股間の解放記

普通の社会人PEKOの、日々思うことをつづっていきます。

おくりびと

2008年08月27日 02時51分38秒 | 映画評論ア行
製作年 : 2008年
製作国 : ドラマ
2008年9月13日公開
監督 : 滝田洋二郎
出演 : 本木雅弘,広末涼子,余貴美子,吉行和子,笹野高史,山崎努
official site

求人広告を手にNKエージェントを訪れた大悟は、社長の佐々木から思いもよらない業務内容を告げられる。それは“納棺”、遺体を棺に納める仕事だった。戸惑いながらも、妻の美香には冠婚葬祭関係=結婚式場の仕事と偽り、納棺師の見習いとして働き出す大悟。美人だと思ったらニューハーフだった青年、幼い娘を残して亡くなった母親、たくさんのキスマークで送り出される大往生のおじいちゃん…そこには、さまざまな境遇のお別れが待っていた。
ご遺体を棺に納める納棺師。一見地味で触れがたいイメージの職業をテーマにしながらも、日本映画を代表するスタッフ・キャストがユーモアを絶妙に散りばめて、愛すること生きることを紡ぎだす異色の感動作を誕生させた。ひょんなことから納棺師になった主人公が、さまざまな死に向き合うことで、そこに息づく愛の姿を見つめていく。メガホンをとったのは『木村家の人々』『バッテリー』『壬生義士伝』の、日本映画を代表する監督・滝田洋二郎。新人納棺師・大悟を演じるのは本木雅弘。現代に生きる日本人の等身大の姿をコミカルかつ繊細に演じ切る。そして、ベテラン納棺師・佐々木を演じるのは、飄々とした風貌と深みのある演技で圧倒的な存在感を放つ山崎努。
今年1番の感動作!らしいです。以前からちょっと気になってた作品で、試写会が当たったので行ってきました。納棺屋さんを描いた作品で、キャストも文句無しです♪ストーリーは地味ながらも“人の死”というテーマについて考えさせられる内容だったと思います納棺師という仕事があることに、この映画を観て初めて知り、尊敬しました。確かに家族や恋人がこういう仕事をしてたら“うーん…”って思うかもしれないけど、旅立ちのお手伝いが出来るなんて、亡くなられた人や、その遺族にとっては、本当に感謝感謝だよね。「人生最後の買い物は他人が決める」なんてセリフが印象的でした♪もうちょい泣けるかなと思ったけど涙は出ずたぶん嫌な話だけど、自分の家族とか死んで、また観たら泣いちゃうと思いますでも良い話なので観る価値はあります!!

この作品の評価・・・・76点
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大いなる陰謀

2008年08月26日 00時56分21秒 | 映画評論ア行
製作年 : 2007年
製作国 : アメリカ
2008年4月18日公開
監督 : ロバート・レッドフォード
出演 : トム・クルーズ,メリル・ストリープ,ロバート・レッドフォード
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ベテラン・ジャーナリスト、ジャニーン・ロスは、未来の大統領候補と目されるジャスパー・アーヴィング上院議員の独占インタビューに赴き、対テロ戦争の新作戦について知らされる。同じ時刻、カリフォルニア大学の歴史学教授マレーは、優秀であるのに勉学に身が入らない学生トッドを呼び出し、志願兵となった教え子2人の話を始める。そして、アフガニスタンでは志し高い2人の若き兵士が最前線に送られていた。
7年ぶりの監督作でロバート・レッドフォードは、無関心でいることの罪悪と自分自身で考えることの重要さを強く訴える。『キングダム/見えざる敵』のマシュー・マイケル・カーナハンによる脚本は、ワシントンDC、カリフォルニア、アフガニスタンの3つの場所で展開するスリリングで濃密な対話劇だ。野心に満ちたエリート政治家と百戦錬磨のジャーナリストを演じるのは、製作総指揮も兼ね今までにない役柄への挑戦となったトム・クルーズと名優メリル・ストリープ。レッドフォード自ら演じるマレー教授の教え子に『クラッシュ』のマイケル・ぺーニャと『きみの帰る場所/アントワン・フィッシャー』のデレク・ルークが扮している。
まさに社会派映画と言った感じ。3つの物語が同時進行で進んでいくのだけど、実はその3つが交差していたりして。いまのイラク戦争など、結構考えさせられることが多かったです。とくに戦地へと向かった2人の大学生。ロバート・レッドフォード演じる教授の制止を振り切って戦地へ行った2人の若者。彼らが何故そこまでして国への愛国心を持っているのかが理解し難かったですが、彼らの勇気には感動しました。そんでもって、その作戦を指揮したのがトム・クルーズ演じる上院議員なのだけど、この議員の行動も何だか理解しがたいまぁつまり簡単に言えば、日本人向けの映画ではなかったと思います!!何が正義か?何が平和か?そんな感じのことが言いたかったんじゃないかな。内容の割にはタイトルが合ってない気がします…

