股間の解放記

普通の社会人PEKOの、日々思うことをつづっていきます。

青春18×2 君へと続く道

2024年08月08日 19時24分30秒 | 映画評論サ行

製作年:2024年
製作国:日本/台湾
日本公開:2024年5月3日
監督:藤井道人
出演:シュー・グァンハン,清原果耶,ジョセフ・チャン,道枝駿佑,黒木華

映画『青春18×2 君へと続く道』公式サイト

映画『青春18×2 君へと続く道』公式サイト。大ヒット公開中 『余命10年』のスタッフが贈る、新たな傑作ラブストーリー 監督・脚本 藤井道人“日台合作”初の国際プロジェクト...

 


高校生のジミー(シュー・グァンハン)のアルバイト先に、日本から来たバックパッカーのアミ(清原果耶)が現れる。二人は夏の間同じ店で働くことになり、ジミーは4歳年上のアミに淡い恋心を抱くようになる。バイクで夜道を走ったり、映画を観に行ったりするうちに、彼らの距離は縮まっていくが、ある日突然アミが日本に帰ることになり、戸惑うジミーにアミはある約束をする。
台湾の紀行エッセイ「青春18×2 日本慢車流浪記」を原作に描くラブストーリー。台湾と日本の男女がアルバイト先で出会い、お互い惹かれ合うものの突然の別れが訪れる。『最後まで行く』などの藤井道人が監督などを手掛け、『雪暴 白頭山の死闘』などの俳優チャン・チェンがエグゼクティブプロデューサーを担当する。『僕と幽霊が家族になった件』などのシュー・グァンハン、『宇宙でいちばんあかるい屋根』などの清原果耶らが出演している。

日本の女性と台湾の男性の恋を描いたラブストーリー。久しぶりに美しい映画を観たなぁという印象。そして旅って良いなぁという印象。どのシーンを切り取っても絵になる。さすが藤井道人監督です。夜の台湾をスクーターに二人乗りして走るシーンなんて、素敵すぎる。不思議と旅行に行きたくなる作品でした。
昨年、台湾に旅行に行ったせいか、夜市や十分が映ると懐かしく感じてしまい、さらに作品の世界に引き込まれました。十分で願い事を書いたランタンを飛ばしたのが懐かしかった。ストーリー的にはシンプルな展開ではあるけれど、それでも場面の撮り方や、アミを演じる清原果耶とジミーを演じるシュー・グァンハンの繊細な演技が素晴らしかったです。
旅というのはその土地での新たな発見や、出会いや別れがある。もう二度と出会えないような場所や人との出会い、恋心も、それは悲しいことではなく自分の人生に夢や希望を与えてくれる前向きなものなのだと感じました。一期一会の出会いって素敵。旅にゴールなんてない。アミからの視点で語られる後半は涙腺がちょっとヤバかったです。好きと伝えたいけど相手を傷付けてしまうから嘘をついてしまう…アミの気持ちを考えると切なすぎました。岩井俊二監督の「Love Letter」を観たくなった。

これを観た人は絶対に台湾に行きたくなると思う!台湾でも江ノ島でも松本でも福島でも、もうどこでもいいから旅に出たい!

この作品の評価・・・・★★★★★★★☆☆☆(満点は★10)
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セーヌ川の水面の下に

2024年08月04日 17時50分46秒 | 映画評論サ行

製作年:2024年
製作国:フランス
日本公開:2024年6月5日
監督:ザヴィエ・ジャン
出演:ベレニス・ベジョ,ナシム・リエス,レア・レヴィアン,アンヌ・マリヴィン

2024年、夏のパリ。セーヌ川がワールドトライアスロンシリーズの開催地に選ばれるが、科学者のソフィアは、環境活動家のミカからセーヌ川の奥深くに巨大なサメが生息していることを知らされる。二人はセーヌ川を管轄する警察署のアディール署長と協力して、巨大ザメによる被害を未然に防ごうと対策を講じるが、その中でソフィアは自身の悲惨な過去に向き合うことになる。
『死霊院 世界で最も呪われた事件』などのザヴィエ・ジャンが監督を務めるサスペンス。トライアスロンの国際大会を控えたパリで、セーヌ川に巨大ザメが出現したことから惨劇が起きる。『キャメラを止めるな!』などのベレニス・ベジョ、ジャン監督作『FRANG/ファラン』などのナシム・リエス、ドラマシリーズ「呪われた宿命」などのレア・レヴィアンのほか、アンヌ・マリヴィン、森本渚らが出演する。

パリ五輪応援の意味も込めて鑑賞。オリンピック開会式でも使用されたセーヌ川で起きる惨劇を描いたパニック作品。現実世界では大腸菌が問題になっていたセーヌ川でしたが、映画の中ではサメ問題。ただのサメ映画ではなく不法投棄、環境問題、人間のエゴなど、自然破壊を続けてきた人間たちのせいでサメを巨大化、凶暴化させてしまった。サメの頭の良さ、そしてアホな行動をする人間が食われていく展開は、怖いけど観ていて面白かった。風刺がきいた作品でした。いつか異常気象によってサメが支配する日が来るかもしれない。
結末はまさかのまさかでした!サメよりも不発弾のほうが怖いかも。これは続編が気になる!

