股間の解放記

普通の社会人PEKOの、日々思うことをつづっていきます。

MINAMATA-ミナマタ-

2021年09月30日 18時27分38秒 | 映画評論マ行

製作年:2020年
製作国:アメリカ
日本公開:2021年9月23日
監督:アンドリュー・レヴィタス
出演:ジョニー・デップ,真田広之,國村隼,美波,加瀬亮,浅野忠信
映画『MINAMATA―ミナマター』公式サイト

1971年、ニューヨークに住むフォトジャーナリストのユージン・スミス(ジョニー・デップ)は、過去の栄光にすがり酒に溺れる日々を送っていた。そんな折、日本のカメラマンとその通訳を務めるアイリーン(美波)が彼のスタジオを訪れる。アイリーンは日本の大企業チッソが工業排水を垂れ流した結果人々が病に倒れていると語り、ユージンに病気で苦しむ彼らの取材をしてほしいと訴える。
日本における水俣病の惨事を世界に伝えたアメリカの写真家、ユージン・スミス氏の日本での取材を描くヒューマンドラマ。1971年から1974年の3年間にわたり、水俣で暮らしながら公害に苦しむ人々の日常と、闘いの日々を撮影した写真家を描く。『ホワイト・クロウ 伝説のダンサー』などの製作を務めたアンドリュー・レヴィタスが監督を手掛け、『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズなどのジョニー・デップが主演を務め、真田広之、國村隼、美波、加瀬亮らが共演する。

日本四大公害のひとつ、水俣病の事実を世界に伝えたアメリカの写真家・ユージン・スミス氏と、企業と争う市民の姿を描いた本作。小学生の社会科の授業で水俣病を勉強した記憶があります。その時は「昔、こんな公害があったのかぁ」くらいの感想しか持っていませんでした。日本人でありながら、何も知らなかった自分が恥ずかしいです。世の中知らないことばかり。
水俣病も怖さは改めて見せつけられた。奇形した手足や、痺れや盲目。病気の症状に苦しみ絶望しながらも、家族のため、未来のために巨大な組織に立ち向かう市民の姿に感動と勇気をもらいました。写真が映し出されるたびに驚かされて気持ちが沈んでしまいそうになったが、写真1枚も目を背けてはいけない。「入浴する智子と母」は悲しみと同時に美しささえ感じた。写真で真実を伝え、写真で世界を救える。何万人もの人たちが被害を受けて、勝訴のために闘い続ける姿に胸打たれました。
水俣病の問題を描いているのに加えて、ユージン・スミスのジャーナリストとしての成長や過去のトラウマから抜け出そうとする葛藤も描かれていて、ハリウッド映画らしさも感じさせる見せ方も上手い。欲を言うと、被害者側の視点は細かく描かれているが、加害者側(チッソの社員など)の視点も深く掘り下げて欲しかったところ。
本来ならば、日本が作るべき映画。政府やチッソの社長は「解決した」と発言しているが、今でも水俣病で苦しんでいる人がいる。50年経った今でも解決していない。公害について学ぶ良いキッカケになるし日本人ならば観るべき映画の1つだと思います。当時の写真や映像もあり、非常にリアリティを感じました。今も世界で起きている公害。二度と水俣のような悲劇を起こしてはいけない。
ユージン・スミスを演じたジョニー・デップの演技が素晴らしい。ジョニー・デップは破天荒なキャラクターよりも、こういう役の方が好きだ。

この作品の評価・・・・★★★★★★★☆☆☆(満点は★10)
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メインストリーム

2021年09月29日 22時57分51秒 | 映画評論マ行

製作年:2021年
製作国:アメリカ
日本公開:2021年10月8日
監督:ジア・コッポラ
出演:アンドリュー・ガーフィールド,マヤ・ホーク,ナット・ウルフ
映画『メインストリーム』オフィシャルサイト

