して…っていう展開に新鮮さを感じられませんでした。ラストに観客を泣かせようっていう演出は悪くはないけど、今までのM.I.Bシリーズを観てきた自分としては期待してた内容とは違っていたので、ちょっと残念でした…。凶悪なエイリアンって言われてた奴も、そんなに強くて怖いってほどじゃなかったし。これじゃあ中途半端な笑いで、ただのB級映画です。やっぱり最後まで笑いで突き通して欲しかった!トミー・リー・ジョーンズの登場シーンが少なかったのも寂しい3Dで観たけど…3Dの意味あったかな?
たぶん4作目もあると思いますが、次回は笑い一筋でお願いします!

この作品の評価・・・・67点
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ダーク・シャドウ

2012年05月29日 01時08分29秒 | 映画評論タ行
製作年:2012年
製作国:アメリカ
2012年5月19日公開
監督:ティム・バートン
出演:ジョニー・デップ,エヴァ・グリーン,ミシェル・ファイファー
official site

イギリスからアメリカに移り住んだお金持ちのコリンズ家に生まれたバーナバスは、魔女アンジェリークによってヴァンパイアにされてしまった上に、生きたまま埋められてしまう。その後、ふとしたことで彼は200年の眠りから目覚めるが、コリンズ家はすっかり落ちぶれていた。バーナバスは、コリンズ家再建を末裔と成し遂げるべく、自らの父の言葉である「唯一の財産は家族」を胸に行動を起こす。
1960年代後半から70年代初めにかけてカルト的人気を誇ったTVシリーズ「Dark Shadows」の映画版。シリーズの大ファンだったというジョニー・デップが主演だけでなく製作も務め、これが8度目のデップとのコラボレーションとなるティム・バートンがメガホンをとる。『シザーハンズ』以来、奇想天外なキャラクターとダークなファンタジーの数々を放ってきた黄金コンビが、比類なきヴァンパイア像を作り上げた。

ジョニー・デップ×ティム・バートンのコンビも本作で8作目。予告ではコメディっぽい宣伝をしていますが、内容は結構なグロでエロい内容です。ヴァンパイアなので人を殺すし、卑猥なシーンも多い。親が子供を連れて行ったら間違いなく見せた事を後悔するでしょう。これは大人向けのホラー映画って感じです。

評判が悪いのであまり期待せずに観ましたが、個人的には前作の「アリス・イン・ワンダーランド」よりも良かったと思います。バーナバスの憎めないキャラクターが最後まで飽きさせないし、コリンズ一家の人たちも面白い♪敵のアンジェリークも腹立つけど憎めないんだよね。出てくる女優さんたち、皆さんお綺麗ですな。爆笑とまではいきませんが、シュールな笑いが多いので最後まで飽きずに観れました。ただし、アンジェリークは前半あんなに強い存在だったのに、後半であっという間に倒されてしまったのは疑問に感じました。急にオオカミ人間を登場させるのも“ん?”って思うし…。薄っぺらい内容かもしれませんが、まぁ予想していたより良かったので…観て損はないと思います

この作品の評価・・・・70点
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ニューイヤーズ・イブ

2012年05月28日 01時01分17秒 | 映画評論ナ行
製作年:2011年
製作国:アメリカ
2011年12月23日公開
監督:ゲイリー・マーシャル
出演:ハル・ベリー,ジェシカ・ビール,ジョン・ボン・ジョヴィ,ロバート・デ・ニーロ
official site

誰にとっても特別な日である大晦日のニューヨーク。ビジネスマンのサムは、妹の結婚式や仲間とのパーティーなど楽しい予定が詰まっているのに、去年の大晦日に出会った女性と交わした約束が気にかかっていた。かつて恋人同士だったが、別れたおかげで大成功を収めた男女は、偶然再会してしまう。死期の迫った孤独で頑固な老人は、娘とすごした幸せな大晦日のことを密かに思い出していた。大晦日が嫌いな男ランディは、一人の女性とエレベーターに閉じ込められてしまう。そして、大晦日に出産を予定している妊婦…。ニューヨークを舞台に、失われた絆を取り戻そうとする8組の人々。はたして彼らは、幸せな新年を迎えることができるのか?
ロマンティックコメディの巨匠、ゲイリー・マーシャル監督が『バレンタインデー』に続いて作り上げた本作。ロバート・デ・ニーロ、ジョン・ボン・ジョヴィ、キャサリン・ハイグルからアビゲイル・ブレスリンと、老若男女の豪華スターたちが出演している、まさにイベント・ムービーだ。ニューヨーク出身であるマーシャル監督は、年越しの大イベントをめぐる複数の物語を、見事に一つの映画にまとめ上げてみせた。恋物語もあれば、人生の始まり、人生の最後の日など、描かれている物語は様々。