この作品の評価・・・・★★★★★★☆☆☆☆(満点は★10)
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シチリア・サマー

2024年06月12日 11時52分10秒 | 映画評論サ行

製作年:2022年
製作国:イタリア
日本公開:2023年11月23日
監督:ジュゼッペ・フィオレッロ
出演:ガブリエーレ・ピッツーロ,サムエーレ・セグレート,シモーナ・マラート

映画『シチリア・サマー』公式サイト|5月15日(水)DVD発売&デジタル配信中!

イタリアで爆発的大ヒット!1982年、イタリア。運命の出会いと、突然の終わり。世界に衝撃を与えた実話ラブストーリー

映画『シチリア・サマー』公式サイト|5月15日(水)DVD発売&デジタル配信中!

 


1982年、初夏のイタリア・シチリア島。バイク同士で衝突し、気を失った17歳のジャンニ(サムエーレ・セグレート)に、16歳のニーノ(ガブリエーレ・ピッツーロ)が駆け寄る。生い立ちも性格も異なる二人は惹かれ合い、芽生えた友情は激しい恋へと変化していく。一緒に花火を打ち上げたり、秘密の約束を交わしたりするなど、二人で過ごすかけがえのないひとときは、しかし、ある日突然終わりを迎える。
実話を基に、少年たちの初恋を紡いだラブストーリー。イタリア・シチリア島で出会った二人の少年が瞬く間に惹かれ合い、かけがえのない時間を共に過ごす。俳優として『ようこそ、大統領!』などに出演してきたジュゼッペ・フィオレッロが監督を務め、ナストロ・ダルジェント賞で新人監督賞を獲得。激しい恋に落ちる少年たちを、オーディションで選ばれたガブリエーレ・ピッツーロとサムエーレ・セグレートが演じる。

イタリアのシチリア島で出会った少年2人の禁断の愛を描いた本作。これが実話とは、エンドロールまで知りませんでした。LGBTQ作品ではあるけれど、シチリアの美しい風景と、ジャンニとニーノの純粋で真剣な姿を見ていて、爽やかな青春ラブストーリーを観ているような感覚でした。バイクに二人乗りするシーン、海で泳ぐシーン、花火を見つめるシーン、何気ないシーン全てに画になる美しさを感じられる。出会い、認め合い、愛し合う。ただそれだけなのに、この時代ではそれが認められない。彼らは何の罪も犯していないのに、周囲から理解されない。まるで犯罪者のような扱いをされる。母親もきっと息子の将来、息子のためを思ってしたことなのだから、家族が悪いわけじゃない。ジオがニーノに言った「秘め事にしていれば100年だって続けられる」という言葉が印象的。それでもたった40年前のイタリアでも、偏見や差別が当たり前のようにあったことに驚かされました。セクシャルマイノリティに限らず、偏見や差別が世界から無くなることを願う。
2人が本当に結ばれたと思ったのに…最後のシーンは衝撃的でした。

この作品の評価・・・・★★★★★★★☆☆☆(満点は★10)
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サンクスギビング

2024年06月03日 14時41分07秒 | 映画評論サ行

製作年:2023年
製作国:アメリカ
日本公開:2023年12月29日
監督:イーライ・ロス
出演:パトリック・デンプシー,アディソン・レイ,マイロ・マンハイム

サンクスギビング | ソニー・ピクチャーズ公式

感謝祭(=サンクスギビング)発祥の地マサチューセッツ州プリマス。一年に一度の祝祭に沸き立つ人々だったが、突如、ダイナーで働く女性が何者かに惨殺される事件が起こる...

サンクスギビング | ソニー・ピクチャーズ公式

 


日々の恩恵に感謝して祝福するサンクスギビング。その発祥地であるアメリカ・マサチューセッツ州プリマスの町では祝祭に沸き上がるが、ダイナーで働く女性が何者かによって惨殺される。その後も、住民たちがサンクスギビングの食卓に並ぶ料理を模した方法で殺されていく。一方、高校生のジェシカは、自分や仲間がジョン・カーヴァーを名乗る人物のインスタグラム投稿にタグ付けされたことに気づき、豪華な食卓に自分たちの名札が配された写真を目にする。
クエンティン・タランティーノ監督とロバート・ロドリゲス監督が手掛けた『グラインドハウス』内で上映されたフェイク予告編『感謝祭』を長編映画化したホラー。サンクスギビング(感謝祭)に沸く町で、調理器具を凶器にした殺人が連続する。監督を務めるのはイーライ・ロス。『魔法にかけられて』シリーズなどのパトリック・デンプシー、『ヒーズ・オール・ザット』などのアディソン・レイのほか、マイロ・マンハイム、ジーナ・ガーションらが出演する。

サンクスギビング(感謝祭)に沸く町で、住民たちが次々にお面をつけた殺人鬼に襲われるホラー作品。内容的には王道のホラー映画でした。既視感のある展開は「スクリーム」「ラストサマー」に似ている。グロさはあるものの殺し方もどこかで見たことあるような…。思っていたよりも怖くもないし、途中で入る若干もコメディが気になりました。それでもやっぱり様々な方法で住民を殺していく痛々しいシーンのオンパレードなので、ホラー好きの自分からすると合格点はあげたい。久しぶりにこんなに痛々しいシーンをたくさん見た。人間の丸焼きはインパクト大。それでも殺人鬼の殺人シーンよりも、冒頭の群衆事故のほうが数倍怖く感じました。みんなワッフルメーカー欲しがりすぎ(笑)スーパーでは押さない駆けない走らない。

続編製作も決まっているそうで。続きが気になるところ。あの人は生きているのか!?