YouTubeに動画をアップロードしているフランキー(マヤ・ホーク)は、ネット上での成功を夢見るが、さえない日々を抜け出せずにいた。ある日、風変わりな青年リンク(アンドリュー・ガーフィールド)と出会った彼女は、作家志望の友人ジェイク(ナット・ウルフ)を巻き込み本格的に映像製作を開始。リンクの破天荒な言動を撮った動画をYouTubeにアップすると、予想外の再生数と高評価を記録し、3人はSNS界でもてはやされていく。名声を得る一方で、リンクの言動は過激さを増していく。
インターネットの世界で成功を夢見る若者たちの行方を描いた問題作。YouTubeにアップロードした動画をきっかけに一躍人気者となるも、さらなる評価を求めて暴走していく。メガホンを取ったのは『パロアルト・ストーリー』などのジア・コッポラ。過激なYouTuberとなっていく主人公を『アメイジング・スパイダーマン』シリーズなどのアンドリュー・ガーフィールド、彼と出会い運命が狂いだすヒロインをユマ・サーマンとイーサン・ホークの娘マヤ・ホークが演じるほか、『キル・チーム』などのナット・ウルフらが共演する。

Filmarksさんのオンライン試写会にて鑑賞。アンドリュー・ガーフィールドの隣に、見たことある人がいるなぁと思ったらローラでした。SNSの世界で成功を掴もうとする若者たちの夢と現実を描いた本作。SNSが身近な存在になった現代社会。誰もが“有名になりたい”“大金を手に入れたい”“大勢の人に評価されたい”とSNSに依存するようになっている人も多いはず。皆が承認欲求を持っているはず。
しかし期待していた内容とは違っていて、主人公の狂気や暴走がメインで描かれていました。主人公の破天荒なキャラクターも、もう少し共感できる部分があれば良かったのですが、ただの頭のおかしい人という印象しかありません…。もっとSNS依存や、SNSでの誹謗中傷などの社会問題と、その解決への糸口みたいなものを見たかったので、余計な要素が色々入り込んでいて観終わった後でスッキリはできませんでした。あの終わり方は果たして正解なのでしょうか?でも“成功するためには手段を選ばない”という人間の愚かさと、SNSが人の人生を変えてしまう怖さは感じました。どこの国にも過激なYouTuberっているのよね。
アンドリュー・ガーフィールドってスパイダーマンとは正反対の、破天荒なキャラクターもよく似合う!見事な怪演でした!

この作品の評価・・・・★★★★★☆☆☆☆☆(満点は★10)
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マスカレード・ナイト

2021年09月27日 17時15分36秒 | 映画評論マ行

製作年:2021年
製作国:日本
日本公開:2021年9月17日
監督:鈴木雅之
出演:木村拓哉,長澤まさみ,小日向文世,梶原善,泉澤祐希,石橋凌,渡部篤郎
映画『マスカレード・ナイト』公式サイト

ある日、警察に匿名の密告状が届く。それはホテル・コルテシア東京で大みそかに開催されるカウントダウンパーティー“マスカレード・ナイト”に、数日前に起きた殺人事件の犯人が現れるというものだった。パーティー当日、捜査のため再びフロントクラークとしてホテルに潜入した刑事・新田浩介(木村拓哉)は、優秀なホテルマン・山岸尚美(長澤まさみ)の協力を得て任務に当たる。しかし、500人の招待客は全員仮装し顔を仮面で隠しており、二人は殺人犯の特定に苦戦する。
東野圭吾のミステリー小説シリーズを、木村拓哉と長澤まさみの共演で映画化した『マスカレード・ホテル』の続編。カウントダウン仮装パーティーが開催されるホテルを舞台に、招待客の中に紛れ込んだ殺人犯を逮捕すべく、破天荒な潜入捜査官と優秀なホテルマンが奮闘する。メガホンを取るのは前作に続き『HERO』シリーズなどの鈴木雅之。そのほか小日向文世、梶原善、石橋凌、渡部篤郎といった前作からのキャストをはじめ、中村アン、田中みな実、石黒賢、沢村一樹、勝村政信らが新たに出演する。

東野圭吾のミステリー小説シリーズ『マスカレード・ホテル』の続編。今回も豪華な俳優陣が勢揃いで皆が怪しい!「お客さまを信じる」ホテルマンとしてプライドと、「お客さまを疑う」警察としてのプライドが対立する構図は観ていてとても面白くて感心しちゃいました。立場は違えど、それぞれに譲れない信念があって素敵。無理難題を押し付けてくるお客さまに対して「無理です」とは絶対に言わずに、要望に応えようとするホテルマンには尊敬しちゃう。こんなホテルあったら泊まりたい。田中みな実のために揚げた大量の風船だけど、あれってチェックアウトまで揚げてたのかな?と気になってしまった。
「あれ?この役にこの人使うってことは、この人が重要人物でしょ!」と犯人がバレバレだった前作とは違って、今回は最後まで犯人が分かりませんでした。しかし犯人の動機がいま一つ弱かったように感じました。犯人の生い立ちや、密告者側の描写も細かく描かれていないために感情移入しづらかった。まぁ楽しめたけど、もう少しハラハラドキドキ感も欲しかったところ。伏線が張り巡らせていて推理しながら観ると楽しめるでしょう。登場人物が多いせいか不倫だの色々あって人間関係の複雑。頭が弱い僕は途中で疲れてしまいました…。でもやっぱりキムタクはカッコいい。