こういうハリウッドの豪華な役者を揃えた作品って毎年のようにあるよね。まぁヒットを狙うには良い方法かもしれないけど、やっぱり主役級を揃えちゃうとお互いに食っちゃうから個人が引き立たない気がする。今回もそのパターンでした。
感動するエピソードもあったし、男ながらキュンしちゃうエピソードも確かにあった(笑)ザック・エフロンとミシェル・ファイファーのエピソードは素敵だなと素直に思ったし、アシュトン・カッチャーのエレベーターの中でのエピソードは正直に羨ましいと思いました。ただし、やっぱりエピソードが多すぎて、1つ1つの話に深みが無いため感情移入がしづらかったです。ラストの馬車での登場は、さすがに「えっ何で!?」と思いましたが…。この手の映画は必ずハッピーエンドなのでそこは安心して観ていられるし、予想していたよりは楽しめましたが、“豪華俳優陣を集めた普通の映画”という枠を抜け出せなかった気がします。人と人との絆や再生を描いているならアカデミー作品賞の「クラッシュ」のような連鎖的な繋がりをもっと欲しかったです。

でもこの映画を観ると、大晦日って素敵だなと思ってしまいました(笑)こんな出会いがあるなら大晦日だけニューヨークに行きたい!!

この作品の評価・・・・66点
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一命

2012年05月27日 13時38分21秒 | 映画評論ア行
製作年:2011年
製作国:日本
2011年10月15日公開
監督:三池崇史
出演:市川海老蔵,瑛太,満島ひかり,役所広司,竹中直人

戦国の世は終わり、平和が訪れたかのようにみえた江戸時代初頭、徳川の治世。その下では大名の御家取り潰しが相次ぎ、仕事も家もなくし生活に困った浪人たちの間で“狂言切腹”が流行していた。それは裕福な大名屋敷に押し掛け、庭先で切腹させてほしいと願い出ると、面倒を避けたい屋敷側から職や金銭がもらえるという都合のいいゆすりだった。そんなある日、名門・井伊家の門前に一人の侍が、切腹を願い出た。名は津雲半四郎。家老・斎藤勘解由は、数ヶ月前にも同じように訪ねてきた若浪人・千々岩求女の、狂言切腹の顛末を語り始める。
あの三池崇史監督が“命を懸けて、何かを守る”男たちの姿を描いた本格派時代劇。歌舞伎界のプリンス・十一代目市川海老蔵が、初老の侍・津雲半次郎を演じている。実年齢とはかけ離れた役柄ながら、入魂の演技で観る者を作品の中へと引き込んでいく。その所作の美しさや殺陣のキレからは、梨園で生まれ育った彼ならではの老成した凄みが感じられる。その海老蔵と好対照をなすのが、若侍・千々岩求女を演じた瑛太だ。愛する者を守りきれない男の切なさを、若々しく表現している。

この作品がリメイクだったという事を知りませんでした。今回は三池監督らしい時代劇。グロいシーンも何カ所かあります。貧しい生活の中でも愛する人と共に歩むことを決意した2人の侍の物語。演技派の役者を揃えているので安心して観れます。死を覚悟した人間の姿をどの役者さん達も迫真の演技で演じていたと思います。竹光の切腹シーンは痛々し過ぎて目を覆いたくなりました。
武家社会というのは、こんなにも残酷だったのかと思うと昔の人は毎日を生きることが命懸けだったんだと感じます。そして武士のプライドは今の日本人とは比べ物にならないほど高いものだったのだと…。狂言切腹によって理不尽にも竹光で本当に切腹を命ぜられた求女。竹光で闘うことを選んだ半四郎。今の日本で薄れてきた“人情”というものをこの映画から伝わってきます。終始、静かな映画ですが後半にいくにつれて引き込まれていきました。

この作品の評価・・・・70点
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タンタンの冒険/ユニコーン号の秘密

2012年05月24日 01時07分48秒 | 映画評論タ行
製作年:2011年
製作国:アメリカ
2011年12月1日公開
監督:スティーヴン・スピルバーグ
声の出演:ジェイミー・ベル,アンディ・サーキス,ダニエル・クレイグ
official site

