股間の解放記

普通の社会人PEKOの、日々思うことをつづっていきます。

最愛の子

2016年08月22日 17時02分10秒 | 映画評論サ行
製作年:2014年
製作国:中国/香港
日本公開:2016年1月16日
監督:ピーター・チャン
出演:ヴィッキー・チャオ,ホアン・ボー,トン・ダーウェイ,ハオ・レイ,チャン・イー
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中国、深※(※…土へんに川)。その市街地で、3歳になる男児ポンポンが姿を消してしまう。死に物狂いで愛する息子を捜し出そうと、警察に捜索を訴え、インターネットを通じて消息に関する情報を集める両親だったが、息子と会うことはかなわない。それから3年後。後悔の念と罪の意識を抱えながら捜索を続ける二人は、ついに中国北部の村で生活していた彼と再会。6歳になった息子を連れ戻そうとするが、育ての親から離れたくないと激しく拒まれてしまう。
第71回ベネチア国際映画祭や第39回トロント国際映画祭に出品された、実話がベースのミステリードラマ。3歳の息子が失踪し、その3年後に他人の子として育てられていた彼と再会した両親の葛藤や苦悩を見つめる。メガホンを取るのは、『捜査官X』などのピーター・チャン。『画皮 あやかしの恋』などのヴィッキー・チャオ、『西遊記 ~はじまりのはじまり~』などのホアン・ボーらが顔をそろえる。生みの親、育ての親、それぞれの愛について問い掛ける。

3歳の息子が失踪し、3年後に再開した両親の苦悩を描いた本作。失踪した息子、息子を探す両親、他人の子を知りながら育てた女性…。育ての親と生みの親ががが得るそれぞれの苦悩が痛いぐらい伝わってくる。もちろん誘拐した人間が悪い。血の繋がった親子が一緒にいるべき。なのだが、誘拐犯の妻ホンチンの気持ちは“子供を愛している”という一途な気持ちしかない。この映画に出てくる登場人物は皆“子供を心の底から愛している”のだ。だからこそ父親のティエンはホンチンの気持ちを理解した。実の子は、実の親に抱かれても泣き叫ぶ。両親としてはこれほど辛いことはないだろう。愛する気持ちがこれほど残酷で切ないものだとは思いませんでした。他人の子でありながらも、施設に預けられた下の子になんとかして会おうとする気持ちが切な過ぎる…。
中国が抱える問題も多く出てきます。一人っ子政策の問題点、地方と都市部の貧困の格差、誘拐や人身売買、被害者家族への詐欺…。年間20万人以上の子供が誘拐・売買されているという中国社会。最も驚いたのは子どもが行方不明でも死亡証明がされなければ出生証明が与えられないという一人っ子政策の現状。この映画の最後まで観た後で考えると誘拐犯の妻ホンチンも被害者の1人だと感じる。最後までこの映画の行方が気になって仕方ありませんでした。ハッピーエンドなのかバッドエンドなのか…結局誰も幸せになってないような気もする。

この作品の評価・・・・★★★★★★★★★★(満点は★10)
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これが私の人生設計

2016年08月19日 15時35分41秒 | 映画評論カ行
製作年:2014年
製作国:イタリア
日本公開:2016年3月5日
監督:リッカルド・ミラーニ
出演:パオラ・コルテレージ,ラウル・ボヴァ,マルコ・ボッチ,コラード・フォーチューナ
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建築家として世界中で仕事をしてきたセレーナは、新たなステップを求めて故郷のローマへ戻る。しかし、保守的な男性社会のイタリア建築業界における女性の就労状況は厳しく、希望の職を探し回っているうちに経済状態が悪化。そんな折、公営住宅のリフォーム案が公募されることを知った彼女は、男性と偽って応募し…。
国外で活躍後イタリアに帰国したものの、男性優位の状況に苦戦する女性建築家の奮闘を描いたコメディー。次々に起こる予想外の出来事に振り回されるヒロインに『ジョルダーニ家の人々』などのパオラ・コルテレージがふんするほか、『トスカーナの休日』などのラウル・ボヴァ、『K2 ~初登頂の真実~』などのマルコ・ボッチらが共演。自分らしい生き方を問う物語や、さまざまな問題に立ち向かうヒロインの強さが見どころ。