この作品の評価・・・・★★★★★☆☆☆☆☆(満点は★10)
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ジョゼと虎と魚たち

2021年09月24日 18時52分49秒 | 映画評論サ行

製作年:2020年
製作国:日本
日本公開:2020年12月25日
監督:タムラコータロー
声の出演:中川大志,清原果耶,宮本侑芽,興津和幸
アニメ映画『ジョゼと虎と魚たち』公式サイト

幼いころから車椅子生活で一日のほとんどを家の中で過ごしているジョゼは、ひょんなことから海洋生物学を専攻する大学生の鈴川恒夫と出会う。卒業後に留学すべくアルバイトに精を出す恒夫は、ジョゼの祖母からあるアルバイトを依頼される。自分の話し相手となった恒夫にジョゼは毒舌をふるうが、彼はひるむことなく率直に向き合い、やがて二人は心の距離を縮めていく。
2003年に実写映画化された芥川賞作家・田辺聖子の青春恋愛小説を劇場アニメ化。車椅子生活をしていたジョゼが大学生と出会い、外の世界へ飛び出す。監督をアニメ「ノラガミ」シリーズなどのタムラコータロー、脚本を『ストロボ・エッジ』などの桑村さや香、キャラクターデザインと総作画監督を『たまゆら』シリーズなどの飯塚晴子が手掛ける。

芥川賞作家・田辺聖子の青春恋愛小説の劇場アニメ作品。2003年の実写版を観た記憶はありますが内容は忘れました…。
留学を夢見る男子大学生と、車椅子で生活する女性の交流を描いた青春恋愛作品。障がい者と健常者。ふとしたキッカケで出会うことになった恒夫とジョゼ。生活のリズムや、価値観の違いがありながらも互いに助け合いながら徐々に心の距離が縮まっていく展開はとても素敵でした。視点を変えれば世界は広がっていく。同じに見える海だって誰かと一緒に見れば無限の世界が広がっていくのかもしれない。ジョゼが外の世界に出たいと知った恒夫の優しさに、男の僕でも惚れてしまうよ(笑)ジョゼには恒夫が必要で、恒夫にはジョゼが必要。そんな関係性が観ていて羨ましかったです。ジョゼが物語が進むにつれて可愛くなっていきました!
でも勝手にいなくなって、ジョゼのせいで事故にあって重傷を負って留学のチャンスも逃した恒夫の気持ちを考えると可哀相でならない。自分だったら一生許せないかも。でも優しい恒夫だから、辛い状況でもジョゼを気遣えるって凄い。ほんと、男でも惚れちまう(笑)
恒夫が事故に巻き込まれてからのジョゼの気持ちも複雑だったろう。“自分のせいで…”と思ったジョゼはピンチをチャンスに変えた。紙芝居のシーンでちょっと泣いてしまった。諦めない気持ち、自分の殻を破って進んでいく気持ち、夢を追い続ける気持ち。観ればきっと前向きになれる作品だと思います。
展開としてはご都合主義のあるあるシーンが多めな気がしましたが、映像の綺麗もあって最後まで楽しめました♪

この作品の評価・・・・★★★★★★☆☆☆☆(満点は★10)
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ザ・スイッチ

2021年09月20日 15時42分00秒 | 映画評論サ行

製作年:2020年
製作国:アメリカ
日本公開:2021年4月9日
監督:クリストファー・ランドン
出演:ヴィンス・ヴォーン,キャスリン・ニュートン,アラン・ラック
映画『ザ・スイッチ』公式サイト