タンタンは、世界中を飛び回り、スリルと興奮に満ちた冒険を最高に面白い記事にする少年レポーター。ニッカボッカとクルっとはねた前髪がトレードマーク、相棒は勇敢な白いフォックステリアのスノーウィだ。ある日、タンタンはガラスケースに陳列されていた帆船の模型に魅了され購入する。だがその直後から、彼は正体不明の男たちに追いかけられることに。その模型は、17世紀に海上で忽然と消えたといわれる伝説の“ユニコーン号”だった。謎を察知したタンタンが調べると、模型のマストに、暗号が記された羊皮紙の巻物を発見。その暗号が、ユニコーン号の財宝のありかを示しているのだ。財宝を狙う者たちの驚くべき正体とは……。迫り来る危険と闘いながら、今、タンタンの冒険が始まる…。
スティーヴン・スピルバーグが3年ぶりに監督を務め、初のフルデジタル3Dに挑んだ本作は、世界中で愛されている漫画「タンタンの冒険」を映像化したもの。17世紀に姿を消した帆船ユニコーン号の模型を手にした少年タンタンが、愛犬スノーウィと船長ハドックとともに財宝の行方を追う、スピーディーでスリル満点の冒険活劇だ。原作コミックのテイストを守り、タンタンの旺盛な好奇心と想像力、ちょっとした勇気と閃きで真実を探す姿を活写している。

スティーヴン・スピルバーグが3年ぶりに監督した作品。CG作品ですがCGとは思えないほどのリアルさ。キャラクター設定が意外とややこしいので理解するまで時間がかかりました。世界的に有名なタンタンらしいので、作り手も最初から観る側が知ってるていで作ってる感じがします。

タンタンは普通の少年なの?探偵なの?何者?(笑)アクションシーンはCGならではの迫力があったけど…ストーリーがつまらない(笑)次から次へと場面が変わっていって展開が速すぎる気がします。頭に入ってこないし、いま主人公が何のために何をしているのか分からないところもありました。もう少しテンポをゆっくりして作って欲しかったです。ヒロインがいないってのも、やっぱり寂しいかも“タンタンの冒険”だからタンタンが主役でいいけど、華が欲しい!映画はやっぱりヒロインが必要だなと改めて思いました。
2作目もあるらしいけど日本の子供でも理解出来るような続編を希望します。

※原題は「THE ADVENTURES OF TINTIN」。普通に邦題にすれば“ティンティンの冒険”なのですが放送禁止用語に引っ掛かるからタンタンになったらしいです…

この作品の評価・・・・61点
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天国からのエール

2012年05月23日 13時04分19秒 | 映画評論タ行
製作年:2011年
製作国:日本
2011年10月1日公開
監督:熊澤誓人
出演:阿部寛,ミムラ,桜庭ななみ,矢野聖人
official site

沖縄の田舎町・本部町で小さな弁当屋「あじさい弁当」を営む大城陽は、弁当を買いに来る高校生たちが放課後にバンドの練習をする場所がないことを知り、弁当屋のガレージをスタジオにすることに。陽には、音楽が好きな彼らを支えてやりたいと思うある理由があった。借金までして手作りしたスタジオを無料で解放し、ことあるごとに本気で自分たちを叱ってくれる陽を、高校生たちはいつしか“ニイニイ”と呼んで慕うようになる。彼らは音楽以上に生きていくうえで大切なことを陽から学びながら、フェスティバルに向けて練習に熱中する。だが、そんなある日、陽が病に倒れてしまう…。
te-da、CRIMSONなど数々のアーティストを輩出している沖縄県・本部町の音楽スタジオ「あじさい音楽村」の誕生秘話を描いた感動の実話。若者たちに夢をと願う陽が音楽スタジオを自力で設立し、バンド少年少女たちと本気で向き合う姿を描く。親でも教師でもないのに自分たちに関わってくる陽に戸惑う高校生たちだったが、スタジオが出来上がるにつれ、陽の真の愛情に心を許すように。しかし、陽はガンに侵されていた。主人公の思いを最大に伝えるのが音楽。ボーカリストでもある森崎ウィンの力強い歌声には心を揺さぶられる。

2005年に病で倒れるまで、バンド活動をする高校生にスタジオを無料で提供、応援し続けた仲宗根陽氏の実話。観る前から予想出来る展開でしたが、それでも良い話だなぁと思いました。ベタなストーリーでもうちょっと捻りが欲しかったなとは思いますが…。舞台が沖縄だからこそ良かったかも。

ニイニイのような真っ直ぐな大人が傍にいてくれるなら、きっと子供たちも素直な人間になるだろう。時には厳しく、時には温かく見守る大切さ。仲宗根氏の一つ一つの言葉がグサっと心にきました。子供たちに向けた10個のルールは、決してスタジオの中だけじゃなくて人生で大切な10個のルールだと思います。「人の痛みがわかる人間になること」って大事ですね。今の日本人はこれが足りないのかもしれません。
バンド演奏はもちょっとリアルに作ってほしかったです。バンドの成長過程が見えづらいし、ボーカルの声はどう考えてもプロデビュー出来るほどのレベルじゃないし。わざとらしい場面もありますが阿部寛の体を張った演技でだいぶ救われています。役のために一日で7キロ痩せたという阿部寛の演技はプロ根性を感じます!!
若い人に観て欲しい思う作品でした。