故郷のイタリアで奮闘する女性建築家を描いた本作。男性優位の世界の中で、差別や偏見を受けながらも、それにも負けずに自分の意思を貫こうとする主人公セレーナの姿には勇気づけられます。またゲイの男性オーナーであるフランチェスコもセレーナのために奮闘します。セレーナのお母さんとお祖母ちゃんも良い味出してます。小ネタも詰まっていて最後まで笑いながら観ることができました。公営住宅のリフォーム案を採用してもらうためについた嘘が徐々にバレてきてしまう展開はドキドキしながらも面白かったです。最後は嘘ではなく、自分に誇りを持って堂々と意見を言う主人公の姿がとてもカッコ良かったです♪女性だから駄目とか、妊娠したら会社を辞めろとか日本よりも酷いイタリアの会社!?男社会の対する風刺も入っていて仕事をしている女性、そして男性も観てほしい素敵な作品でした。

この作品の評価・・・・★★★★★★★★☆☆(満点は★10)
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X-MEN:アポカリプス

2016年08月18日 10時43分10秒 | 映画評論ア行
製作年:2016年
製作国:アメリカ
日本公開:2016年8月11日
監督:ブライアン・シンガー
出演:ジェームズ・マカヴォイ,マイケル・ファスベンダー,ジェニファー・ローレンス
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1983年。文明が誕生する前から神として君臨していた、ミュータントの始祖でもあるアポカリプスが、突如として長い眠りから覚醒する。数千年ぶりに目にした人間とその文明が、誤った方向に進んでしまったと考えた彼は新しい秩序が必要だと判断。マグニートーなど、4人のミュータントを率いる。彼の存在と考えを知ったプロフェッサーXは、ミスティークらと共にその行動の阻止に挑むが…。
ヒットシリーズ『X-MEN』の第6弾にして完結編。数千年の眠りから目覚めて人類に新しい秩序をもたらそうとするミュータントのアポカリプスに、プロフェッサーXらX-MENが立ち向かっていく。監督は、シリーズ第1作、第2作、第5作も手掛けたブライアン・シンガー。『フィルス』などのジェームズ・マカヴォイを筆頭に、マイケル・ファスベンダー、ジェニファー・ローレンス、オスカー・アイザックと実力派スターが結集する。VFXを駆使した壮絶なバトル描写の数々に加えて、X-MEN結成をめぐるエピソードにも注目。

シリーズ6作目にして完結編となる本作。ミュータントとして生きる彼らの苦悩と、最強の敵アポカリプスとの死闘が描かれています。仲間たちの絆を意識して描かれていて完結編としては、なかなかの仕上がり。ただアポカリプスが自分の元々の力ではなくて、マグニートーやプロフェッサーを力を借りて強くなるという設定がちょっと引っかかりました。一瞬で殺せる能力を持ってるんじゃないの?最強のわりには、最後は力技でX-MENたちが勝ったような…。四騎士がアポカリプスを簡単に裏切るし、マグニートーの敵になったり味方になったりの心変わりも早かったような…。宇宙に行った核兵器はどうなったのか…。ここまで世界規模の派手に死闘を繰り広げられると、広げ過ぎな感じが否めない。「X-MEN:フューチャー&パスト」「X-MEN:ファースト・ジェネレーション 」と比べると、内容の雑さが目立っていました。前2作ではキューバ危機やベトナム戦争といった時代背景を混ぜていたのでリアリティがあって良かったのですが、本作ではそれが無かったので門足りなさがありました。劇中で「スターウォーズ ジェダイの復讐」を観終わったミュータントたちが「どのシリーズ作品も3作目は駄作だね」という台詞がありましたが、まさに本作もおっしゃる通りかも(笑)
最後はX-MENが集結して強大な敵に立ち向かっていく展開は見慣れた光景。しかしこれこそがカッコいいX-MENなのだから安心して観れる。エンドロール後の映像を観る限り、続編があるようだ。嬉しい事ではあるが一体どこまで続くの??