この作品の評価・・・・67点
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ザ・フィースト

2008年08月25日 03時28分21秒 | 映画評論ハ行
製作年 : 2006年
製作国 : アメリカ
2008年3月22日公開
監督 : ジョン・ギャラガー
製作 : マット・デイモン,ベン・アフレック,ウェス・クレイヴン
出演 : バスサザール・ゲティ,ヘンリー・ロリンズ,ナヴィ・ラワット
official site

テキサスの荒野にあるうらぶれたバー。常連たちがクダを巻いている中に、突然ショットガンを抱えた血まみれの男がやって来た。「何者かがやってくる! 早くバーを封鎖しろ!」と叫ぶ男。しかし客たちはあっけにとられるばかり。すると窓の外から伸びてきた“何か”が、刹那の内に男の身体をバラバラに引き裂いた。続いてバーに男の妻が駆け込んでくる。彼女の指示で客たちはバーの封鎖を実行するが……。
小さなバーの中というほぼワンシチュエーションで繰り広げられるモンスターパニック映画。元々マット・デイモン&ベン・アフレックが設立した映画制作会社がプロデュースする新人発掘番組から生まれた作品だ。低予算ゆえにかつてのグラインドハウス映画のような手触りだが、アイディアと勢いは抜群。登場数秒で主人公候補が死んだかと思うと、続くは怒涛の殺戮の嵐。そして今度は密室の人間ドラマが始まるという、計算づくのカオスな展開が待っている。その先で語られるのは、モンスターより怖い“真の怪物”の存在だ。血しぶき飛び交うスプラッターシーンもたっぷり。B級ホラー好きにはたまらない作品だ。
この映画、ある意味すごいと思う。最初からB級映画として観ればきっと楽しめる(?)。B級映画ならではの「えっ何で?」が満載ですwまず根本的に、あの怪物が何者なのか、何故に怪物たちはBARをしつこく襲うのだろうか?もっとデッカい街を襲えばいいじゃんって冷静に思うのですが…。そして救世主としてBARに来た、いかにも主人公です的な男は話の冒頭で死ぬし普通は死にそうにない子供が、いきなり食われるし極めつけは怪物たちの性行為…。人間様と同じようなことをして、子供を生むなんて下品にもほどがあるって他にも登場人物たちが変人がちょくちょく混ざっていて、「ホントにお前ら助かりたいと思ってるのか?」って思うぐらいコメディ映画っぽいです。つまらないってわけじゃないけど、観るほどのものでもありません続編があるらしいけど、これ以上、話を広げないでほしいです…

この作品の評価・・・・58点
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アポカリプト

2008年08月24日 01時41分04秒 | 映画評論ア行
製作年 : 2006年
製作国 : アメリカ
2007年6月16日公開
監督・製作・脚本 : メル・ギブソン
出演 : ルディ・ヤングブラッド,ダリア・ヘルナンデス,ジョナサン・ブリューワー

マヤ文明後期の中央アメリカ。ジャガー・バウは部族長の父や妻、幼い息子、仲間たちとともに平和な日々を送っていた。しかしその平和は突然崩れ去ってしまう。村がマヤ帝国の傭兵に焼き討ちされたのだ。目の前で父を殺されたジャガーは、捕まって都会へと送られる。各地で捕縛された人間が奴隷として売り買いされる都会。そこで彼を待っていた運命は、あまりにも過酷なものだった…。
『ブレイブハート』や『パッション』で、監督として人々を驚きに満ちた世界へと誘ったメル・ギブソンの最新作。後期のマヤ文明を舞台に、1人の男の戦いを描いていく。徹底したリサーチで得られた情報とイマジネーションを駆使して、当時のマヤを生き生きと再現。セリフも全てマヤ語で撮影され、リアリティあふれる映像を作り上げた。とはいえ本作は決して歴史考証的なものではなく、全体的にはダイナミックなエンターテイメント。特に後半の躍動感あふれる追跡シーンは手に汗を握る。メル・ギブソンは「本能に訴える映画を作りたかった」と語ったそうだが、まさにその通りの、皮膚に生々しい感覚が伝わるような作品に仕上がった。
『パッション』を見た衝撃は忘れられません。メル・ギブソン監督の待望の最新作。やはり今回も「おぉ~」と思わせるような作品に驚きました。マヤ文明の時代の話ですが、テーマは「愛」だと思います。大切な人のために走る姿がカッコよかったですね♪っていうかほとんどが走って逃げているシーンなので1パターンかもしれませんグロいシーンが結構あるけど、そこは仕方無い。実際にあの時代は大量の生贄を捧げてたらしいので、ゾっとするわなラストがあっけなく終わってしまったのが残念です。もうちょい内容を濃くして欲しかった気がしますねー