この作品の評価・・・・71点
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ポテチ

2012年05月22日 11時39分25秒 | 映画評論ハ行
製作年:2011年
製作国:日本
2012年5月12日公開
監督:中村義洋
出演:濱田岳,木村文乃,大森南朋,石田えり
official site

宮城県仙台市、生まれた年も日にちも一緒の2人は成長した後、片方はプロ野球の人気選手、もう片方は空き巣というまったく異なる人生を歩んでいた。ある日、空き巣をなりわいとする今村が恋人の若葉と共に、地元のプロ野球選手の家に盗みに入っるが、今村は一向に仕事を開始するそぶりを見せない。すると部屋に女性から電話がかかってきて…。
『アヒルと鴨のコインロッカー』『ゴールデンスランバー』など、仙台を舞台とした作品を世に送り出してきた原作:伊坂幸太郎&監督:中村義洋のコンビで贈る本作は、中短編集「フィッシュストーリー」に収められた同名作を映画化した68分の中編だ。震災後すぐに企画が動き出し、仙台でオールロケが敢行された。プロ野球のスター選手と、彼に特別な思いを寄せる平凡な青年─実は同じ年、同じ日に生まれた二人の奇妙な繋がり、彼らを取り巻く人たちの強い絆が、独特の語り口で綴られていく。

68分という時間の中でこれほど心にグっとくるのは、さすが伊坂幸太郎×中村義洋コンビ。短時間の中で人物背景は細かく描かれていないものの、それでも登場人物たちに共感してしまうのが伊坂ワールドの恐ろしさ俳優さんたち、皆さん演技が上手い♪「ん?」っていう場面も最後にスッキリさせてくれます。タイトルの“ポテチ”の意味が分かった時は、すごく切なかったです…。大切な人のために何かをするって本当に素敵なことです。すごく感動するってわけじゃなく涙も出ませんでした。けど“今がある幸せ”をこの映画で感じました。じわじわと心に沁みてくる…上手く言えないけど観て良かったと思える作品でした。今後の今村の人生が気になりましたが、でもきっと、あれだけ正直な今村なら幸せになる気がします。

2時間を越えるような無駄に長い映画でなくても、68分で充分に人は感動できるものなんですね。


この作品の評価・・・・77点
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パーフェクト・センス

2012年05月21日 01時59分59秒 | 映画評論ハ行
製作年:2011年
製作国:イギリス
2012年1月7日公開
監督:デイヴィッド・マッケンジー
出演:ユアン・マクレガー,エヴァ・グリーン,ユエン・ブレンナー
official site

“SOS”と名付けられた原因不明の感染病が爆発的に拡散、あらゆる人々の臭覚を奪い去ってしまう。その勢いは衰えることなく、感染者たちの味覚や聴覚をも失わせ、人類は存亡の危機に陥っていく。シェフのマイケルと科学者スーザンは、そんな極限状況のさなかにめぐり合い、奇しくも謎の病に冒されたまさにその瞬間、恋に落ちた。ひとつ、またひとつと五感を喪失し、世界が終わりを迎えようとしたとき、ふたりはいったい何を求め、何を感じ取るのだろうか…。
嗅覚、味覚、聴覚、視覚、触角の五感を奪う未知の感染症が蔓延し、人類存亡の危機に陥った世界を舞台に、危機的な状況下で運命に導かれるように出会い、恋に落ちた男女の行く末を描く。2011年のサンダンス映画祭に出品され、その斬新な映像世界が注目を集めた作品だ。主演は楽観主義者のシェフを演じるイギリスが誇るトップスター、ユアン・マクレガーと、心を閉ざした科学者役のエヴァ・グリーンが見せる繊細な演技は注目に値する。

五感を徐々に奪われ始める恐怖。五感が奪われると人はこんな行動を取るようになるのか…そのへんはリアルで怖かったです。

ひたすら絶望へと進んでいく世界。極限状態の中でも何かをしようとする人間の生命力というのは凄いなと感じました。パニックになりながらも現実を受け止めて普段と同じように生活をする。けど、こんな状況の中でも最後まで人を愛そうと思う気持ちはちょっと理解し難いですが…。でもこの映画、盛り上がる場面が全くと言っていいほど無いので、最初から最後まで同じようなテンションです。何も起きないのでゾンビにでもなってくれれば面白いのにと思ってしまった(笑)
この感染病の原因が何なのかを解き明かすわけでもなく、世界の感染状況を描いているわけでもなく、1組の男女の愛にスポットを当てているために物語が狭く感じました。嗅覚、味覚、聴覚、視覚…と奪われた人間。次に触角を奪われたら…そう考えると恐ろしい…。題材としては面白くて“もしも…”的な作り方は良いと思う。しかし世界観を広めれば、もっと楽しめたと思います。