この作品の評価・・・・★★★★★★☆☆☆☆(満点は★10)
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特捜部Q キジ殺し

2016年08月17日 11時40分34秒 | 映画評論タ行
製作年:2014年
製作国:デンマーク,ドイツ,スウェーデン
日本公開:2016年2月27日
監督:ミケル・ノルガード
出演:ニコライ・リー・カース,ファレス・ファレス,ピルウ・アスベック
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特捜部Qの刑事カールのデスクに、なぜか20年前に捜査終了したはずの双子惨殺事件のファイルが置かれていた。何者かの意図を感じたメンバーたちは再捜査に乗り出し、事件当時に重要情報を知る少女キミーが失踪していた事実にたどり着く。すぐにキミーの行方を追いはじめる一同だったが、キミーを探し続けている人物は他にもいた…。
デンマークの人気作家ユッシ・エーズラ・オールスンによる世界的ベストセラー「特捜部Q」シリーズの映画化第2弾。コペンハーゲン警察署の未解決事件捜査班「特捜部Q」に配属された個性的な刑事たちの活躍を描く。ミケル・ノルガード監督をはじめ前作のスタッフ・キャストが再結集し、「ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女」のニコライ・アーセル&ラスムス・ハイスタバーグが脚本に参加。「天使と悪魔」のニコライ・リー・カースが主人公カール役を、「ゼロ・ダーク・サーティ」のファレス・ファレスが相棒アサド役を引き続き演じた。

「特捜部Q」シリーズの映画化第2弾!とは言うものの、このシリーズを存じ上げなかったので1作目を観ずに本作を鑑賞。どうやら未解決事件を扱う刑事たちのお話らしい。20年前に起きた双子惨殺事件の真相を追う刑事達ですが、結構ムチャな行動をして捜査をしていきます。カールの暴走も、相棒のアサドがいるからこそ成り立つ。でも後半は2人とも暴走気味だったような(笑)真相は中盤で明らかになるのですが、刑事が犯人をいかに追い詰めていくかが見どころ。犯人たちの残虐性。そして罪の重さを知った時の悲しみと復讐。少女キミーが抱える心の闇を知った時は切なくなりました。暗くて重いけれどサスペンスミステリー映画として合格です。最後まで観たが“キジ殺し”の意味が分からなかった…

この作品の評価・・・・★★★★★★★☆☆☆(満点は★10)
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ジャングル・ブック

2016年08月15日 01時18分14秒 | 映画評論サ行
製作年:2016年
製作国:アメリカ
日本公開:2016年8月11日
監督:ジョン・ファヴロー
出演:ニール・セディ 声の出演:ビル・マーレイ,ベン・キングズレー,イドリス・エルバ
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モーグリは、生まれて間もなくジャングルに取り残されてしまう。黒ヒョウのバギーラから母オオカミのラクシャに託された彼は、愛情に包まれながら自然の厳しさと生き抜くための知恵と術を学んでいく。やがて少年となって動物たちと幸せな日々を過ごしていたモーグリは、人間に恨みを抱くトラのシア・カーンと出会う。シア・カーンから人間である自分の存在が、ジャングルやそこに住む動物たちの脅威になると言われ…。
ラドヤード・キプリングによる名作を実写化したアドベンチャードラマ。ジャングルで黒ヒョウとオオカミに育てられた少年が、一匹のトラとの出会いを通して壮大な冒険に身を投じる。監督は『アイアンマン』シリーズなどのジョン・ファヴロー。主演は2,000人もの候補から抜てきされた新星、ニール・セティ。ベン・キングズレー、ビル・マーレイ、スカーレット・ヨハンソンなどのスターが、動物たちの声を務める。動物と自然の風景の全てを創造した最先端CGに圧倒される。

