パピとママ映画のblog

最新劇場公開映画の鑑賞のレビューを中心に、DVD、WOWOWの映画の感想などネタバレ有りで記録しています。

オーガストウォーズ ★★★★

2014年03月08日 | DVD作品ーあ行
『ウォンテッド』を手掛けたロシアのスタジオがVFXを担当し、2008年に実際に起きたロシアとグルジアの紛争をテーマに描くSF戦闘スペクタクル。戦地に残る息子を救うため、激戦地へと乗り込むシングルマザーの奮闘と共に巨大ロボットも飛び出す驚異のバトルを映し出す。監督を務めるのは、ロシアの俊英ジャニック・フェイジエフ。ロシア軍の全面協力による実際の兵器を使用した迫力の戦闘シーンや、親子の情に触れる物語に心奪われる。
あらすじ:2008年8月8日。5歳のチョーマ(アルチョム・ファディエフ)は、別居中の父親に会うため単身モスクワから南オセチアを訪れていた。久々の対面もつかの間、突然侵攻してきたグルジア軍の攻撃により父親は亡くなってしまう。一方、母のクセーニア(スヴェトラーナ・イワノーワ)は、チョーマが戦闘の最中に一人取り残されたことを知り、南オセチアへと向かう。

<感想>これは映画館のデカいスクリーンで観たかった。戦車やトラックが精巧なCGでロボットに変形するその場面、これは完全に「トランスフォーマー」だよね。T72旧ソビエト主力戦車が変形するシーンのインパクトたるや、なんとカッコいいことか。そして、それ以上に目を引いたのが、劇中に登場するロシア軍の戦闘機シーンです。
これは、ハリウッドの戦闘シーンとは違うと、本物だぞってね。結論から言えば、これは南オセチア紛争の渦中に正体不明の機械生命体が現れ、ロシア軍の兵器を片っ端からロボットに変形させ、超絶バトルを繰り返す作品に違いないって。本作の舞台はロシア南部で、グルジアと国境を接する紛争地帯。カメラは、その最前線地帯に取り残された子供を連れ戻そうとする母親のクセーニアとともに、戦場に入り込んで行くのです。

巨大ロボットの役割というか、そんな妄想シーンというか、紛争に巻き込まれた少年が、辛すぎて空想の世界に逃げるしかない。彼の大好きなロボットが出て来るのが面白いです。壮絶な戦闘が、空想癖のある少年に立ちはだかる、その瞬間、父親がチョーマには正義のロボットに見える。「大丈夫、俺に任せろ」ってウィンクする。でも、次の瞬間、戦車から砲弾がドーンと発射されて、ロボットと祖父ちゃん、婆ちゃんが粉々になってしまう。
それに、凄く残酷なシーンでは、砲弾が獣型ロボに変形する演出がニクイですよね。そして、激戦地区に取り残された少年を、モスクワにいる母親が救出しようとするのがメインストーリーになっているんです。母親は、息子を離婚した父親に預けて、再婚しようと銀行員の彼氏とソチへ旅行に行こうとしていたんです。TVのニュースで、グルジア軍が南オセチアへ侵攻してきた。

実はこの映画、2008年8月8日に起こった南オセチア紛争を舞台にした実録映画でもあるんですね。グルジア軍の侵略をしった母親は大慌てで、息子が危ないことを知り、急いで息子を助けにバスに乗るのですが、そのバス乗客に死亡フラグ立ちまくりで、誘導ミサイルが直撃するシーンで、文字通り吹っ飛びます。
運転席を破壊されたバスが、暴走しながら真っ二つに裂けていく映像は凄まじかった。でも、腕とか怪我するけど奇跡的に助かった母親は、息子を助けるために南オセチアの家を目指すわけ。ここから映画は、「トゥモロー・ワールド」の市街戦なみの戦闘シーンが約1時間半続きます。もうロシア兵器が満載!
携帯電話の映像でチョーマが流れ弾に当たって怪我をしている事を知り、敵のいる場所で車を盗んでやっとの思いで辿り着く。倒れている息子に声をかけると、チョーマには母親がロボットに見える、これは泣かせるシーンであります。

その後、車で逃げて、グルジア軍の戦車が近づいてきて、少年にはそれが大きなボスのロボットに見えて、もうダメかと思った。そこへロシア軍の戦闘機が来てミサイルを発射、ロボットは粉々になってしまう。子供って、現実が辛いと楽しいことを空想するんですよね、だから、現実と空想世界の違いをもっと描いて欲しかったです。

それに激戦地帯では、ロシア軍の若き偵察部隊の兵士と母親クセーニアの恋愛もあって、「誰かうちの子知りませんか」と、弾丸やロケット弾が飛び交う戦場で、母親をロシア軍兵士たちが、ボディーガード部隊を結成するんです。ここまでハードな女性の一人旅を今まで観たことがない。最後はもちろんハッピーエンドですから。
それにしても、この映画は、1本で戦争映画とロボ映画を楽しめる豪華な作りになっているし、実際に起きた南オセチア紛争をあまり記憶の薄れていない時期に映画化したのが凄いですね。
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