この作品の評価・・・・62点
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DOCUMENTARY of AKB48 Show must go on 少女たちは傷つきながら、夢を見る

2012年05月20日 00時55分42秒 | 映画評論タ行
製作年:2011年
製作国:日本
2012年1月27日公開
監督:高橋栄樹
出演:AKB48
official site

まぶしいスポットライトの裏で、少女はがっくりと肩を落としていた。6年間、エースとして、選抜メンバーとして脚光を浴びながら、プレッシャーと強烈な孤独に向き合ってきたその華奢な体は、どれほどの重荷に耐えてきたのだろうか。傷つくとわかっていても、夢に向かい、ステージに上がっていく彼女たちが、手に入れたもの、失ったものとは何なのだろうか。シングルCDではミリオンセラーを連発し、コンサートは3日間で9万人を動員。本作は、AKB48の転機となった激動の2011年に密着し、独占インタビューとともに、その光と影をカメラに収めていく。アイドルとして、人間として自分たちにできることを模索する彼女たちの瞳にあふれる、涙の意味とは。彼女たちは何を思い、どこへ向かおうとしているのか。
女性アイドルグループ・AKB48に密着したドキュメンタリー第2弾。シングルCDではミリオンセラーを連発し、コンサートは3日間で9万人を動員するなど、彼女たちのすべてが変わった激動の2011年を、前作をしのぐ膨大な収録テープと独占インタビューでつむいでいく。監督は、「コネコノキモチ」の高橋栄樹。

まさかこれを観るとは思ってませんでした。他に借りたいDVDが無かったので、暇つぶし程度に鑑賞。

自分はAKBファンでもオタクでもありませんが、それでも楽しめる作品ではありました。アイドル映画というよりはNHKのドキュメンタリーを観ているような感じ。AKB好きの友達から「テレビで歌う時は口パクだから」と教えてもらってから、まぁ所詮はアイドルなのかと思ってました。しかしこの作品にはライブでの舞台裏がリアルに映されていて、やはりアイドルとは言っても倒れながらも本気で努力してるんだなと感じました。西武ドームの戦場のようなコンサートの舞台裏。AKBの事を詳しくない自分ですら、ちょっと感動してしまいました(笑)
そして東日本大震災。被災地の人たちを元気にしようと何度も被災地へ向かうAKBの姿勢は素晴らしいと思います。もちろん被災地に訪問したAKBだけが偉いというわけじゃなく、他の芸能人や、ボランティアで何度も行ってる一般人の方も皆さん素晴らしいと思う。

ちょっとだけAKB48を好きになってしまいました(笑)まぁCDは買いませんけど…。


※点数は付けません。
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BIUTIFUL ビューティフル

2012年05月19日 00時48分21秒 | 映画評論ハ行
製作年:2010年
製作国:スペイン,メキシコ
2011年6月25日公開
監督:アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ
出演:ハビエル・バルデム,マリセル・アルバレス,エドゥアルド・フェルナンデス
official site

スペイン・バルセロナ。その華やかな大都市の片隅で、厳しい現実と日々対峙して生きているウスバルは、離婚した情緒不安定で薬物中毒の妻を支えながら、2人の幼い子供たちと暮らしている。決して裕福とはいえず、生活のためにあらゆる仕事を請け負っていたウスバルは、ときには麻薬取引、中国人移民への不法労働の手配など非合法な闇の仕事も厭わない。しかし、争いごとの絶えない日々のなか、ウスバルはしばしば罪の意識を覚えていた。ある日、ウスバルは末期がんであることがわかり、余命2ヶ月を宣告される。
『バベル』『21グラム』で生と死をテーマにした群像劇を描いてきたアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督が、本作では死に向かう一人の男の姿を描き出した。子どもたちのために非合法な仕事にも手を染める父親を演じたのは、ハビエル・バルデム。良かれと思ってしたことが裏目にでたり、妻や兄との間にもわだかまりを抱えた彼の人生は、はたから見ると悲惨なもの。しかし、そんな人生を子どもたちのために懸命に生きる父親の姿は鮮烈な印象を与え、バルデムはカンヌ映画祭で主演男優賞を獲得している。