この作品の評価・・・・74点
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イントゥ・ザ・ワイルド

2008年08月20日 02時00分02秒 | 映画評論ア行
製作年 : 2007年
製作国 : アメリカ
2008年9月6日公開
監督・脚本 : ショーン・ペン
原作 : ジョン・クラカワー
出演 : エミール・ハーシュ,キャスリーン・キーナー,ヴィンス・ボーン
official site

1992年4月、一人の青年がアラスカ山脈の北麓、住む者のない荒野へ徒歩で分け入っていった。4ヶ月後、ヘラジカ狩りのハンターたちが、うち捨てられたバスの車体の中で、寝袋にくるまり餓死しているその青年の死体を発見する。彼の名はクリス・マッカンドレス。ヴァージニアの裕福な家庭に育ち、2年前にアトランタの大学を優秀な成績で卒業した若者だった。知性も分別も備えた、世間から見れば恵まれた境遇の青年が、なぜこのような悲惨な最期を遂げたのか?
すべてを捨てアラスカへと放浪の旅へ出た裕福な青年の心の軌跡を描いた人間ドラマ。ショーン・ペンが監督を務め、原作は冒険家ジョン・クラカワー著のノンフィクション小説「荒野へ」。前途有望な未来を捨て自由を選択したすえに悲惨な最期を遂げる若者を演じるのは『ロード・オブ・ドッグタウン』のエミール・ハーシュ。『ダーティハリー2』のハル・ホルブルックが、愁いをたたえた老人の役で登場。青年が足を踏み入れていく、美しくも厳しいアメリカの大自然の映像も圧巻。
地味な作品にもかかわらず2時間半という長時間だったので、途中で眠くなりました裕福な家庭に生まれながらも、自分の物や地位、全てを捨ててアラスカへと旅に出る青年。もちろん最初は「あー勿体無いなー」なんて思っていたけど、少しずつ彼の心の中にある影の部分が明らかになっていくにつれて、「なんかその気持ち分かるなぁー」なんて共感できる部分もありました映画なのに、この物語は完結していないように感じます。だけど完結していないからこそ、彼が伝えたかったメッセージの捉え方っていうのは、私たち観客1人1人違うんじゃないかと思います。彼の旅は決して無意味なものではなく、社会や両親への反抗や何かを伝えたいという気持ちで、ひたすらにアラスカへと向かったと思います。旅の途中で出会った人々はきっとクリスにとって生涯忘れられ名ない家族の以上の存在だったはずです。最期に辿りついたクリスの居場所…、死に方を見れば「えっ…そんなぁ…」と思いましたが、きっとクリスは幸せだったんじゃないかな。旅に出なきゃ知りえなかった“本当に大切なもの”を彼は手に入れたはずです。これが実話なのだから、すごいよホント自分も1人旅に出たいと思うけど、ここまでは出来ないな
壮大な自然の美しさの映像も見所の1つです♪ぜひご覧あれ!

この作品の評価・・・・75点
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ラストゲーム 最後の早慶戦

2008年08月19日 23時58分56秒 | 映画評論ヤラワ行
製作年 : 2008年
製作国 : 日本
2008年8月23日公開
監督 : 神山征二郎
出演 : 渡辺大,柄本明,石坂浩二,藤田まこと,富司純子,柄本佑,原田佳奈
official site