さえない毎日を送る地味な女子高生ミリー(キャスリン・ニュートン)は、指名手配中の連続殺人鬼ブッチャー(ヴィンス・ヴォーン)に襲われ鋭利な凶器で突き刺されてしまう。やがて彼女が意識を取り戻すと、なんと中年男のブッチャーと体が入れ替わっていた。24時間以内に入れ替わりを解かないと一生元の姿に戻れなくなるミリーは、自分の体を取り戻すため、女子高生姿で大量殺人を企てるブッチャーに立ち向かう。
気弱な女子高生とシリアルキラーの体が入れ替わってしまうホラー。24時間以内に入れ替わりを解かなければ永遠に中年殺人鬼の姿で生きることになる女子高生が、自分の体を取り戻すべく奔走する。『名探偵ピカチュウ』などのキャスリン・ニュートンと『ドッジボール』などのヴィンス・ヴォーンが一人二役に挑み、『セラとチーム・スペード』などのセレスト・オコナーらが出演。『ゲット・アウト』などを手掛けてきたジェイソン・ブラムが製作、『ハッピー・デス・デイ』シリーズなどのクリストファー・ランドンが監督を務めた。

女子高生と殺人鬼の体が入れ替わってしまうホラー映画。B級映画の空気を感じるような始まり方でしたが、ヒロインと殺人鬼が入れ替わる設定が面白くて所々笑ってしまいました。ヴィンス・ヴォーンの動きが笑える!それでいて結構なグロさなので、ホラー映画ファンも楽しめると思います。ホラー映画なんだけどコメディでもあり、青春モノでもあり。女子高生の気弱さ、シリアルキラーの怖さ、女性の強さ…入れ替わることで色んな視点から楽しむことができます。気弱だった高校生が、人として成長して強くなった姿が素敵でした。でもミリーの体で結構な人数殺したけど、後から罪に問われないのかな?
『ハッピー・デス・デイ』とは、また違った新しいホラー映画を楽しめました♪B級ホラー映画のオマージュも多し。役者さんの演技も上手い!しかし血が苦手な人はおススメできません。

この作品の評価・・・・★★★★★★☆☆☆☆(満点は★10)
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護られなかった者たちへ

2021年09月18日 18時26分55秒 | 映画評論マ行

製作年:2021年
製作国:日本
日本公開:2021年10月1日
監督:瀬々敬久
出演:佐藤健,阿部寛,清原果耶,林遣都,永山瑛太,緒形直人,倍賞美津子
映画『護られなかった者たちへ』公式サイト 10.1(FRI)魂が、泣く。

東日本大震災から9年が経った宮城県の都市部で、被害者の全身を縛った状態で放置して餓死させるむごたらしい連続殺人事件が起こる。容疑者として捜査線上に浮かんだのは、知人を助けるために放火と傷害事件を起こし、刑期を終えて出所したばかりの利根(佐藤健)。被害者二人からある共通項を見つけ出した宮城県警の刑事・笘篠(阿部寛)は、それをもとに利根を追い詰めていく。やがて、被害者たちが餓死させられることになった驚くべき事件の真相が明らかになる。
映像化もされた「さよならドビュッシー」などの中山七里の小説を原作にしたミステリードラマ。宮城県で発生した連続殺人事件の容疑者となった青年と、彼を追う刑事の姿から日本社会が抱える格差の実態を浮き彫りにする。監督は『楽園』などの瀬々敬久。『るろうに剣心』シリーズなどの佐藤健、『のみとり侍』などの阿部寛のほか、清原果耶、倍賞美津子、吉岡秀隆、林遣都らが出演する。