この作品の評価・・・・★★★★★★☆☆☆☆(満点は★10)
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猿の惑星/キングダム

2024年05月13日 20時01分22秒 | 映画評論サ行

製作年:2024年
製作国:アメリカ
日本公開:2024年5月10日
監督:ウェス・ボール
出演:オーウェン・ティーグ,フレイヤ・アーラン,ケヴィン・デュランド

シリーズ完全新作 映画『猿の惑星/キングダム』|20世紀スタジオ公式

大ヒット上映中!『猿の惑星/キングダム』公式サイト。“今”から300年後の猿が支配する世界。進化は本当に彼らを選んだのか。神話的名作シリーズ『猿惑の惑星』完全新作!|...

20th Century Studios JP

 


ウイルスの流行により、地球の支配者が人間から猿へと変わった世界。独裁者のプロキシマス・シーザーにより村と家族を奪われたノア(オーウェン・ティーグ)は、かつて猿と人間が共存していたことを知る。ある日、ノアは人間の女性ノヴァと出会い、プロキシマス・シーザーたちが築こうとしている帝国に疑問を抱くようになる。
猿と人間の争いを描く人気シリーズの一作で、猿が支配者として君臨するようになった近未来を舞台とするSFアクション。家族を失った猿と秘密を知る人間の女性、そして人間を排除しようとする冷酷なリーダーを中心に、猿と人間の共存か猿の独裁かをめぐる争いが繰り広げられる。監督は『メイズ・ランナー』シリーズなどのウェス・ボール。『To Leslie トゥ・レスリー』などのオーウェン・ティーグやドラマシリーズ「ウィッチャー」などのフレイヤ・アーランらが出演する。

猿と人間の争いを描いたシリーズ最新作。「猿の惑星:創世記(ジェネシス)」「猿の惑星:新世紀(ライジング)」「猿の惑星:聖戦記(グレート・ウォー)」に続くシリーズ第4弾。前作からの話は続いていますが、前作から300年後という設定なので、シリーズ初見の人でも楽しめる内容になっています。とは言っても「シーザーって何者?」ってなるので。やっぱりシーザー主役の3部作は観ておいたのがさらに楽しめると思います。前作から6年ぶりの新作だったので冒頭シーンを観て「あれ?シーザーって死んだんだっけ?」って思ってしまった。
本作では人間vs猿というよりは猿vs猿。共存、共生というのは簡単ではない。それぞれの暮らしが、生き方が、立場が、考え方があるもの。人間だろうが猿だろうが、どの世界にも多様性があり、争いは尽きないものだと考えさせられる。しかしシーザー3部作が良かっただけに、今回の話は内輪的な感じにまとまってしまっていたのは惜しいところ。各キャラクターの描き方が弱い。まぁこれからどう話が広がっていくかによりますが…。映像が凄く綺麗。人間には希望が無い…ように思いましたが、ラストに僅かな希望が!誰が世界を征服するのか、メイが今後どう物語に絡んでくるのか、続編も楽しみです。

この作品の評価・・・・★★★★★★☆☆☆☆(満点は★10)
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しん次元!クレヨンしんちゃんTHE MOVIE 超能力大決戦 ~とべとべ手巻き寿司~

2024年05月07日 13時42分39秒 | 映画評論サ行

製作年:2023年
製作国:日本
日本公開:2023年8月4日
監督:大根仁
声の出演:小林由美子,ならはしみき,森川智之,鈴木もぐら,松坂桃李

ある晩、宇宙から飛来した暗黒の光と白い光が埼玉県カスカベ市の住宅に降下し、白い光が夕飯を待っていたしんのすけに命中する。その瞬間から彼の体全体に不思議な力がみなぎり、しんのすけが力に身をゆだねてお尻に意識を集中すると、おもちゃが宙に浮くのだった。一方、暗黒の光を浴び、超能力を手に入れたある男が暴走を始める。
臼井儀人の原作によるアニメ「クレヨンしんちゃん」の劇場版シリーズ第31作。シリーズ初の3DCG作品として『バクマン。』などの大根仁が監督などを手掛け、不思議なパワーを手にしたしんのすけの活躍を描く。3DCGアニメーションを担当するのは『STAND BY ME ドラえもん 2』などの白組。ボイスキャストはおなじみの小林由美子、ならはしみき、森川智之、こおろぎさとみ、真柴摩利らが務めている。