ジャングルの中で育てられた少年モーグリが、壮大な冒険へと身を投じる物語。何と言ってもCGの技術レベルの高さに驚かされます。モーグリ以外は全てCGなのですが、ジャングルの風景や動物たちの毛並など、どこを見ても自然な感じで本物に見えてしまうほど。ただストーリーとしては普通かなと思いました。モーグリがジャングルの中で成長して、最後は人間界へ戻るのかと思っていましたが、ジャングルへ戻るのかい(笑)モーグリの意思が見えづらかった。少年が色んな動物たちと闘っているような映画でしたが、平凡ながらも最後まで楽しめる作品だと思います。ラストのシア・カーンとの闘いまで予想通りの流れ。人間界との繋がりや、人間の脅威をもっと深く描いていたら、さらに楽しめたかなと思います。まぁディズニー映画らしいハッピーエンドで安心です。

この作品の評価・・・・★★★★★★☆☆☆☆(満点は★10)
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オートマタ

2016年08月10日 18時41分58秒 | 映画評論ア行
製作年:2013年
製作国:ブルガリア/アメリカ/スペイン/カナダ
日本公開:2016年3月5日
監督:ガベ・イバニェス
出演:アントニオ・バンデラス,ビアギッテ・ヨート・ソレンセン,メラニー・グリフィス
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太陽風の増加が原因で砂漠化が進み、人類存亡が迫りつつある2044年。人間に代わる労働力としてオートマタと呼ばれる人工知能搭載ロボットが人々の生活に浸透していた。さらに、生命体に危害を加えない、自身で修理・改善しないというルールが製造時に組み込まれており、人間との共存に支障が出ないシステムが確立されていた。そんな中、オートマタ管理者ジャックは彼らが自発的に修理を行っていたのを知って驚く。その首謀者と目的を探る彼だが、思わぬ事実に突き当たる。
ゴヤ賞やサン・セバスチャン国際映画祭などに出品されたSFサスペンス。人間に代わる労働力として人工知能搭載ロボットが使われている近未来を舞台に、ロボットたちの異変に気付いた男の姿を追う。監督は、『シャッター ラビリンス』などのガベ・イバニェス。『マスク・オブ・ゾロ』などのアントニオ・バンデラス、『ゴースト・ハウス』などのディラン・マクダーモットらが顔をそろえる。人工知能が発達する未来を予見したような物語に加え、随所でさく裂する迫力のアクションも見もの。

人間に代わる人工知能ロボットが使われている近未来を舞台に、ロボットたちの暴走を追う男の物語。ロボットが自らの感情を持って暴走する設定は「アイ,ロボット」と何となく似ていますが、違うところは砂漠化が進んだ世界が舞台であること。人類滅亡がかかった大きなテーマであるにもかかわらず、内容がのんびりと言うか。主人公のジャックをロボットのやり取りがずっと続くので、ちょっと物足りなさを感じる。結局、ロボットとの共存は必要なのか、答えが見えないまま終わってしまったかんじです。ロボットがどこまで進歩したのかも見えづらい。ロボットたちが作り出したロボットが…まさかのゴキブリ!?映像はすごくリアルで良かったです。派手さはないけど、荒廃した世界で繰り広げられる人間とロボットの共存に向けた戦いは新鮮でした。

この作品の評価・・・・★★★★★☆☆☆☆☆(満点は★10)
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家族はつらいよ

2016年08月05日 16時22分49秒 | 映画評論カ行
製作年:2016年
製作国:日本
日本公開:2016年3月12日
監督:山田洋次
出演:橋爪功,吉行和子,西村雅彦,夏川結衣,中嶋朋子,林家正蔵,妻夫木聡,蒼井優
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長男・幸之助の一家、次男・庄太と3世代で同居をする平田家の主、周造。妻・富子の誕生日であることを忘れていたことに気付き、彼女に何か欲しいものはないかと尋ねてみると、何と離婚届を突き付けられる。思わぬ事態にぼうぜんとする中、金井家に嫁いだ長女・成子が浪費癖のある夫・泰蔵と別れたいと泣きついてくる。追い掛けてきた成子の夫の言い訳を聞いていらついた周造は、思わず自分も離婚の危機にあることをぶちまけてしまう。
『男はつらいよ』シリーズや『たそがれ清兵衛』などの名匠・山田洋次監督によるコメディードラマ。結婚50年を迎えた夫婦に突如として訪れた離婚の危機と、それを機にため込んできた不満が噴き上げる家族たちの姿を描く。ベテラン橋爪功と『御手洗薫の愛と死』などの吉行和子が騒動を引き起こす夫婦にふんし、その脇を西村雅彦、夏川結衣、妻夫木聡、蒼井優といった実力派が固めている。彼らが繰り出す濃密なストーリー展開に加え、笑いをちりばめながら家族の尊さを表現する山田監督の手腕も見もの。