余命二ヶ月と宣告された男と、その子供たちの物語。終始、重いし暗い。重い空気が流れる展開は『バベル』『21グラム』のアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督らしい。癌に犯されながらも、その事を家族や周囲の人間には言わずに、残された日々の中で残された仕事を淡々と進めていくウスバルの素姿が印象的でした。ここまで相手を傷付けずにいようと行動できるウスバルはどこまでも優しい。「子供を置いてはいけない!」といい親心が痛いほど伝わってきました。サイドストーリーが多かったので、もっと家族愛だけに焦点を当ててくれれば感動出来たかなと思います。とにかく…この映画、重いです(笑)バルセロナという街の裏側を見れた気がします。

もう一つ説明不足だなと感じたのは、ウスバルに本物の霊能力があること。これほどの能力があるのにもかかわらず、物語にはほとんど関係してこない。こんなに凄い能力なら金持ちになれそうな気もするけど…。霊能力っていう設定は必要なかったんじゃ?

世の中、本当に美しい(ビューティフル)のはモノではなくて、人間の心の中にあるのかもしれない。


この作品の評価・・・・66点
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ウィンターズ・ボーン

2012年05月18日 01時00分58秒 | 映画評論ア行
製作年:2010年
製作国:アメリカ
2011年10月29日公開
監督:デブラ・グラニック
出演:ジェニファー・ローレンス,ジョン・ホークス,ケヴィン・ブレズナハン
official site

ズーリ州南部のオザーク山脈に住む17歳の少女リーは、年少の弟と妹をかいがいしく世話し、その日暮らしの生活をどう切り盛りするかで頭がいっぱいだ。ドラッグ・ディーラーの父ジェサップは長らく不在で、辛い現実に耐えかねて精神のバランスを崩した母親は言葉を発することすらほとんどない。そんなある日、リーは地元の保安官から、警察に逮捕され懲役刑を宣告されたジェサップが、自宅と土地を保釈金の担保にして失踪、もしこのまま翌週の裁判に彼が出廷しない場合、リーたちの家は没収されると聞かされる。あてどない父親捜しを始めたリーは、何らかの手がかりを得ようと、親族や知人を訪ねることにする。
サンダンス映画祭でグランプリ&脚本賞の2冠に輝き、アカデミー賞では作品賞、主演女優賞、助演男優賞、脚色賞の4部門でノミネートされた、インディペンデント映画界の意欲作。ダニエル・ウッドレルの同名小説を基に、ミズーリ州の山間部の村に住む17歳の少女が、家族を守るため父親を捜しに、そして真実を追い求めて旅をする。心のすさんだ大人たちから罵声を浴びようとも、暴力に打ちのめされようとも、くじけず、諦めず…本作でオスカーにノミネートされた新星、ジェニファー・ローレンスの凛々しい姿が観る者の心を打つ。

アメリカの格差社会ってこんな感じなのか。ちょっと気持ちが重くなる作品でした。主人公のリーが家族を想う気持ちであったり、父親を見つけようとする精神的な強さは良かったのですが、全体的に話が重いし所々理解できない箇所もある。リーが父親を捜しに出掛けるのですが、行く場所が近所のようなので、物語に広がりを感じませんでした。これで彼女がどう変わったのかがもっと知りたかったです。結局、父親を殺したのは誰なの?(笑)最後まで重くて絶望感漂う展開もちょっと退屈だ。
ジェニファー・ローレンスの演技は素晴らしかったけど、もっと主人公に共感できればよかったです。

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カンパニー・メン

2012年05月17日 12時57分29秒 | 映画評論カ行
製作年:2010年
製作国:アメリカ
2011年9月23日公開
監督:ジョン・ウェルズ
出演:ベン・アフレック,トミー・リー・ジョーンズ,クリス・クーパー
official site

ボビー・ウォーカーは、ボストンに本社を構える総合企業GTX社のエリート社員。37歳にして販売部長の座に就いた彼は12年のサラリーマン人生で大邸宅に住み、ポルシェを乗りまわしゴルフに興じる生活を築きあげた。だが2008年9月15日のリーマン・ショックに端を発する不況の中、GTX社は大規模なリストラを敢行。6万人の全従業員のうち3000人が解雇を言い渡され、その中にボビーも含まれていた。彼に支給された解雇手当は12週間分。その間に新しい仕事を見つけなければ、妻のマギーも2人の子供たちも路頭に迷ってしまう。ボビーは早速翌日から就職支援センターに出向き、職探しを始めるが…。
大企業に勤務する男が突然リストラされ、より人間らしく生きるための新たな価値観に目覚めていく様を描くヒューマンドラマ。「美しすぎる母」で製作総指揮を務めたジョン・ウェルズの長編監督デビュー作。会社に忠誠を尽くしてきた仕事人間がある日突然仕事を失う。それは家族を養い、会社で働く男たちには最悪の状況だ。この映画の男たちも、最初はその事実を受け入れる事ができない。そうした会社人間の悲哀を、名優たちの絶妙な演技のアンサンブルによって描いたのが本作。