シリーズ初の3DCG作品。しんちゃんを3Dで見る日が来るとは!映像としては斬新で良かったですが内容を考えると、わざわざ3Dした意味があったのかは疑問です
。内容的には今回は大人向け。頑張っても報われない…夢なんてない…良い事なんてない…何で自分だけこんな目に合わなきゃいけないのか…。そんな男の物語です。暴力シーンやイジメ、孤独、親との溝など重い内容が続きます。怪獣のビジュアルが怖すぎる。「この国に未来なんて無い!」なんて子供向けの映画とは思えない(笑)、そしてそれに対する明るいメッセージ性が弱いのが残念。辛い経験ばかりしてきた若者に向けて「仲間となら乗り越えられるよ!」とか「頑張れ!」といった軽めの答えでは物語が締まらない。しんちゃんやひまわりが世界規模の危機に立ち向かう姿は良かったですが大人向けにし過ぎたせいか、いつものクレヨンしんちゃんの良い意味での“バカバカしさ”が薄まってしまったのが残念でした。非理谷充の声を担当した松坂桃李の声があまりハマってなくてずっと違和感を感じてました。

次回作は2D!やっぱりクレしんは2Dが良いと思います。

この作品の評価・・・・★★★★★☆☆☆☆☆(満点は★10)
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死霊館のシスター 呪いの秘密

2024年04月28日 21時20分10秒 | 映画評論サ行

製作年:2023年
製作国:アメリカ
日本公開:2023年10月13日
監督:マイケル・チャベス
出演:タイッサ・ファーミガ,ジョナ・ブロケ,ストーム・リード

映画『死霊館のシスター 呪いの秘密』公式サイト

映画『死霊館のシスター 呪いの秘密』公式サイト 1.24ブルーレイ&DVDリリース/デジタル配信中 実際にあった心霊現象の映画化 全世界興行収入3,000億円超えの大ヒットホラー ...

 


1956年、フランスで神父殺害事件が起きたことをきっかけに、世界に悪がはびこるようになり、特殊な能力を持つシスター・アイリーン(タイッサ・ファーミガ)は教会の要請を受けて事件の調査を開始する。自らの命を危険にさらしながらも、祈りをささげ続ける彼女は、ついに悪の元凶であるシスター・ヴァラクと相対する。
悪魔のシスター・ヴァラクの誕生を描いた『死霊館のシスター』の第2弾となるホラー。特殊な能力を持つシスターが、邪悪なシスター・ヴァラクに立ち向かう。タイッサ・ファーミガ、ジョナ・ブロケ、ボニー・アーロンズらが続投し、『search/#サーチ2』などのストーム・リードらが出演。『死霊館』シリーズなどのジェームズ・ワンが製作などを手掛け、『死霊館 悪魔のせいなら、無罪。』などのマイケル・チャベスがメガホンを取る。

悪魔のシスター・ヴァラクの誕生を描いた『死霊館のシスター』の第2弾。死霊館シリーズはほぼ観てきましたが、あまり記憶に残っておらず。ただし本作はシリーズの始まりの物語を描いた作品の続編なので、予備知識はあまり必要ないかもしれません。ビックリさせるホラー要素はしっかりあるものの、何か新鮮味を感じられなかったのが惜しい。予告編で観客を驚かせるシーンを見せてしまったのが残念。ジワジワ系というよりは、お化け屋敷のようなビックリさせる映画でした。アイリーンとシスター・ヴァラクの直接対決も見どころの一つだが、悪魔というよりはモンスターに見えてしまって、期待していたほどの怖さを感じられませんでした。ヤギに化ける悪魔って…ギャグにしか見えない(笑)
シスターヴァラクもちょっと見飽きてきた。そろそろヴァラクさんの意外性な面で本領発揮を見たいところですね。

この作品の評価・・・・★★★★★☆☆☆☆☆(満点は★10)
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四月になれば彼女は

2024年03月22日 15時34分35秒 | 映画評論サ行

製作年:2024年
製作国:日本
日本公開:2024年3月22日
監督:山田智和
出演:佐藤健,長澤まさみ,森七菜,仲野太賀,中島歩,ともさかりえ,竹野内豊

映画『四月になれば彼女は』公式サイト

大ヒット上映中!川村元気の“愛のベストセラー”がついに実写映画化。

 


4月のある日、結婚を間近に控えた精神科医・藤代俊(佐藤健)のもとに、かつて交際していた伊予田春(森七菜)から手紙が届く。ボリビア・ウユニ塩湖からの手紙には、10年前の初恋の記憶がつづられていた。そんなとき、俊の婚約者・坂本弥生(長澤まさみ)が謎めいた言葉を残して姿を消す。春はなぜ手紙を書いてきたのか、そして弥生はなぜ失踪したのか。戸惑う俊が愛する人を探し求める中で、二つの謎がつながっていく。
映画プロデューサーや小説家など多彩に活動する川村元気の恋愛小説を映画化。結婚直前に婚約者が謎の失踪を遂げた精神科医が、ある手紙をきっかけに初恋の記憶や婚約者との日々を回想する。監督は米津玄師らのミュージックビデオなどを手掛けてきた映像作家・山田智和。主人公を川村原作による『世界から猫が消えたなら』などの佐藤健、失踪した婚約者を『MOTHER マザー』などの長澤まさみ、主人公の初恋の相手を『君は放課後インソムニア』などの森七菜が演じる。