試写会にて鑑賞。東日本大震災から9年後の宮城県を舞台に、猟奇的な殺人事件の容疑者として疑われた青年と、彼を追う刑事の姿から日本社会の闇を描く本作。観終わったあとで、自分の生き方を考えさせられる作品。“観て良かった”の一言で片づけられる映画ではない。震災、殺人事件、生活保護…9年前のあの日、全てが変わってしまった。居場所も、思い出も、大切な人も失って、その怒りや悲しみをどう整理していいのかも分からない。それでも人は生きていかなければならない。そして人は一人では生きていけない。震災の時もそうだし、このコロナ禍だからこそ、人との繋がりの大切さを観ていて深く感じました。利根とケイさん、カンちゃんのように、血の繋がらない同士でも本当の家族のように助け合える関係って素敵だな。
震災をベースにしているものの、本作は“生活保護”について細かく描かれています。生きる上での国民の権利であるものの、生活保護を受けるのは恥だと感じる者もいれば、嘘をついて不正受給をする者もいる。優しさや善人、人格者というだけじゃ全員を救うことなんて出来ない。この映画に悪人は一人もいないのかもしれない。そして世の中には完璧な善人もいないのかもしれない。必死で生きなければいけないからこそ、何が正しいのかも分からず観ていて胸が苦しくなりました。皆があの日から痛みや苦しみを抱えて生きているんだなと感じました。声をあげられる人もいれば、あげられない人もいる。でも“死んでいい人なんていないんだ”。重く暗い展開の中にも、少しだけ希望が見えたラスト。伏線も回収されていました。
時系列が過去や現在に行ったり来たりするので少々混乱してしまいました。フィクションではあるけれど、東日本大震災について今一度考えさせられる良質な作品。護られるべき人が護られる世界になってほしい。“おかえりなさい”って一言で人は救われる。
とにかく出演者の演技が素晴らしかった!!

この作品の評価・・・・★★★★★★★☆☆☆(満点は★10)
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21ブリッジ

2021年09月15日 18時30分25秒 | 映画評論タ行

製作年:2019年
製作国:中国/アメリカ
日本公開:2021年4月9日
監督:ブライアン・カーク
出演:チャドウィック・ボーズマン,シエナ・ミラー,ステファン・ジェームズ
公式サイト

マンハッタン島で、8人の警察官が殺害される事件が発生する。かつて警察官だった父親を殺害されたデイビス刑事(チャドウィック・ボーズマン)は、全面封鎖されたマンハッタンで調べを進めていくうちに、思いがけない事件の真実にぶち当たる。窮地に立たされた彼は、たった1人で事件の背後に隠されたニューヨークの闇と向き合うことになる。
完全封鎖されたニューヨークのマンハッタン島を舞台に描くクライムアクション。強盗殺人事件の犯人逮捕のため、刑事がその背後に隠された真相に迫る。『ブラックパンサー』などのチャドウィック・ボーズマンが刑事にふんし、『アベンジャーズ』シリーズなどのアンソニー・ルッソとジョー・ルッソ兄弟が製作を手掛け、『ファクトリー・ガール』などのシエナ・ミラーや『ジョン・カーター』などのテイラー・キッチュらが共演している。

チャドウィック・ボーズマンの最後の主演作。彼の演技をもう見れないと思うと寂しいです。癌の進行を隠しながら撮影に臨んだそうですが、病気とは思えないほどのアクションに魅了されました。
強盗殺人の犯人を追う刑事が、事件の背後に隠された真相に迫るクライムアクション。アクションの迫力もあり、スピード感もあり、緊張感もある展開はとても楽しめました。コカイン強盗から始まり、警察内部の汚職事件が徐々に明らかになっていく流れは少々ご都合主義の部分もあり、王道でありがちな部分もありますが、巨大な陰謀に巻き込まれながらも正義を貫こうとするデイビス刑事の姿はとても素敵でした。タイトルを“21本の橋”にしたけど、橋の封鎖がそこまで重要なものでもなかったような?日本の警察はレインボーブリッジ1本すら封鎖できないのに、アメリカは一瞬で21本もの橋を封鎖できちゃうんだから凄い!
完成度も高いし緊張感もあるし観終わったあとにスッキリする作品ではありました。いやっ、この際ストーリーはどうだっていい!チャドウィック・ボーズマンの最後勇姿を見れただけで満足です。

この作品の評価・・・・★★★★★☆☆☆☆☆(満点は★10)
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モンスターハンター

2021年09月13日 16時27分39秒 | 映画評論マ行

製作年:2020年
製作国:アメリカ
日本公開:2021年3月26日
監督:ポール・W・S・アンダーソン
出演:ミラ・ジョヴォヴィッチ,トニー・ジャー,ティップ・“T.I.”・ハリス,山崎紘菜
『映画 モンスターハンター』公式サイト