昭和18年。戦争が激化する中、練習に励む早稲田大学野球部の若者たち。六大学野球はすでに解散が決定しており、来るべき学徒出陣に備えるように圧力がかけられていた。そんな中、顧問の飛田のもと選手たちは、出陣のその日まで野球を続けると誓っていた。部員の戸田は父親から厳しく詰られながらも、兵隊に志願した兄の言葉を胸に、合宿生活を続けていた。そんなある日、慶應の小泉が飛田のもとに早慶戦を申し込みにやってくる…。
太平洋戦争のさ中、野球は敵国アメリカの国技だという理由で六大学野球は解散を余儀なくされる。そして、学業優先で徴兵を猶予されていた学生たちも戦争に駆り出される、学徒出陣はすぐそこに控えていた―。そんな時、戦場に赴く前の最後の願いとして行われた“出陣学徒壮行早慶戦”の、実現までの紆余曲折が描かれる。やがて死地へ向かう選手たちが、試合中、悦びに満ちた表情を見せるたび、哀しさが胸を突く。試合後の両校応援団によるエール合戦には涙を禁じえないだろう。本作が凡百の青春映画ではないポイントの一つとして、選手たちを見つめる顧問・飛田の真摯な描き方が挙げられる。演じる柄本明の“熱さ”は大きな見どころだ。
舞台挨拶付きの試写会で鑑賞。渡辺大さんは渡辺謙の息子だけあってカッコよかったですテーマは「戦争と野球」。戦争映画はどれだけ心にグっとくるかが高評価に繋がると思うのですが、残念ながら本作品はキャストの良さの割には野球と戦争が上手く組み合わされてなかったです戦争に行けば帰れないと分かっているからこそ「生きた証を残したい」最後に試合をしたいと願う選手たちと先生。その気持ちには感動したけど、試合シーンの盛り上がりのなさが目立ったりしました。個人的には野球がどうとかより戦争についてもっと描いて欲しかったなと思いました。戦争の悲しさを感じたのがラストの本物の映像だけだったので、それを途中途中で入れてくれても良かったんじゃないかなと思いました。出演者の中で一番良かったのは母親役の富司純子。この人は他の作品を観ても存在感あって良いですよー。主題歌の鬼束ちひろの「蛍」は名曲だと思います!

この作品の評価・・・・68点
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この道は母へとつづく

2008年08月18日 03時36分47秒 | 映画評論カ行
製作年 : 2005年
製作国 : ロシア
2007年10月27日公開
監督 : アンドレイ・クラフチューク
出演 : コーリャ・スピリドノフ,マリヤ・クズネツォーワ,ダーリヤ・レスニコーワ
official site

ロシアの片田舎にある孤児院では、裕福なイタリア人夫婦に引き取られることが最上の幸せであり、誰もが選ばれる日を夢見ていた。ある日、ようやく6歳のワーニャにそのチャンスが巡ってくる。ところが、自分がイタリアへ去ったたあと、もしほんとうのママが会いに来たらどうなるのだろうと不安が芽生えたワーニャは、まず、年長の少女に字を習い、こっそり出生記録を調べ、実の母を探すため一人孤児院を脱走する。
子どもは大人のように絶望したりしない。生きるのに必死でそんな暇はないのだ。貧困ゆえに道義心も枯れ果てた孤児院長や、抜け目なく金儲けに徹する養子縁組みの仲介業者らをよそに、子どもたちは大人を当てにせずに生きてゆく知恵を身につけ、図太くたくましい。主人公の愛くるしいワーニャにしても、哀れを誘う不幸な少年というわけではない。一念岩をも通すガッツで危機また危機の連続を乗り越え、奇跡を呼び寄せるのだ。実話をもとにした本作で、ささやかな希望がもたらす幸せの可能性を示したのは、ロシアの新鋭監督アンドレイ・クラフチューク。05年のベルリン国際映画祭少年映画部門グランプリに輝いている。
まさに「母をたずねて三千里」で、ありきたりな話でした。なんでこんな極寒の地なんだ?と思ったら作ったのがロシアなんだね…納得時代がいつなのか分かりませんが孤児たちは盗みだったり援助交際みたいなことをしてるのは驚きでしたでも、ありがちな作品ではあるけれど、決して悪くはなかったと思います。母親に会いたいという純粋な気持ちが伝わってきましたネタバレになるけど、ラストの母親との再会した時の表情がすごく可愛いかったです♪でもラストはもうちょい長めに感動を味わいたかったかな。

この作品の評価・・・・72点
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告発のとき

2008年08月17日 18時39分19秒 | 映画評論カ行
製作年 : 2007年
製作国 : アメリカ
2008年6月28日公開
監督・脚本・製作 : ポール・ハギス
出演 : トミー・リー・ジョーンズ,シャーリーズ・セロン,スーザン・サランドン
official site