失踪した婚約者。元カノから届く手紙。長いPVを見ているような感覚でした。映像がとにかく美しい。ウユニ塩湖から始まり、プラハの街並み、ブラックサンドビーチ、日常の風景さえも美しく見えた。映画としての雰囲気は個人的には好みです。しかし登場人物たちの感情や説明が足りないせいか、観終わったあとスッキリしたような気もするし、何か引っかかるような気もする。この映画が伝えたいことは確かに分かる。恋をすることは簡単だけど、愛し続けることは難しい。出会った頃の気持ちのままでいることは難しいということ。大人になると途中で色々な方法に気付くことがあるけれど、若いときってどうしても「答えは1つしかない。それが合わないなら別れよう」っていう別の発想が出来ない感覚も分からなくもない。「1人の孤独は耐えられるけど、2人での孤独は耐えられない」って気持ちは凄くわかる。すごく深くて良い話を描いているのだけど、俊や弥生や春の正直な気持ちが見えてこないまま終わってしまったのが残念でした。元カノに会いに行く弥生がちょっと怖かった…。
弥生からの問題。「愛を終わらせない方法ってなんでしょう?」ちゃんと相手と向き合って、ちゃんと追い続けないと簡単に失ってしまう。愛することをサボってしまった俊や弥生。
藤井風の曲、映画とよく合ってました。竹野内豊が演じたお父さん。怖すぎ!彼女の実家行ってあんな事言われたら別れるかも(笑)

この作品の評価・・・・★★★★★★☆☆☆☆(満点は★10)
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ザ・クリエイター/創造者

2024年02月19日 20時05分30秒 | 映画評論サ行

製作年:2023年
製作国:アメリカ
日本公開:2023年10月20日
監督:ギャレス・エドワーズ
出演:ジョン・デヴィッド・ワシントン,渡辺謙,マデリン・ユナ・ヴォイルズ

AIがロサンゼルスで核爆発を引き起こした、今から50年後の未来。人類とAIの戦いが10年にわたって続く中、高度なAI兵器を生み出した創世者「クリエイター」の暗殺ミッション遂行のため、退役軍人のジョシュア(ジョン・デヴィッド・ワシントン)が敵地へ潜入する。彼がクリエイターの居場所を突き止めると、そこには少女の姿をしたヒューマノイド(マデリン・ユナ・ヴォイルズ)がいた。
人類とAIの戦いが勃発した近未来を舞台に描くSFアクション。危険なミッションに挑んだ退役軍人が、潜入先でヒューマノイドの少女と出会う。監督などを務めるのは『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』などのギャレス・エドワーズ。『TENET テネット』などのジョン・デヴィッド・ワシントン、『怒り』などの渡辺謙、ジェンマ・チャン、アリソン・ジャネイらがキャストに名を連ねる。

第96回アカデミー賞の視覚効果賞&音響賞ノミネート作品。人類とAIの戦争が勃発した近未来を舞台にしたSFアクション。さすが『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』のギャレス・エドワーズ監督。美しい風景や、宇宙船、AIロボットの動きなど、映像美が素晴らしい。映像は間違いなく良いのですが、肝心なストーリーに新鮮味が無かったのが残念。AIと人類の戦争話なんて、今更感が否めない。というか『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』感を感じさせる演出がチラホラ。アメリカ側のAI反対派の西側諸国と、AI支持派のニューアジアの対立というスケールの大きい話なのに、主人公のジョシュアの奥さん探しばかりが目立ってしまっていて、スケールが大きいのか小さいのかよく分からなくなってきた。アルフィーの能力の凄さをもっと見たかった。アルフィーが神がかった能力を持っているのかと期待していた程でもなかったし…。
似たような内容の作品ではなく『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』の続編を作ってほしい!

この作品の評価・・・・★★★★★★☆☆☆☆(満点は★10)
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Saltburn

2024年01月29日 19時55分57秒 | 映画評論サ行

製作年:2023年
製作国:イギリス / アメリカ
日本公開:2023年12月22日
監督:エメラルド・フェネル
出演:バリー・コーガン,ジェイコブ・エローディ,ロザムンド・パイク

オックスフォード大学に入学したオリヴァー・クイック(バリー・コーガン)は、学内で自分の居場所を見つけられず気の晴れない日々を過ごしていた。ある日、貴族階級の学生フィリックス・キャットン(ジェイコブ・エローディ)と出会い、彼が暮らす世界に引き寄せられていく。やがてオリヴァーはフィリックス一家が所有する広大な土地ソルトバーンに招かれ、そこで忘れられないひと夏を過ごすことになる。
『プロミシング・ヤング・ウーマン』でアカデミー賞脚本賞を受賞したエメラルド・フェネルによるスリラー。名門大学での生活になじめない青年が、貴族階級の青年一家が所有する土地ソルトバーンに招かれる。フェネル監督が製作・脚本も担い、製作陣には『バービー』などの俳優マーゴット・ロビーらが参加。『イニシェリン島の精霊』などのバリー・コーガン、『キスから始まるものがたり』シリーズなどのジェイコブ・エローディ、『ゴーン・ガール』などのロザムンド・パイクらが出演する。