砂漠を偵察中のアルテミス(ミラ・ジョヴォヴィッチ)率いるエリート部隊は、突如発生した巨大な砂嵐に巻き込まれてしまう。突風と激しい稲光の中で気を失ったアルテミスが意識を取り戻すと、そこは世界の裏側にある異世界だった。
世界的にヒットしたカプコンのゲームを『バイオハザード』シリーズなどを手掛けたポール・W・S・アンダーソン監督が実写映画化。アンダーソン監督の妻ミラ・ジョヴォヴィッチを主演に迎え、モンスターが存在する異世界に迷い込んだ戦闘軍のサバイバルを描く。『マッハ!』シリーズなどのトニー・ジャー、ラッパーのティップ・“T.I.”・ハリス、『殺し屋』などのロン・パールマン、ドラマ「平成物語 なんでもないけれど、かけがえのない瞬間」などの山崎紘菜らが出演。

大人気ゲームをハリウッドが実写化した本作。ゲームに疎い僕は、もちろん未プレイです。何の予備知識も無い状態での鑑賞です。未プレイの者が観た感想ですので、そこらへんは予めご了承ください。
どこまでゲームを忠実に再現しているのか分かりません…分かりませんけど、特に新鮮さもないモンスター映画だったなという印象です。仲間がどんどん死んでいく。そりゃあモンスターをハンターする映画ですから、話の流れとしては仕方ないのでしょうけどね…。でもパラレルワールドの設定も説明不足だし、あんなに至近距離で、しかも肉弾戦で戦うなんて勝てるはずがない。ミラ・ジョヴォヴィッチこそが最強のモンスターなんじゃないかと思うくらい怪我もしないし強すぎる。ポール・W・S・アンダーソン監督と主演ミラ・ジョヴォヴィッチですから、所々『バイオハザード』感がありました。黒幕はアンブレラ社じゃないかと期待してしまう(笑)モンスターの迫力はあったけど、ストーリーは無きに等しい。この内容で続編を作っていって大丈夫なのかな?

この作品の評価・・・・★★★★☆☆☆☆☆☆(満点は★10)
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空白

2021年09月12日 12時04分38秒 | 映画評論カ行

製作年:2021年
製作国:日本
日本公開:2021年9月23日
監督:吉田恵輔
出演:古田新太,松坂桃李,田畑智子,藤原季節,趣里,伊東蒼,寺島しのぶ
映画『空白』公式サイト

スーパーの化粧品売り場で万引きしようとした女子中学生は、現場を店長の青柳直人(松坂桃李)に見られたため思わず逃げ出し、そのまま国道に飛び出してトラックと乗用車にひかれて死亡してしまう。しかし、娘の父親(古田新太)はわが子の無実を信じて疑わなかった。娘の死に納得できず不信感を募らせた父親は、事故の関係者たちを次第に追い詰めていく。
古田新太と松坂桃李が共演を果たしたヒューマンドラマ。万引きを目撃され逃走中に車と衝突した女子中学生の死をめぐり錯綜する、被害者の父親と事故に関わる人々の姿を描写する。『新聞記者』『宮本から君へ』などを手がけてきたプロデューサーの河村光庸が企画し、河村が携った『愛しのアイリーン』などの吉田恵輔が監督と脚本を担当する。関係者全員が被害者にも加害者にもなり得る物語が映し出される。

試写会にて鑑賞。万引きを目撃されて逃走中に車にはねられて死んだ女子中学生。娘の万引きを信じられない父親はモンスターと化していき、関係者を追い詰めていくのです。じわじわ恐怖や絶望がくるような不思議な映画でした。この映画には様々な人物が登場します。その人たちの感情を考えながら感じながら観ていくと、この映画がさらに面白くなると思います。スーパーで働くおせっかいな店員。真実を隠して都合の良いところだけ報道するマスコミ。SNSで面白おかしくネタにするネット民。「一緒に写真撮ってくれませんか?」と無神経に聞いてくる若者。ああ、こういう人たちって実際にいるよね…と思わず納得してしまいました。自分がいつ加害者になるかも被害者にもなるか分からない。自分だから平常心でいられるのだろうか。絶望から自ら命を絶ってしまうかもしれない。相手を殺してしまうかもしれない。人間の弱さや怒りが丁寧に描かれていてとても見応えがありました。何が正解なのだろうか…何が救いなのだろうか…何が正義なのだろうか…それは誰にも分からない。誰を憎んでも、後悔しても愛する娘は帰ってこない。しかし父親は真実を知り、娘が残した絵に救われた。青柳は「ありがとうございました。本当にお疲れ様でした」という何気ない言葉に救われた。何かの小さなキッカケで光が見えて、人はもう一度やり直せるのかもれない。そう思わせてくれたラストはとても良かったです。明日、自分にも起きるかもしれない。誰かが苦しんでしまうかもしれない。でもその“空白”を埋められるような人間でありたいと素直に思いました。人と人との繋がりについて改めて考えさせられました。
古田新太の演技がもう凄すぎ!その威圧感に観ているこちらまで恐怖でした。松坂桃李の繊細な演技もとても良かった!!