熟年離婚をテーマにした山田洋次監督によるコメディードラマ。出演者は「東京家族」そのまま。日常のよくある家族の生活の中で繰り広げられるドタバタなお話は、観ていてとても重い白いです。男の考え方と、女の考え方って、歳を重ねても違うもんだなぁと実感。言わなきゃ分からない。言っても分からない。男女の関係って複雑だ(笑)離婚という重い問題ながらも、家の中で起きる話し合いや喧嘩は、どこかほのぼのしていて、あまり危機感がない。予想通りのオチではあります。でもまぁ、こういう映画もたまには観たくなる。細かな笑いがちょいちょいあって、最後まで飽きずに観れました。登場人物それぞれの考え方や想いがあって、よく描かれていたと思います。人数多いわりには家が狭くない?(笑)

この作品の評価・・・・★★★★★★☆☆☆☆(満点は★10)
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ディスクローザー

2016年08月04日 10時19分24秒 | 映画評論タ行
製作年:2013年
製作国:オーストラリア/アメリカ
日本公開:2016年2月20日
監督:マシュー・サヴィル
出演:ジョエル・エドガートン,ジェイ・コートニー,トム・ウィルキンソン

ある事件で手柄を立てた刑事マルは同僚たちと酒を飲み、ほろ酔い加減で車を運転していた途中、自転車に乗った子供をはねてしまう。動転した彼は発見者を装い通報するが、新任刑事ジムは、その様子に疑念を抱き単独で捜査を進める。そんなジムに対し、上司カールは捜査を止めようとする。
子供がはねられた交通事故をめぐり、3人の刑事たちの葛藤や思惑、狂気が交錯していくクライムドラマ。飲酒運転で子供をひいてしまう主人公には『エクソダス:神と王』などのジョエル・エドガートンがふんし、脚本も手掛けた。独自に事件を捜査する新任刑事に『ターミネーター:新起動/ジェニシス』などのジェイ・コートニー、上司を『イン・ザ・ベッドルーム』などのトム・ウィルキンソンが演じる。

交通事故を巡って3人の刑事たちの葛藤を描いた本作。飲酒運転によって少年を轢いてしまったマル。彼が咄嗟についた嘘によって状況は一変していきます。自分を守るために言ってしまった嘘によって、悲しむ人たちがいる…。正義と嘘の間で苦悩するマルの姿を見ると、自分も同じ状況になった時に同じことをしてしまうのではないかと思ってしまう。正義を貫き通しても、嘘を貫き通しても、その先に待っているのは悲しむ人たち。自分ではどうにも出来ないほど、マルはしてはいけない事をしてしまった。マルが少年の見舞いに行った時に少年の母親に言った言葉。そこから母親は全てを察知します。真実を知ってしまった母親の気持ちを考えると、何とも言えない辛さを感じる。新任刑事のジムの正義も、上司のカールの正義も、全てを人を幸せに出来るわけではない。でも亡くなった少年が少しでも救われるように、真実は明らかにするべきなのだ。
派手な展開は無いものの、最後まで見逃せない作品でした。

この作品の評価・・・・★★★★★★☆☆☆☆(満点は★10)
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ルドルフとイッパイアッテナ