アカデミー賞俳優共演の作品。リストラされたサラリーマンの物語で、まぁ昨今の日本でもリーマンショックの影響によって派遣切りなどの問題が起きているので他人事ではないなと思ってしまいました。重いテーマのはずなんだけど、この作品はどこか軽い。リストラってもっと精神的に病むような気がするんだけど、なんだかその辛さが伝わってこないんだよね。ラストは映画らしいハッピーエンドのような終わり方だし、クビになった人間が起業して成功するなんて世の中そんな甘くないぞ。途中で自殺したクリス・クーパーの方がよっぽど現実的だと思う…。
こういうテーマを扱うなら、もっとリアルに描くべきだと思います。仕事を失ってから周りの人の大切さを感じる展開も素敵だけど、それも深くは伝わってこない。

この作品の評価・・・・61点
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海洋天堂

2012年05月16日 11時22分53秒 | 映画評論カ行
製作年:2010年
製作国:中国
2011年7月9日公開
監督:シュエ・シャオルー
出演:ジェット・リー,ウェン・ジャン,グイ・ルンメイ
official site

中国、チンタオ。妻に先立たれたワン・シンチョンは、自閉症の息子ターフーを男手ひとつで育てていた。シンチョンは自身が癌で余命わずかと知り、21歳になったターフーと心中を試みる。2人で海に飛び込むが、ターフーは足かせをほどいて水面へ上がっていく。向かいの家に暮らす女性チャイはそんな事情を知らず、帰宅した2人を温かく迎える。シンチョンは水族館の仕事の合間に、自分の死後息子を預かってくれる施設を探す。同時に、ターフーに1人で生きていくために必要なことを、ひとつひとつ教えていく。
自閉症の息子を持つ父親が、自分の余命がわずかだと知らされたとき、息子に何を残していけるのかを考え、行動する。厳しい現実に直面し、自分を上手く表現する事ができない息子の将来を案じ、ひとりで生きていく術を教え込んでいく…。脚本に惚れ込んだアクションスター、ジェット・リーがノーギャラで出演しているのが話題の本作。自身初となる“アクションなし”で、息子を思う普通の父親を切々と演じている。脚本・監督は、『北京ヴァイオリン』の脚本で知られるシュエ・シャオルー。

アクションばかりしている印象が強いジェット・リーがノーギャラで出演したという本作。高評価なので期待しましたが…う~ん感動するほどではなかったです。展開が予想通りに進んでいくし、出てくる人たちも皆良い人。周囲が皆あんなに温かい目で見守ってくれるとは思えません。意外性が欲しかったし、息子に生活方法を教える以外のエピソードが何か欲しかった。ですが息子に注がれる愛情はとてもよく描かれていたと思います。死を迎える前に、自閉症の息子に生きる術を教えるシンチョン。バスの乗り方や服の着替え方。決して自閉症という障害をマイナスに考えるのではなく、未来を信じて前を向くことの大切さを感じさせます。

この作品の評価・・・・66点
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ラビット・ホール

2012年05月15日 11時23分47秒 | 映画評論ヤラワ行
製作年:2010年
製作国:アメリカ
2011年11月5日公開
監督:ジョン・キャメロン・ミッチェル
出演:ニコール・キッドマン,アーロン・エッカート,ダイアン・ウィースト
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郊外の閑静な住宅街に暮らすベッカとハウイーのコーベット夫妻。彼らの幸せな生活が一変したのは8か月前。一人息子ダニーが道路に飛び出して交通事故に遭い、わずか4歳でこの世を去ってしまったのだ。それ以来、2人の心には埋めようのない欠落感が生まれていた。ダニーとの思い出を大切にして前に進もうとするハウイーとは対照的に、亡き息子の面影に心掻き乱されるベッカ。同じ痛みを共有しながらも、夫婦の関係は少しずつ綻び始める。立ち寄った実家でも、母親ナットとの間に漂う気まずい空気。そんな帰り道、ベッカはある少年を目撃する。
愛するものを失った悲しみ。それが愛する自分の子だったら、その喪失感は限りなく大きいだろう。本作はそんな夫婦の物語。“ラビット・ホール(ウサギの穴)”とは、「不思議の国のアリス」でウサギを追いかけてアリスが落ちた穴の事。不思議の国に迷い込んでしまったアリスのように、子どもの死をきっかけに今までとは別な世界に迷い込んでしまったというたとえだろう。この夫婦が悲しみと寄り添いながらも生きていく決意をするまでを丁寧に、そして繊細に描いた作品。キッドマンは本作の演技により、2011年アカデミー賞主演女優賞にノミネート。