2004年、ハンクの元に息子のマイクが軍から姿を消したと連絡が入る。イラクから戻ったマイクが基地へ戻らないというのだ。ハンクも引退した元軍人だった。息子の行動に疑問を持ったハンクは基地のある町へと向かう。帰国している同じ隊の仲間たちに聞いても、皆マイクの行方を知らなかった。やがてマイクの焼死体が発見されたという連絡が入る。ハンクは地元警察の女刑事エミリーの協力を得て、事件の真相を探ろうとするが…。
初監督作品『クラッシュ』でアカデミー作品賞を受賞したポール・ハギスだが、その前年には『ミリオンダラー・ベイビー』で脚本賞を受賞している実力派。その後も『父親たちの星条旗』『硫黄島からの手紙』などの脚本を書き上げている。本作は、息子を失った父親が真実を探っていくというミステリー仕立てだが、他のハギス作品同様に派手さを廃した重厚な人間ドラマになっている。物語がラストに近づいた時、我々はこの物語が単なる謎解きではなく、重々しいテーマを含んだものであることを知るのだ。そしてそれは主人公ハンクの、今までの価値観をくつがえす結末であることも。父親ハンクを演じるトミー・リー・ジョーンズの演技がすばらしい。
さすがポール・ハギス!「ミリオンダラー・ベイビー」で脚本賞、「クラッシュ」で監督賞を受賞したポール・ハギスなのだから、つまらないわけがないよね主演は缶コーヒーのCMでお馴染みのトミー・リー・ジョーンズ。やはりアカデミー賞俳優だけあって演技は素晴らしかったです。話としては地味で、大きな展開はありませんが、この独特の世界観は見応えがありました!息子マイクが脱走したとの連絡きて、父ハンクは息子を探しにいく。ハンクは軍から息子の携帯電話を盗み、その携帯電話の映像を解析し始める。ただの脱走か?それとも何かの事件に巻き込まれたか?そんな時、息子マイクのバラバラ死体が発見される。そこからハンクは事件の真相を知ろうとする…。サスペンスというジャンルでありながらも、戦争による人間の狂気を描いていたり悲惨さも感じられる。息子の帰りを願う母親の姿が印象的でしたきっと今でも世界のどこかで、こんな家族がいるのだと思うと悲しくなりますね…。正義とは何か。平和とは何か。観て損はない作品です

この作品の評価・・・・78点
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あるスキャンダルの覚え書き

2008年08月15日 03時50分19秒 | 映画評論ア行
製作年 : 2006年
製作国 : イギリス
2007年6月2日公開
監督 : リチャード・エアー
出演 : ジュディ・デンチ,ケイト・ブランシェット,ビル・ナイ
official site

ロンドン郊外の中学で歴史を教えるバーバラは、厳格で辛辣な性格から教え子だけでなく同僚からも疎まれ、孤立していた。そんなある日、若く美しい美術教師シーバが赴任してくる。「彼女こそ、私が待ち望んだ女性」と直感したバーバラは、彼女をこっそりと観察しては毎夜日記に“報告”していた。計画的にシーバに近付き、親しくなっていくバーバラ。だがそんなある日、シーバと15歳の教え子のセックス現場を目撃し…。
主要キャストのジュディ・デンチとケイト・ブランシェットが、そろって米アカデミー賞の主演女優賞&助演女優賞にノミネートされた話題作。映画はベテラン教師・バーバラの目線で綴られていくが、ストーリーが進むにつれ、冷徹で客観的だと思われていた彼女の語りが、あまりに主観的で事実とかけ離れたものだと判明していく。積年の孤独に心を蝕まれた老女の妄想と暴走が、恐ろしくも醜く、そして悲しい。また幸せな家庭がありながら道を踏み外していくシーバが、見た目は平凡で大人しそうなところも、逆にリアリティがあって怖い。自らの戯曲を映画脚本化した『クローサー』で脚光を浴びたパトリック・マーバーの、深く鋭いセリフもスキャンダラス!
評判が良かったので見ました。たしかに衝撃的というか新鮮というか、教え子と関係を持つ教師をケイト・ブランシェットが演じきっていたと思いました。そしてジュディ・デンチもまた素晴らしい!「自分と似た人間」だから、傍に置いておきたい。その気持ちは理解できなくもない。そしてその相手に裏切られた時、人はどんな手を使ってでも引きとめようとする…。女って怖い生き物だなぁ~と率直に感じました(笑)バーバラは同性愛者だけど自覚がなく、シーバを自分のモノにしようと必死になっていくが、シーバは教え子との愛に溺れていく…。なんだか切ないと言っていいのか怖いと言っていいのか…。とにかく見応えがある作品でしたね

この作品の評価・・・・72点
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パンズ・ラビリンス

2008年08月11日 04時03分01秒 | 映画評論ハ行
製作年 : 2006年
製作国 : メキシコ=スペイン=アメリカ
2007年10月6日公開
監督 : ギレルモ・デル・トロ
出演 : イバナ・バケロ,セルジ・ロペス,マリベル・ベルドゥ,ダグ・ジョーンズ
official site