2016年08月03日 15時15分01秒 | 映画評論ヤラワ行
製作年:2016年
製作国:日本
日本公開:2016年8月6日
監督:湯山邦彦/榊原幹典
声の出演: 井上真央,鈴木亮平,大塚明夫,水樹奈々,八嶋智人,古田新太
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ひょんなことから最愛の飼い主とはぐれてしまった黒猫のルドルフは、偶然乗り込んだトラックに揺られて大都会東京にたどり着く。ルドルフは、その辺り一帯を仕切るボス猫のイッパイアッテナと知り合い、自分もノラ猫として生きる決意をする。
斉藤洋の児童文学を基に、井上真央、鈴木亮平らが声優として参加した感動のアニメーション。田舎から東京に来た小さな黒猫と都会の大きなボス猫の出会いと、彼らの友情を描く。『ポケットモンスター』シリーズなどの湯山邦彦が監督を務め、脚本を『妖怪ウォッチ』シリーズなどに携ってきた加藤陽一が担当。対照的な二匹を中心に展開する物語に引き込まれる。

試写会にて鑑賞。児童文学を基にした作品で、イッパイアッテナの声を演じた鈴木亮平がテレビで「号泣しました!」と言っていたので、期待して観ました。んー、正直言ってこの内容じゃ何も感動しない。迷子になったルドルフと、ボス猫のイッパイアッテナの交流を描いているわけですが、どうも2匹の友情がいつから深くなったのか分かりづらかった。ルドルフが前向きに行動をして、辿り着いた場所で仲間と仲良くしようとする勇気は良かったと思うけど、文字を書いたり本を読んだり、高速道路のサービスエリアを覚えちゃうところは、ちょっとどうかなと思います。猫なのだから、猫らしい行動で飼い主のところに戻って欲しかった。車のナンバープレートを見て「あっ岐阜だ!」なんて違和感が(笑)それとルドルフ、猫なのに走ったあとでハァハァしないでよ…。これ3Dで公開する意味あるかな?
夏休みに子供たちが観るには丁度いいかもしれません。僕は楽しめませんでしたが…。

この作品の評価・・・・★★★★☆☆☆☆☆☆(満点は★10)
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ロスト・バケーション

2016年08月02日 01時52分54秒 | 映画評論ヤラワ行
製作年:2016年
製作国:アメリカ
日本公開:2016年7月23日
監督:ジャウマ・コレット=セラ
出演:ブレイク・ライヴリー,オスカル・ハエナダ
official site

休暇で秘境のビーチに来た医者のナンシーは、サーフィンを楽しんでいた最中に脚を負傷する。何とか近くの岩場にたどり着いたものの、ナンシーの存在に気が付いたサメが周囲を旋回していた。海岸までおよそ200メートルだが、その岩場が満潮で海面下に沈むまであと100分。危機的な状況に追い込まれたナンシーは…。
サーフィン中に負傷し満潮時には海に沈む岩場に取り残されたヒロインが、危険な人食いサメに狙われるパニックサスペンス。サメの恐怖や、時間とともに上昇する海面という悪夢のような状況で繰り広げられる決死のサバイバルを、『ラン・オールナイト』などのジャウマ・コレット=セラ監督が緊張感たっぷりに活写する。周りに誰もいない海で絶体絶命の窮地に陥ったヒロインを、ファッションアイコンとしても注目を浴びているブレイク・ライヴリーが熱演。

今までも、そしてこれからも作られ続けるであろうサメ映画。主人公が生き残るだろうなというオチは予想できていました。しかしながら、このサメ映画は結構面白かった。サメに襲われたり、助けに来た人や悪い奴が喰われたり…王道の展開は守りつつ、サメの姿をあまり映さないでストーリーが進んでいく展開は緊張感MAX!そして後半の立て続けに襲ってくるサメ。サメの容赦ない執拗な襲撃に観ているこちらまでドキドキ。医学生の主人公が自分で傷を縫っちゃうシーンもイタタタタッ…。頭が良いサメも驚きだが、極限状態の中でとっさに思いつくナンシーもまた頭良すぎる。普通に考えればこんなに上手い具合に生き延びられるとは思えないし、ツッコミどころはあるものの。夏に観る娯楽映画としては合格です♪海の美しさに惹かれましたが、こんなの観た後じゃ海なんて入りたくない(笑)86分の短い上映時間ですが、中身がぎゅっと詰まった作品でした。
ブレイク・ライブリーは美しさを見れただけでも満足です。

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