陰キャな大学生の青年が、貴族階級の同級生の豪邸に招かれたことで起きる出来事を描いた本作。「シャイニング」のような雰囲気も感じるし、ポン・ジュノ監督の「パラサイト」を思い出させる展開。ジワジワくる怖さと気持ち悪さ。ソルトバーンにある豪邸で暮らすフェリックス一家が徐々に崩壊していく展開は面白くもあり怖くもありました。オリヴァーが何を考えているのか全然見えてこないが、最後の最後で「そういうことか!!」と唸らせてくる演出の上手さ。人間の欲望って恐ろしい…。浴槽を舐めたり、墓の前で裸であんなことまで…愛と憎しみの境界とは。憎しみしかないようにも見えるが、愛があったかのようにも見える。恋愛感情が無い愛とは!?バリー・コーガンのおどおどした弱そうに見せる演技と、裸で振り切った演技は見事でした!
『プロミシング・ヤング・ウーマン』に続く監督2作目のエメラルド・フェネル監督。人間の欲望を見せるのが上手い!次回作も期待しています。

この作品の評価・・・・★★★★★★★☆☆☆(満点は★10)
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スイート・マイホーム

2023年12月01日 18時02分41秒 | 映画評論サ行

製作年:2023年
製作国:日本
日本公開:2023年9月1日
監督:齊藤工
出演:窪田正孝,蓮佛美沙子,奈緒,中島歩,岩谷健司,根岸季衣,窪塚洋介

映画『スイート・マイホーム』 | 絶賛公開中!

小説現代新人賞受賞の注目作家・神津凛子のデビュー作『スイート・マイホーム』が遂に実写映画化。監督 齊藤工×主演 窪田正孝が描く幸せな家族を襲う「家」を取り巻く恐怖の...

映画『スイート・マイホーム』 | 絶賛公開中!

 


冬の寒さが過酷な長野。スポーツインストラクターの清沢賢二(窪田正孝)は、1台のエアコンで家全体を暖められるという「まほうの家」のモデルハウスに興味を抱き、寒さが苦手な妻と娘のため、その家を建てることを決める。やがて新居が完成し、さらに次女も授かって一家は幸せの絶頂にいた。しかし、新居に住み始めた直後から、不可解な出来事が次々と起こり始める。
第13回小説現代長編新人賞を受賞した神津凛子による長編小説を実写映画化。念願の新居に引っ越した直後から、次々と奇妙な現象に見舞われる一家を描く。俳優のみならず、監督やプロデュースでも活動する齊藤工がメガホンを取り、『十二人の死にたい子どもたち』などの倉持裕が脚本を担当。『ラジエーションハウス』シリーズなどの窪田正孝が主演を務め、『RIVER』などの蓮佛美沙子、『マイ・ブロークン・マリコ』などの奈緒のほか、中島歩、根岸季衣、窪塚洋介らが共演する。

理想的なマイホームを手に入れた一家に降りかかる奇妙な現象を描いた本作。念願の我が家で起きる出来事。子供の体調が悪くなったり、奇妙な影や物音を感じたり、殺人事件が起きたり…。お決まりの展開が多いですが、不穏な空気感を感じさせる演出は良かったと思います。犯人の見当が付いてしまうが、それでも主人公の賢二が精神的に追い詰められていく展開は怖かった。幽霊よりも人間のほうが100倍怖いんです。しかし犯人の暴走っぷりをもっと見たかった。怖かったけど、同じ展開も多くてなにか物足りない内容でした。刑事やら上司やら、個人情報を人にバンバン教えるし、刑事も心当たりあるなら動きなさいよ。あと犯人がとどめを刺さずに包丁落としたのは何故?気になるところが幾つかありました。
後味悪すぎのラストの衝撃…もうこんな家には住めません!てかお兄ちゃん殺された時点でもう住めないよ(笑)

スマートハウスなのに地下室にもライト付けないのかな?あれじゃ真っ暗すぎるよ

窪田正孝のバキバキの体になりたい

マイホームを建てる時は、デザインよりも人選びが大切ですね

この作品の評価・・・・★★★★★★☆☆☆☆(満点は★10)
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正欲

2023年11月22日 15時48分49秒 | 映画評論サ行

製作年:2023年
製作国:日本
日本公開:2023年11月10日
監督:岸善幸
出演:稲垣吾郎,新垣結衣,磯村勇斗,佐藤寛太,東野絢香,山田真歩,宇野祥平

不登校になった息子が世間から隔絶されることを心配する検察官・寺井啓喜(稲垣吾郎)。ある秘密を抱え、世間との関わりを断つように生きる販売員・桐生夏月(新垣結衣)。彼女の中学時代の同級生で、夏月の誰にも言えない秘密を共有している佐々木佳道(磯村勇斗)。容姿に恵まれ華やかな大学生活を送っているように見えながら、他人との交流を避ける諸橋大也(佐藤寛太)。彼と同じ大学に通い、学園祭実行委員を務める神戸八重子(東野絢香)。一見何の接点もないように見えるそれぞれの人生が、ある事件をきっかけに重なり始める。
『桐島、部活やめるってよ』の原作などで知られる朝井リョウの柴田錬三郎賞受賞作を映画化。息子が不登校になった検察官、ある秘密を抱えた販売員、心を閉ざして生活する大学生など、一見無関係な人々の人生が、ある事件をきっかけに交差し始める。『あゝ、荒野』シリーズなどの岸善幸が監督、同じく港岳彦が脚本を担当。『窓辺にて』などの稲垣吾郎、『くちびるに歌を』などの新垣結衣、『ビリーバーズ』などの磯村勇斗、『軍艦少年』などの佐藤寛太らが出演する。