1944年、内戦終決後のスペイン。父を亡くした少女オフェリアは、身重の母と共にゲリラが潜む山奥で暮らし始める。そこは母が再婚したフランス軍のビダル大尉の駐屯地だった。体調の思わしくない母を労りながらも、冷酷な義父にどうしても馴染めないでいた彼女の前に妖精が現れ、森の中の迷宮へと導く。そこではパン(牧神)が王女の帰還を待っていた。オフェリアは魔法の王国に戻るために3つの試練を与えられるのだった。
少女は生き延びるために迷宮の世界へ降りて行った。そうしなくてはならないほど現実の世界は残酷だったから。第79回アカデミー賞で撮影・美術・メイクアップの3部門に輝いたのをはじめ、世界各地で絶賛された本作は、『ヘルボーイ』の監督ギレルモ・デル・トロが卓越したイマジネーションと映像センスを駆使して生み出したダークでビターなファンタジーだ。恐怖で支配し、殺し合いに血道を上げる過ちを何度でも繰り返してきた人間社会の本質的な愚かさと、厳しい試練に果敢に挑むヒロインの冒険譚を見事に融合させている。オフェリアそのもののイバナ・バケロの健気さ、ビダルを演じたセルジ・ロペスの恐ろしさも絶品。
ファンタジー色が強い作品なのかと思ったら結構グロいシーンもあったりなんかして、戦争も盛り込まれていました。戦時中でも信じることを忘れずにお伽の国を守ろうとした少女。なんかそんな姿に勇気をもらった気がします。あっでも…お伽の国を食べ物は食べちゃ駄目って言われたくせに、普通に食べてたのはどうかと思うなぁ…そのせいで妖精が殺されちゃったわけだし。ラストの終わり方はなかなか良かったと思う。まぁ少女も結局は戦争に巻き込まれた1人なわけだけど、別の世界で生き続けるっていうのは、やっぱりファンタジーって感じがして良かったです特殊メイクは確かに素晴らしかった!でもファンタジーというわりには内容がグロかったので子供より大人向けの作品だと思います

この作品の評価・・・・76点
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88ミニッツ FBI異常犯罪分析医ジャック・グラム

2008年08月10日 02時28分15秒 | 映画評論ア行
製作年 : 2007年
製作国 : アメリカ
2008年3月22日公開
監督 : ジョン・アヴネット
出演 : アル・パチーノ,アリシア・ウィット,リリー・ソビエスキー
official site

ある朝、FBI異常犯罪分析医で大学教授のジャック・グラムの元に、猟奇殺人事件が発生したと連絡が入った。その手口は9年前にジャックが分析を担当し刑務所へと送った、フォースターのものと告示している。しかも被害者は自分の教え子デイルだった。ジャックは秘書のシェリーにデイルの過去24時間の行動を洗うように命じる。その時、彼の携帯に謎の電話がかかってきた。通話相手は言う。「お前の命はあと88分だ」と……。
タイトルの「88ミニッツ」とは、主人公のジャック・グラムに宣告された“死までの時間”。その限られた時間に脅迫されながら猟奇殺人犯の正体を追う男の姿を描いたがこの作品だ。この88分が映画の中でもほぼリアルタイムに進んでいくため、より一層の緊迫感を味わえるサスペンスアクションに仕上がった。主演は言わずと知れた名優アル・パチーノ。不遜で好色、しかし犯人の罠に絡めとられていく分析医を、荒々しい演技で表現。他を圧倒する存在感はさすがと言うしかない。その周囲をアリシア・ウィットやエイミー・プレネマンら女優陣が彩る。監督は『フライド・グリーン・トマト』の名匠ジョン・アヴネットが務めた。
上映時間が88分だと思ったら…2時間弱でした(笑)こういう時間制限がある作品って、どれだけ時間内に観客を引き付けて驚かせる演出が出来るかが問題なんだろうけど、本作はそういう緊迫感が感じられませんでしたというより緊迫感を感じる前に話がややこしい出てくる女性の名前がみんな同じように思えて、電話で誰が誰にあーだこーだ言われても「えっ?誰だっけ?」って思っちゃう。そしてもうちょい話に深みが欲しかった。犯人がどうも素人っぽくて電話で「お前の命はあと88分だ」っていかにもっていう犯人声してるのだから、もっと猟奇的殺人犯を描いて欲しかったです。てか犯人役の女優さん、どっかで観たんだけど思い出せない…