この作品の評価・・・・★★★★★★★☆☆☆(満点は★10)
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スパイラル:ソウ オールリセット

2021年09月11日 20時01分56秒 | 映画評論サ行

製作年:2021年
製作国:アメリカ
日本公開:2021年9月10日
監督:ダーレン・リン・バウズマン
出演:クリス・ロック,マックス・ミンゲラ,サミュエル・L・ジャクソン
映画『スパイラル:ソウ オールリセット』公式サイト 9.10(fri)

地下鉄の線路上に宙吊りにされ、舌を固定された男に向かって猛スピードの電車が迫り、男は無残な死を遂げる。それは猟奇犯が警察官をターゲットに仕掛けた、むごたらしいゲームの始まりだった。捜査を担当するジーク・バンクス刑事(クリス・ロック)と相棒のウィリアムは、過激さを増していくゲームに翻弄(ほんろう)されていく。やがて、ジークの父で伝説的刑事のマーカスの行方がわからなくなる。
猟奇殺人鬼ジグソウが仕掛ける残虐な殺人ゲームを描くシチュエーションスリラー『ソウ』シリーズの世界を一新した新章。ジグソウを連想させる新たな猟奇犯が登場し、捜査に当たる刑事たちを追い詰めていく。監督は同シリーズ3作を手掛けたダーレン・リン・バウズマン、製作陣にはシリーズを生み出したジェームズ・ワン、リー・ワネルらが名を連ねる。製作総指揮も兼任する『トップ・ファイブ』などのクリス・ロックが主人公を演じ、マックス・ミンゲラ、マリソル・ニコルズ、サミュエル・L・ジャクソンらが共演。

殺人鬼ジグソウが仕掛ける残虐な殺人ゲームを描いた大ヒットシリーズの新章。ジグソウの殺人ゲームを真似た模倣犯という設定なので、前シリーズと話は繋がっておりません。SAWシリーズは全て観てきたファンの僕ですが、本作は衝撃度も残虐性も弱すぎる!グロい拷問シーンを観すぎている僕の感覚が麻痺してるだけかもしれないが(笑)しかしまぁ、SAWの良さが活かされていないのです。今回は警察がターゲットということが前提なので、次は誰が狙われるのか!?というドキドキも無い。そして途中で真犯人の見当がついてしまうのが致命的。あんな見せ方されたら気付いちゃうよ!犯人の動機もイマイチ盛り上がらない。肝心のゲームも、「どっちの選択をしても死ぬだろ!」というものばかり。ジグソウ先生から何を教わったのよ!!そう考えるとジグソウの天才っぷりは異常でしたし、1作目の衝撃は凄かった。
これで続編を作っていって大丈夫なのかな?まぁ次も公開されたら観ちゃうんですけど…。
グロさはあるのでSAWシリーズを全く観ていない人にとっては、1つの作品としては楽しめるのかもしれません。サミュエル・L・ジャクソンの無駄遣いですね。ノコギリを出したのはファンサービスなのかしら?

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太陽は動かない

2021年09月05日 14時22分21秒 | 映画評論タ行

製作年:2020年
製作国:日本
日本公開:2021年3月5日
監督:羽住英一郎
出演:藤原竜也,竹内涼真,ハン・ヒョジュ,ピョン・ヨハン,市原隼人,佐藤浩市
映画『太陽は動かない』公式サイト。 http://taiyomovie.jp

秘密組織に所属するエージェントの鷹野(藤原竜也)と相棒の田岡(竹内涼真)は、心臓に爆弾を埋め込まれてしまう。24時間ごとに死の危険が迫る中、人類の未来を左右する次世代エネルギーに関する極秘情報の争奪戦が始まる。各国のエージェントたちを相手にする二人に、次々と困難が降り掛かる。
吉田修一の小説「太陽は動かない」「森は知っている」を原作にしたサスペンスアクション。爆弾を埋め込まれた2人のエージェントが、極秘情報をめぐる頭脳戦に挑む。『暗殺教室』シリーズなどの羽住英一郎がメガホンを取り、『予告犯』シリーズなどの林民夫が脚本を担当。『カイジ』シリーズなどの藤原竜也、ドラマ「過保護のカホコ」などの竹内涼真らが出演する。