啓喜、夏月、佳道、大也、八重子。性別・年齢・環境も違う5人。様々な欲望、嗜好、苦悩を持った人間たちが、ある事件をキッカケに交差していく物語。まさに“多様性”を描いた本作。育った環境、出会った人間で、考え方なんて人それぞれ変わってくるのは当たり前。しかしそれを相手に理解してもらおうとするのは難しい。普通とは何か、正しいとは何か…。“こうであることが当たり前”とか“こうじゃなきゃいけない”なんてことは世の中に一つもない。しかし社会で生きていると周りを見て、空気を読んで、皆と同じように生きなきゃいけないと自然と感じてしまう。そして普通の顔をして生きなきゃいけない。
世の中には色々な趣味嗜好を持っている人がいるけれど、同時に生きづらさを感じている人もいるだろう。自分が知らない世界がたくさんあることに気付かされたし、生きやすい世界になってほしいと純粋に思いました。終わり方がちょっと勿体ない。その後を見せてほしかった。

「自分がどういう人間か人に説明できなくて息ができなくなったことってありますか?」

「生きるために必死だった道のりを“ありえない”って簡単に片づけられたこと。ありますか?」

僕も無意識に相手を傷付けているのではないかと、非常に考えさせられる内容でした。犯罪をしなければ、どんな欲があっても良い。

この作品の評価・・・・★★★★★★★☆☆☆(満点は★10)
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ザ・キラー

2023年11月11日 13時40分05秒 | 映画評論サ行

製作年:2023年
製作国:アメリカ
日本公開:2023年11月10日
監督:デヴィッド・フィンチャー
出演:マイケル・ファスベンダー,ティルダ・スウィントン,アーリス・ハワード

暗殺を生業とする男(マイケル・ファスベンダー)は、いかなるときも完璧に任務を遂行してきた。しかし、あるミスによって窮地に立たされ、命を狙われる身となってしまう。彼は雇い主ばかりか、自分自身にさえあらがいながら、国境を越えて追跡劇を繰り広げていく。
『セブン』『ゴーン・ガール』などのデヴィッド・フィンチャーが監督を務めたサスペンススリラー。あるミスにより窮地に立たされた暗殺者が、世界各地で追跡劇を繰り広げる。主人公の暗殺者を『X-MEN』シリーズなどのマイケル・ファスベンダーが演じ、オスカー俳優ティルダ・スウィントン、フィンチャー監督作『Mank/マンク』などのアーリス・ハワードのほか、チャールズ・パーネル、ソフィー・シャーロット、ケリー・オマリーらが共演。

監督デヴィッド・フィンチャー、主演マイケル・ファスベンダーなら観ないわけない。完璧な殺し屋の男が、あるミスによって命を狙われ、復讐に燃える物語。デヴィッド・フィンチャー監督作品らしさが伝わる、暗くジメジメした空気感にゾクゾクさせられました。殺し屋の男の復讐劇なのですが、何かの映画で観たことがあるような話でした。展開としては淡々としていて、やっていることは同じことの繰り返し。この映画の見せ場はどこなのだろうかと思うくらい淡々とし過ぎていましたし。登場人物の背景や、組織の全貌も見えてこず…。そもそも2回目の殺しからは完璧な殺し屋が、最初にあんな単純ミスを犯すだろうか。ただ、主人公の言動を見ていると、どんな完璧な人間でもミスや弱い面を持ち合わせているということを感じました。ストーリーよりも、スタイリッシュな映像や音楽を楽しむ作品かもしれません。

この作品の評価・・・・★★★★★☆☆☆☆☆(満点は★10)
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The Son/息子

2023年09月30日 00時41分35秒 | 映画評論サ行

製作年:2022年
製作国:イギリス/フランス
日本公開:2023年3月17日
監督:フロリアン・ゼレール
出演:ヒュー・ジャックマン,ローラ・ダーン,ヴァネッサ・カービー

映画『The Son/息子』公式サイト

ヒュー・ジャックマン主演 『ファーザー』監督最新作<本年度ゴールデングローブ賞ノミネート>親と子の〈心の距離〉を描く、衝撃と慟哭の物語|3月17日(金)全国ロードシ...