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ちーちゃんは悠久の向こう

2008年08月08日 04時29分40秒 | 映画評論タ行
製作年 : 2007年
製作国 : 日本
2008年1月19日公開
監督・脚本 : 兼重淳
出演 : 仲里依紗,林遣都,堀部圭亮,西田尚美,高橋由真
official site

ちーちゃんとモンちゃんは小さい頃から仲良しの幼馴染。高校に進学した二人は偶然同じクラスに。昼休みには、ちーちゃんの手作り弁当を一緒に食べるくらいいつも仲良しだ。弓道部に入部したモンちゃんは、3年生の部長・武藤さんがちょっと気になっている。そんな武藤さんも、何かとモンちゃんを気にかけてくれる。一方、オカルト研究会に入ったちーちゃんは高校に伝わる「七不思議」の秘密を探ることにする…。
原作は、ライトノベル界の新鋭・日日日(あきら)が手がけ、新風舎文庫大賞を受賞した話題作。恋愛、ファンタジー、ホラーなどさまざまな要素を取り混ぜた不思議な世界観を醸し出している。全編にちりばめられた些細な疑問が、ラストで大きな衝撃とともに解消されるところは、ブルース・ウィリス主演のハリウッドのとある作品と相通じるものがある。ちーちゃんを演じる仲里依紗は、劇場アニメ『時をかける少女』のヒロインの声優としてデビューを果たした新星。モンちゃん役の林遣都は、『バッテリー』の主役が記憶に新しいイケメンの少年。鋭さと繊細さを兼ね揃えた眼差しが印象的だ。
出演者皆さん、演技に疑問を感じました…まぁそこは置いといて、ストーリーとしてはLOVEファンタジーってやつですかね。高校生ならではの恋っていうのを感じました。物語が切なくて、ラストの展開でより切なくなりますラストの桜の木の下でのシーンはかなり印象深かったですね。けどあの展開は主人公にとっては良かったのかは疑問です大袈裟な演出もあったりしますがファンタジーだから仕方ないのかな。

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グミ・チョコレート・パイン

2008年08月08日 04時26分44秒 | 映画評論カ行
製作年 : 2007年
製作国 : 日本
2007年12月22日公開
監督・脚本 : ケラリーノ・サンドロヴィッチ
原作 : 大槻ケンヂ
出演 : 石田卓也,黒川芽衣,柄本佑,金井勇太,森岡龍
official site

高校2年生の賢三は、アンダーグラウンドなロックが好きな音楽少年。他のクラスメートを低俗な奴らと嘲り、「オレはアイツらとは違う」と思いながら、何をしていいか分からず、毎夜、親友二人と酒を飲んでは悶々と過ごしていた。ある日、薄暗い名画座で同じクラスの美甘子と会う。秘かに彼女に憧れていた賢三は、美甘子が自分と同じ側の人間であることを知る。自分の中で何かが変わった賢三は、親友二人とバンドを組むことに…。
大槻ケンヂ原作の同名の小説を、ケラリーノ・サンドロヴィッチが映画化。アングラなロックと映画に傾倒することをアイデンティティとしている少年たちの、恋とバンドに試行錯誤する青春ストーリー。映画、音楽ファンなら主人公と同じ気持ちが分け合える人が多いのでは?特に、80年代に青春時代を過ごし「自分は人とは違う」と息巻いたのに、平凡な人間に落ち着いてしまったと思っている人なら、心に熱いものを感じるだろう。主演は石田卓也、黒川芽衣、柄本佑ら。柄本佑のオタク少年ぶりは見事。地味だかその他、高橋ひとみ、山崎一、犬山イヌコ、竹中直人ら一癖もふた癖もある俳優が脇を固め、若手実力派を囲んで楽しそうに毒を吐いている。
甘酸っぱくて、ちょっとエッチな青春映画。これがなかなか面白かった!リストラで会社をクビになり実家に戻ってきた主人公・賢三は、ある手紙を見つける。そこにはある言葉が…。昔の友達に会ううちに、その手紙の真相が分かっていくっていう現在と過去の物語。普通の高校生の恋に何だか共感しちゃったり、男の子だからこその悩みがあって良かったです♪みんなとワイワイしてるけど「俺はお前らとは違うんだ」って思う主人公とヒロイン。「映画見るよりもっと2人で映画について語りたい」なんて言ってくれる女の子いたら最高だよね(笑)ちょっと時間が長かったのが残念…
人生はグミ・チョコレート・パイン!