爆弾を埋め込まれた2人のエージェントが極秘情報の争奪戦に挑むアクション。ドラマ版は観ていません。海外で大規模な撮影をしたおかげで、アクションシーンの迫力はありました。しかしアクションシーンよりも大事なのは脚本。
色々と詰め込みすぎなのと、説明不足。企業の買収?エネルギー事業?世界的な危機でもないのに、なぜ胸に爆弾を埋めこまれて任務を遂行しなきゃいけないのかが謎。24時間ルールって効率悪くない?予告編では胸の爆弾のことを全面に推してたけど、本編では途中からオマケ要素になっていた気がします。AN通信って結局何者だったのかも分かりませんでした。よくバレずに敵の車に乗り込めたな!とか、よく海上にあるタンカーに乗り込めたな!と、ツッコミ要素も多かった。
観終わってから知りましたがドラマの流れを引き継いでいるので、映画版だけを観た人は置いてけぼりになるのは当然ですね。予備知識が必須。アクションシーンと、幼少期の回想シーンを交互に出す演出は緊張感が途絶えてしまってマイナス点です。幼少期の出来事が最後に大事な要素になるのは分かりましたが、それにしても回りくどい。もっとシンプルな観やすい展開にできないものだろうか。そう考えると「007」や「ミッション・イン・ポッシブル」はよく出来たスパイ映画なのだと再認識する。
藤原竜也も竹内涼真もカッコええなー

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映画クレヨンしんちゃん 激突!ラクガキングダムとほぼ四人の勇者

2021年09月02日 13時33分49秒 | 映画評論カ行

製作年:2020年
製作国:日本
日本公開:2020年9月11日
監督:京極尚彦
声の出演:小林由美子,ならはしみき,森川智之,神谷浩史,山田裕貴,りんごちゃん

地上のラクガキをエネルギーにしている王国ラクガキングダムは、ラクガキが減ったことで崩壊寸前だった。そこで“ウキウキカキカキ作戦”を決行するため、地上に進軍する。ラクガキングダムの姫にミラクルクレヨンを託されたしんのすけは、自分のラクガキから飛び出した頼りにならないヒーロー“ぶりぶりざえもん”らと一緒に戦いに身を投じる。
臼井儀人のコミックを原作にしたアニメの劇場版シリーズ第28作。世界を救うために、ラクガキから飛び出したキャラクターと共にしんのすけが戦う。監督を『ラブライブ!』シリーズなどの京極尚彦、脚本を『セーラー服と機関銃 -卒業-』などの高田亮が京極と共同で担当する。

今年も観ちゃった劇場版クレヨンしんちゃん。ラクガキから飛び出したキャラクターたちと世界を救う、しんのすけたちの冒険を描いた本作。くだらないけど何故か笑ってしまうのがクレヨンしんちゃん!今回も笑わせていただきました。ぶりぶりざえもん、カスカベ防衛隊など、おなじみのキャラクターたちが登場する安心感。それに加えて、ラクガキのナナコだったり、ブリーフなどの新キャラもとても魅力的でした♪皆それぞれに目的や想いがあって戦うのですが、ただ戦うのではなく、互いを認め合って助け合う気持ち。そして大人の意地汚い部分を描いて考えさせれる。このメッセージ性こそが大人でも楽しめる劇場版クレヨンしんちゃんの良さなんですよね。強い方にすぐ付くぶりぶりざえもんが好き(笑)
今回はしんのすけが“ナナコお姉さんを助けたい!”という気持ちだけが前に押し出されているせいか、家族愛だったり仲間との友情の描写が薄めだったのは個人的には残念でした。ラクガキングダムの世界やキャラクター達も、もう少し詳しく見せてほしかった。ユウマ君のエピソードは必要だったかな?細かいところを言うと、あれだけ拒否して逃げてた春日部市民が子供に説教されたくらいで改心するのかな?と思ってしまいました。
やっちゃえば~やっちゃえば~やっちゃえば~♪頭から離れない!

…りんごちゃん元気にしてるかしら?

この作品の評価・・・・★★★★★☆☆☆☆☆(満点は★10)
コメント
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