 


弁護士のピーター(ヒュー・ジャックマン)は新しいパートナーとの間に子供が生まれ、幸せな日々を過ごしていた。ある日、前妻が17歳の息子ニコラス(ゼン・マクグラス)を連れて現れる。息子は心に問題を抱えて苦しんでおり、ピーターのもとで暮らしたいというのだった。ピーターはニコラスを現在の家庭に迎え入れる。
『ファーザー』などのフロリアン・ゼレール監督が、親子の心の距離にフォーカスした人間ドラマ。同作に続き自身の戯曲を映画化した家族3部作の第2弾で、新たな家族と幸せに暮らす弁護士が、思春期にさしかかった前妻との間の息子を受け入れる。製作総指揮も務めた『レ・ミゼラブル』などのヒュー・ジャックマンを主演に、『マリッジ・ストーリー』などのローラ・ダーン、『私というパズル』などのヴァネッサ・カービー、『ファーザー』で2度目のオスカーを受賞したアンソニー・ホプキンス、ゼン・マクグラスらが出演する。

思春期の息子と父親の心の距離を描いた人間ドラマ。血の繋がった家族でも、そこには見えない壁があって本当の気持ちを伝えることが難しいときがある。家族のためを思ってしていることでも苦しめてしまうこともあるし、子供がいる人は特に共感してしまうと思います。父親らしさとは何か、母親らしさとは何か、子供らしさとは何か、自分らしさとは何か…。辛い、苦しい、逃げたい…でもこの気持ちをどうやって言えばいいのか分からない。思春期の頃ってそんなモヤモヤした時が自分にもあった気がする。完璧な親はいない。完璧な子供もいない。子供を一番に考えることは大事だが、親も一人の人間。人間の強さと弱さについて考えさせられました。父親のピーターも、息子のニコラスも、「ああなりたい」「あんな風にはなりたくない」が常に頭の中にあり、完璧でなきゃいけないと思い続けたせいで、すれ違いが増えてしまったのかもしれない。誰が悪いとか正しいとかの問題ではない。相手の気持ちを理解するって難しい。海のシーンが切なさを増しました。愛だけでは埋まらない溝がある。
非常に重い作品ではあったけど観て良かった。家族、友人、恋人…大切な人との時間には限りがある。今ある幸せを大切にしなきゃと改めて思わせてくれる良質な作品でした。

この作品の評価・・・・★★★★★★★☆☆☆(満点は★10)
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そして僕は途方に暮れる

2023年08月11日 16時34分31秒 | 映画評論サ行

製作年:2023年
製作国:日本
日本公開:2023年1月13日
監督:三浦大輔
出演:藤ヶ谷太輔,前田敦子,中尾明慶,毎熊克哉,香里奈,原田美枝子,豊川悦司

『そして僕は途方に暮れる』公式サイト

2023年1月13日(金)公開「そして僕は途方に暮れる」三浦大輔監督×藤ヶ谷太輔主演!逃げて、逃げて、逃げまくる――、人生を賭けた逃避劇。共感と反感の連続、予測不能なスト...

『そして僕は途方に暮れる』公式サイト

 


自堕落な生活を送るフリーターの菅原裕一(藤ヶ谷太輔)は、長年共に暮らしている恋人・鈴木里美(前田敦子)とふとしたことで口論になり、話し合うこともせず家を飛び出してしまう。それ以来親友、学生時代の先輩や後輩、姉、母のもとを渡り歩く彼は、気まずくなるとそこから逃げ出し、あらゆる人間関係から逃げ続けていく。行き場をなくして途方に暮れる裕一は、かつて家族から逃げた父・浩二(豊川悦司)と10年ぶりに再会する。
映画化もされた「愛の渦」などで知られる三浦大輔が作・演出、アイドルグループ「Kis-My-Ft2」の藤ヶ谷太輔主演により2018年に上演された舞台を、三浦自身が映画化。ささいなきっかけから恋人や親友、家族などあらゆる人間関係を断ち切ろうとする青年の逃避行を描く。主演の藤ヶ谷をはじめ、前田敦子と中尾明慶が舞台版から続投し、映画版新キャストとして『純平、考え直せ』などの毎熊克哉と野村周平、『深呼吸の必要』などの香里奈、『百花』などの原田美枝子、『今度は愛妻家』などの豊川悦司らが出演する。

人間関係を断ち切って生きる青年の逃避行を描いた本作。逃げて逃げて逃げまくる、犯罪を犯したわけでもないのに逃げる裕一。そんなことで「俺出てくわ!」なんて言う?とイラっとした部分もありましたが、こういう性格の人っているよなぁと納得してしまいました。彼女に浮気がバレたことから始まる逃避行。彼女、親友、バイトの先輩、大学の後輩、姉、母親…と転々とした裕一が最後に辿り着いたのは疎遠になっていた父親の家。自分の意志の弱さと他人任せの生き方をしてきた裕一の自業自得の結果なのだが、嘘をついたり見栄を張ってしまい転落していく祐一がどこか可哀相に見えてしまった。まぁクズ男なのは間違いないが(笑)ちゃんと言葉にしないと相手には伝わらないし、「ごめん」の一言がちゃんと言える人間でなきゃいけない。逃げたくなる時も確かにある。なるようになる時もあれば、なんとかしなきゃいけない時もある。
バラバラだった家族が再び家族の絆を取り戻す流れが急だったし、宗教にのめり込んでいた母親のその後が気になりました。展開が面白かっただけに、もう少し捻りがほしかったところ。
祐一は…歌舞伎町でホストになったのかな?

なんか…って言っちゃうよね

この作品の評価・・・・★★★★★★☆☆☆☆(満点は★10)
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