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完全なるチェックメイト★★★

2016年02月20日 | アクション映画ーカ行
「ラスト サムライ」の名匠エドワード・ズウィックがトビー・マグワイアを主演に迎え、伝説の天才チェスプレイヤー、ボビー・フィッシャーの半生を映画化した伝記ドラマ。アメリカとソ連が冷戦下にあった1972年。15歳の時にチェスの最年少グランドマスターになった経歴を持つボビー・フィッシャーは、その突飛すぎる思考と予測不能な行動のせいで変人として知られていた。アイスランドで開催される世界王者決定戦に出場することになったフィッシャーは、チェス最強国ソ連が誇る王者ボリス・スパスキーと対局。両国の威信をかけた「世紀の対決」として世界中が勝負の行方を見守る中、一局目で完敗したフィッシャーは極限状態に追い込まれながらも、驚くべき戦略でスパスキーに立ち向かう。

共演に「17歳の肖像」のピーター・サースガード、「ウルヴァリン:X-MEN ZERO」のリーブ・シュレイバー。「オン・ザ・ハイウェイ その夜、86分」「イースタン・プロミス」のスティーブン・ナイトが脚本を手がけた。

<感想>将棋のことなら日本人なら殆どの人たちが解るはずなのだが、チェスとなると、二の足を踏むかもしれない。ですが、ここではそんなこと心配ご無用であります。チェスのルールをまったく知らなくても十分に楽しめるチェスの映画になっているのだ。

といってもここに登場するのは、1972年に世界チャンピオンに輝いたアメリカの15歳のボビー・フィッシャーという天才のこと。ニューヨークはブルックリンに突如現れたその天才の人物像が描かれるわけなのだが、その突飛な言動と奇行はやがては本人をも追い込み、奈落の底に突き落とすのであります。

32歳にして各地を放浪する隠遁生活に入り、その後も日本にも来ており、アイスランドで生涯を終えるのだが、ここで詳細に描かれているのは1972年にアイスランドのレイキャビクで行われた世界タイトルマッチ。24年間もの間チャンピオンの座を守り続けたソ連の強豪ボリス・スパスキーに挑戦したのは29歳のボビーだった。米ソの戦いはまさに政治がらみの、チェス版第三次世界大戦の模様を帯びてくるのであります。


20世紀最高の大勝負を映画でどう描くのかに興味がありつつも、第6局の勝負手を観客の脳裏のチェス盤に驚きと共に刻むという、チェス自体の伏線の難しさから99%は失敗するであろう映画の意外な手は使われてはいない。だから、セコンドのリアクションに頼るのみ。
正直言って世界王者決定戦とはいえ、所詮は盤上の頭脳戦であり、どう料理してもスポーツ競技のような派手な動きを再現するのは難しいのでは、と思っていたら、これがめっぽう面白かった。
いや、そこにチェス盤はあるし、選手もいる。ですが、時が刻々とと迫り、お互いの人間性丸出しといっていい、心理戦の駆け引きが展開するのである。

全世界が注目する中で、テレビ中継された24局の戦い、第一局に負けたボビーは、第二局をボイコットする。さらには、場所を代えての戦いと異例の出来事が次々と続くのであります。つまり、ボビーは神経質になり、客席の咳払いやひそひそ声などなどが、気になり、そしてホテルの部屋には、盗聴器や監視カメラなどが仕掛けてあるのではと、神経質に過敏になってもはや手が付けられない。

だから、ボビーの奇行もチェスの駆け引きとして読むスパスキーを描くことで、東西両陣営のグランドマスターの神経戦としての古典的作劇に徹しているのだ。二人のキャラクターが巧く演出されていて、クライマックスはアクション映画のように盛り上がる。だから2人の演技は見事であり、ですが、ボビーとスパイスキーの対極を世紀の一戦としておきながら肝心の対戦は、ほぼ何も映ってないといっていい。チェスが題材なのにチェスの試合を映すことを放棄したとしか思えません。
だから作り手が何を描きたいのかまるでぼんやりとしたもので、この人物をフィクションで描くことの困難だけがひたすらうかがえるようだ。

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