パピとママ映画のblog

最新劇場公開映画の鑑賞のレビューを中心に、DVD、WOWOWの映画の感想などネタバレ有りで記録しています。

ひるね姫 知らないワタシの物語★★★・5

2017年03月19日 | アクション映画ーハ行
「攻殻機動隊S.A.C.」「東のエデン」の神山健治監督によるオリジナルの長編劇場アニメーション。東京でオリンピックが開催される2020年、岡山県を舞台に、居眠りばかりしている女子高生・森川ココネが、いつも見る不思議な夢を通して家族の秘密に迫っていく姿を描く。

あらすじ:2020年、東京オリンピックの開幕が3日前に迫った夏。岡山県倉敷市・児島で、車の改造ばかりしている父親と2人で暮らす女子高生のココネ。最近は常に眠気に襲われ、家や学校でも居眠りばかり。さらに、寝ると決まって同じ夢をばかり見ていた。そんなある日、父親が突然、警察に逮捕され、東京へ連行されてしまう。ココネは父がなぜ逮捕されたのか、その謎を解くため、幼なじみの大学生モリオを連れて東京へ向かう。そして、その過程でいつも見る自分の夢の中に、まだ知らない両親の秘密があることを知る。劇場アニメの声優は初めてとなる高畑充希がココネ役を務め、ココネ名義で主題歌も担当。そのほか江口洋介、満島真之介、高橋英樹らが声優出演。

<感想>昨年はたくさんのアニメが大ヒットして盛りだくさんでした。今年の第一段として、イマジネーションに満ちたSFアクション・ファンタジーであり、アニメの世界の本作。物語では、平凡な少女が主人公の“現代のお伽噺”が描かれている。

いつもココネの夢の中に現れるハートランド王国のお姫様、エンシェンが主人公の物語であり、夢の世界が舞台となっており、その国では街の人々が働くハートランド城では、まるで車のエンジンのようなメカニカルなデザインであり、国民たちはネクタイの代わりに南京錠をぶら下げている。レトロな雰囲気が漂う夢の世界は、魅惑的であります。

そんな機械づくりがさかんな国で生まれたエンシェンは、魔法が使える能力者であり、彼女の力で命を吹き込まれたぬいぐるみのジョイや、水色のサイドカーの“ハーツ”がある。ハートランド王国は、高度テクノロジー社会に、虚構や創造を愛する父親が、築き上げた厳格なイメージがある。

ですが、その夢が母親の死んだ事を知る過程が、スリリングに描かれている。その夢の世界に出て来る黒い巨人のバケモンは、車を食い散らしてエサにしている。禁止されている魔法を使って、エンシェンが王国を破壊しようとする、そのバケモンと戦う姿も凄いのですから。

父親が警察に捕えられ、母親の墓に行くとぬいぐるみのジョイが置いてあり、その背中にタブレットが隠されていたのだ。そのタブレットに父親を救うカギがあると睨んだココネが、幼馴染のモリオと一緒にオートバイに乗って東京へ行く。

学校へ行く途中に見える、大きな瀬戸大橋を超えて、唯一の得意の“ひるね“を武器に、ココネが夢と現実の世界を行き来しながら、謎の男たちに追いつ追われつの道行を繰り広げる、不思議な冒険を広げるお話になっている。

その謎の男たちとは、ココネの祖父の会社の重役であり、会社を乗っ取ろうと狙っている悪党。その悪党たちが、夢の世界と現実の世界に、同じ人物が登場するのもアニメでありファンタジーだからなのか。

まるでサスペンスフルで先が読めない展開も見どころの一つであり、ココネの旅をサポートする水色のサイドカーが、最先端の技術を搭載していて、従来のファンタジーアニメのような、自らの意思で動くロボットにもなるガジェットも魅力的です。

現実の世界では、モリオと一緒にタブレットで父親と連絡を取り、夢の世界では、魔法使いのエンシェンが若きころの父親、ピーチと一緒に機械のお城を逃げ出すところが映し出される。ココネがそのエンシェンに乗り移って、夢の世界で冒険を繰り返すのも面白い。
ですが、そのエンシェンが大人になると、ココネの母親になっているのも不思議な感じがしてならなかった。

ココネが祖父の自動車工場へ行き、そこで悪人どもに追われるところとか、その場面が夢の世界に変わり、亡くなった母親が必死にしがみついていたのが、父親の若き姿であったことが、現実の世界でも同じようにココネが悪人に追われてビルから落ちる場面では、父親が助けに来てくれる瞬間に、若き父親とココネの母親の顔がダブって見え、絶対に助かると祈る気持ちでしたね。

ラストの、2020年TOKYO五輪開幕では、祖父と父親が創った自動運転の水素カーが走るという、未来の車のお話もあります。いえ、未来の話ではなく、ある車の会社が自動運転の水素カーを創ったということを、TVで見ました。そして、岡山県倉敷市・児島の故郷では、祖父も交えて家族そろって縁側で、スイカを食べているシーンで終わるのです。
そうそう、エンドロールで、あの清志郎さんのイメージがすごく強かった「デイ・ドリーム・ビリーバー」を、ヒロインの声優役の高畑充希ちゃんが、日本語詞でカヴァーして歌っているのも良かったです。
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