この作品の評価・・・・78点
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ドラゴン・キングダム

2008年08月07日 04時59分48秒 | 映画評論タ行
製作年 : 2008年
製作国 : アメリカ
2008年7月26日公開
監督 : ロブ・ミンコフ
出演 : ジャッキー・チェン,ジェット・リー,マイケル・アンガラーノ
official site

伝説の如意棒と共にアメリカ・ボストンから不思議な世界へと飛ばされた青年ジェイソン。彼は危ないところを酔拳の達人ルー・ヤンに助けられ、共に如意棒を孫悟空の元へ返す旅に出た。悟空の敵であるジェイド将軍の妨害に会いながらも道を進んでいく一行。そんな彼らのもとに謎の僧侶サイレント・モンクが現れ、如意棒を奪い去ってしまう。ルー・ヤンはサイレント・モンクを追走、やがて2人は激しい戦いを演じ始め……。
中国をモチーフとした世界で繰り広げられるファンタジーアドベンチャー。孫悟空を解放して世界を救うため、如意棒を手に旅をする青年の戦いと成長を描いていく。主人公はあくまでマイケル・アンガラーノ演じる青年なのだが、それ以上に注目を集めてしまうのが当代きってのカンフーの達人、ジェット・リーとジャッキー・チェン。アクション俳優としてもカリスマ的存在である2人の初共演が実現とあっては、他がかすむのは致し方ない。かたや『少林寺』のような僧衣姿で、方や酔拳の使い手として臨む2人のバトルシーンは、スピード、テンポ、技のキレともに別次元。その見事さは瞬きすることすらもったいなく感じるほどだ。
ジェット・リーとジャッキー・チェン、あまり好きじゃない俳優2人も出てれば、きっとマイナスとマイナスでプラスになるんじゃないかと思って観ましたが、大した事なかったです(笑)アクション満載なのにどこか平凡な展開。孫悟空の可愛げの無さに驚いたり、ワイヤーアクションの微妙さに驚いたりしました(笑)一応、主人公はアメリカ人の青年ですが、修行して強くなったと言ったもののジェット・リーやジャッキー・チェンという大物2人に囲まれたら、強くなったのかどうかも分かりづらいだったら最初からジャッキー・チェンが主人公にすりゃあいいのに…。白髪魔女が出てきたときは安っぽさを感じたしもうちょい丁寧に描いてくれれば楽しめた惜しい作品だったと思います

この作品の評価・・・・68点
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椿三十郎

2008年08月06日 04時24分30秒 | 映画評論タ行
製作年 : 2007年
製作国 : 日本
2007年12月1日公開
監督 : 森田芳光
出演 : 織田裕二,豊川悦司,松山ケンイチ,鈴木杏,佐々木蔵之介,風間杜夫
official site

深夜の社殿の中で、井坂伊織ら9人の侍が上役の汚職を暴き出そうと密談していた。意気が上がる若侍たちの前に社殿の奥から1人の浪人が現れた。粗末な身なりに口も悪く、腹が減っていると見える。しかし、話を聞くうちに、井坂は浪人に類のない頭の切れを感じ、仲間に加わって欲しいと頼む。反対する侍もいたが、井坂は三十郎と名乗るその素浪人にえもいわれぬ魅力を感じていた…。
黒澤明監督の名作『椿三十郎』が森田芳光監督の手により、時代を超えて帰って来た。主演は、織田裕二、豊川悦司ら今の映画界をリードする若き侍たちだ。ある夜、密談する若侍たちの前に現れた男は、一見、無精ひげを生やした素浪人だが、類まれなユーモアで人を挽き付け、卓越した知識と剣の腕前で危難をなぎ倒していく。三船三十郎が威圧感でグイグイ引っ張って行くのに対し、織田三十郎は、協調性で若侍たちを惹き付ける。時代の違いこそあれ、理想のリーダーとしての三十郎を作り上げている。また、仲代達矢が演じた室戸半兵衛を豊川悦司が颯爽と好演している。脇を固める風間杜夫、小林稔侍、藤田まことらの演技合戦も見ものだ。
映画館に観に行こうと思い、黒澤明監督の「椿三十郎」を観て予習をしましたが結局映画館に行かず…。DVDでの鑑賞となりました。いやっ、まぁ単純に楽しめた作品だったと思います!だって脚本が脚本ですから面白くないわけないじゃんまぁ黒澤監督の方がやはり演出は素晴らしい!この作品をリメイクしたってことだけでも勇気あると思うよ。織田裕二の椿三十郎は確かに上手いし存在感あると思うけど三船敏郎の椿三十郎には勝てませんね血しぶきが飛ばないところは世代問わず見れて良いのかな。ごめんなさい、これ以上の感想が思い浮かびません

この作品の評価・・・・75点
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