パピとママ映画のblog

最新劇場公開映画の鑑賞のレビューを中心に、DVD、WOWOWの映画の感想などネタバレ有りで記録しています。

SING/シング★★★★・5

2017年03月21日 | アクション映画ーサ行
「怪盗グルー」シリーズや「ミニオンズ」のイルミネーション・エンターテインメントが声優陣にマシュー・マコノヒー、リース・ウィザースプーン、スカーレット・ヨハンソンはじめ豪華キャストを起用し、音楽と歌の魅力を前面に押し出して描く長編アニメーション。動物だけが暮らす世界を舞台に、それぞれに悩みを抱えた登場人物たちが、地元の劇場で開催されたオーディションに自らの夢と人生を賭けて挑む姿を、60曲を超えるヒットソングや名曲の数々とともに綴る。監督は自身初のアニメ作品となる「銀河ヒッチハイク・ガイド」「リトル・ランボーズ」のガース・ジェニングス。

あらすじ:そこは、動物たちが人間そっくりな生活を送る世界。コアラのバスター・ムーンは潰れかけた劇場の支配人。彼はかつての賑わいを取り戻そうと、歌のオーディションを開催することに。すると劇場で働くおっちょこちょいのミス・クローリーのせいで募集チラシに2ケタ多い優勝賞金額が書かれてしまい、劇場に応募者が殺到する事態に。そうとは知らず大喜びのバクスター。こうして、あがり症の内気なゾウのミーナやパンクロックを愛するヤマアラシの少女アッシュ、ギャング団のボスを父に持つゴリラの青年ジョニーら、様々な思いを胸に秘めた参加者たちが集い、町のオーディションが盛大に始まるのだったが…。

<感想>動物のアニメでは「ペット Pets 」に「ズートピア」ですが、本作で描かれるのは、動物たちのキャラが全開の人生を懸けた再起のミュージカルアニメーションなんですね。どうしても俳優の唄が聞きたくて字幕版で鑑賞。

いやぁ、とても良かったです。字幕版にして観ると、主人公の寂れた劇場の復活に挑む支配人コアラのバスターにはマシュー・マコノヒーが、ナレーター役としても良かった。小さい頃に劇場で見た大スターのナナの歌声に感動し、いつかそんなショーを作りたいと夢見たものの失敗ばかり。それでもめげないバスターがタレント発掘の歌のオーデションを開催することに。残念ながらマコノヒーの歌はないけれど、軽妙な声の演技が役を生き生きとさせている。彼の人生を変えた歌「ゴールデン・スランバー」はジェニファー・ハドソンが圧倒的な歌唱力で聞かせてくれます。

そして、路上ミュージシャンのネズミのマイクは、小柄だけど夢も希望も特大。歌い演じるのは、あの「テッド」の監督のセス・マクファーレン。堂々たるバラードやジャジーな曲が得意で、フランク・シナトラの「マイ・ウェイ」を朗々と歌い上げるオレ様な歌唱力で歌い上げる。ちなみに、セスは、歌手としてグラミー賞にノミネートされているそうだ。

一番に驚いたのが、パンク、ロック好きのヤマアラシのアッシュを演じたのが、スカーレット・ヨハンソン。コンビを組んだ彼の浮気で、ソロを目指す。クライマックスで歌う「セット・イット・オール・フリー」は、この作品のオリジナル曲。セクシーな女優のスカーレット、実はロック歌手の顔も持ち、パワフルなシャウト歌唱は超ホットですからね。

家事や子豚たちの世話に多忙な豚のママ、ロジータには、リース・ウィザースプーンが。何故かダンス自慢のグンター、ニック・ロールと組むことになり、歌って踊って大奮闘。「ヴィーナス」から「シェイク・イット・オフ」まで、パンチの効いた歌声を披露してます。自身がオスカー受賞した「ウォーク・ザ・ライン/君につづく道」(05)で実在の歌手を演じていて、歌唱力は証明ずみ。

ロジータと組む陽気なラテン気質のグンターは、外見はデブだが軽快に踊るダンスを披露してくれる。エネルギッシュな声と達者な歌唱のクロールは、自身のTVコメディ番組から舞台、映画にと活動している。

そして、ゴツい外見に似合わぬ美声を持つジョニーに、タロン・エガートンが。「ザ・ウェイ・アイ・フィール・インサイド」や、特にエルトン・ジョンの「アイ・スティルスタンディング」では、繊細で表情豊かな歌唱によって、ピアノを弾きながら柔らかな美声で、伸びやかに歌い上げ、物語の感動シーンを盛り上げてくれるのだ。彼は「キングスマン」(14)で注目を浴びた期待の新生。イギリスの王位演劇院出身だけに、演技も歌も見事にこなせちゃうんだから。

シャイなティーンエイジャーで、象のミーナ。演じるのは、トリー・ケリーで、タレント発掘番組とWebから躍り出た歌手で、グラミー賞ノミネートもされている。しなやかな歌声を持っているが、人前で実力を発揮できずに一人ひっそりと歌う「ハレルヤ」は、しみじみと胸に広がる。ですが、クライマックスで歌う、スティーヴィー・ワンダーの「ドント・ユー・ウォリー・アバウト・ア・シング」。圧巻のソウルフルな歌声を聞かせてくれる。

一攫千金を狙う動物たちその他には、キリンやヒツジ、カエルなど、それぞれの事情をかかえた動物たちが登場する。初めは、賞金の10万ドルに目が眩み、金のためにと歌うのだが、支配人と老事務職員のトカゲのおばさんと2人で、オーデションを行い、その中から6、7人選んで何とかショータイムに突入するのですが。まぁ、それでも、彼らの思いに共感し、その奮闘ぶりに声援を送りたくなりますから。

選ばれた動物たちの中でも、ママ豚のロジータは、子だくさんであり朝から大忙しで、歌と踊りの練習の時間を作るのに物凄いアイデアで、仕掛けを作って子供たちを起こして、朝ごはんを食べさせ学校へと送り出すのだ。父親も、いつもの如くに、ママがいないのなんて知らないで、会社へと行く。この仕掛けが、チャップリンの「」観たいで面白かった。
それにゴリラのジョニーが、父親の銀行強盗の手助けとして車の運転をしているのだが、歌の練習で合間に抜け出して歌を歌っていると、父親たちが銀行から金を持って表に出るとジョニーの車が無い。逮捕されてしまう。で、刑務所でTVで、息子のジョニーの歌を聞き感激して脱獄し、警察に追われながらもジョニーと再会して息子の歌を評価する父親も良かった。

しかし、支配人コアラのバスターが奮闘するも、古いシアターがどういうわけか崩れ落ちてしまい、土地は銀行の抵当になり、再建を危ぶむことになる。どうにかして、街の動物たちも自分の歌を皆に聞かせたいという思いが、瓦礫の山のシアターの真ん中をステージにして、少ない人数でも音楽会をやろうとするバスター。
それぞれの人生を懸けて歌う色様々な曲。動物たちの歌声につられて、人々が押し寄せて来る。意外なスターの歌声と有名な曲との素敵なマッチングで紡ぎ出す人生の応援歌。音楽にのって、ちょっぴりドラマに感動して、何だか元気になってしまう映画なんですね。

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