大切な人を失う悲しみ。傷の深さや痛みは人それぞれであり、立ち直る方法も人それぞれである。この作品の夫婦も不慮の事故で息子を亡くしてしまいます。同じ悲しみを知る夫婦だから、こういう時こそお互い支えあって前を向かなきゃいけないのだろう。だけど相手との向き合い方が分からない…。
痛みは本人にしか分からない。それは当然かもしれません。「大丈夫だよ」「元気出しなよ」とは言っても本当の苦しみを知ることは出来ない。だけど苦しんでいる人にそっと寄り添ってあげること。何も出来ないけれど、やはりそれが大切なことだと思います。少しでも理解しようとする気持ち、前に進もうとする気持ち、そして過ちを認めて謝る気持ち。加害者のジェイソンだって可哀想とも思えますが、人をひいてしまった事には変わりない。人は突然に被害者になり加害者になる。そんな時に自分はどうなってしまうのか…とても考えさせられました。

人は人生の中で一度は悲しみを経験すると思います。悲しみを乗り越えるにはどうしたらいいのか?劇中でお母さんが言うセリフ

「悲しみは変化する。耐えやすくなっていく。時には忘れさえもする。でもいつもそこにあって、ふとしたときに思い出す。」


まさにその通りだと思います。やはり母は偉大なんですね。
私も大切な人を亡くした経験があります。悲しみを忘れないで生きていくことが大切なのかな。主人公が加害者少年と交流を深めようとする気持ちがちょっと理解できませんでしたが、加害者側と交流することで前に進める人も中にはいるかもしれません。重いテーマではありますが観て良かったと思える作品でした。

この作品の評価・・・・77点
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ツリー・オブ・ライフ

2012年05月14日 00時20分59秒 | 映画評論タ行
製作年:2011年
製作国:アメリカ
2011年8月12日公開
監督:テレンス・マリック
出演:ブラッド・ピット,ショーン・ペン,ジェシカ・チャステイン,フィオナ・ショウ
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ジャック・オブライエンは実業家として成功していたが、人生の岐路に立つ。そして深い喪失感のなか、少年時代を回想する。1950年代半ばの中央テキサスの小さな田舎町で、幸せな結婚生活を送るオブライエン夫妻とジャック、2人の弟たち。一見平穏に見える家庭だったが、ジャックにとって心安らぐ場ではなかった。社会的な成功と富を求める父は、力こそがすべてだと考える厳格な男で、母は自然を愛で、慈愛に満ちた心で子供たちを包み込む優しい女だった。11歳のジャックはそんな両親の狭間で2つに引き裂かれ、葛藤していた。
監督作は『地獄の逃避行』『天国の日々』『シン・レッド・ライン』、そして『ニュー・ワールド』の4作品のみという寡作ながら、“伝説の監督”と呼ばれるテレンス・マリック。彼の最新作実現のために製作にまで名を連ねたブラッド・ピットが父を、『ミスティック・リバー』と『ミルク』で二度のオスカーに輝く名優ショーン・ペンが息子を演じ、今年度カンヌ国際映画祭の最優秀賞のパルムドールに輝いた話題作。ごく平凡な一家の物語を丁寧に描く一方、壮大で叙事詩的な映像を挟みこみ、見るものをそれぞれの思索にいざなう。

この作品を完璧に理解出来る人は少ないだろう。宇宙、地球、人類の誕生と、1つの家族の物語を一緒に作ってしまった感じ。神秘的な映像が多すぎて、途中からNHKの「いきもの地球紀行」を観ている感覚になりました(笑)結局は少年の反抗期を描きたかったのかなと思いますが、そのために宇宙や生命の起源まで遡る必要があるか疑問です。恐竜まで登場させる意味は無いでしょ!

家族というのは大きな樹木。葉や枝、すべてが必要である。人間は孤独ではなくて、常に家族を守り守られる存在なのだというメッセージは伝わってきました。父親は偉大で、母親は優しい。大人になれば反抗期を過ごした自分がどれだけ幼稚だったかに気付く。見方によっては深いテーマを感じる作品かもしれませんが、もう少し単純に作ってくれれば良かったな。ブラピとショーン・ペンを使ってるのに何だか勿体ない…。劇場で観てたらたぶん寝ちゃいます(笑)

この作品の評価・・・・56点
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