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アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル★★・5

2018年05月21日 | アクション映画ーア行

アメリカ人のフィギュアスケート女子選手として初めてトリプルアクセルに成功し、1992年アルベールビル、94年リレハンメルと2度の冬季五輪にも出場したトーニャ・ハーディングのスキャンダラスな半生を、「スーサイド・スクワッド」のハーレイ・クイン役で一躍世界的にブレイクしたマーゴット・ロビー主演で描いたドラマ。監督は「ラースと、その彼女」「ミリオンダラー・アーム」のクレイグ・ギレスピー。

あらすじ:貧しい家庭で厳しく育てられたトーニャは、努力と才能でフィギュアスケーターとして全米のトップ選手への上り詰めていく。92年アルベールビル五輪に続き、94年のリレハンメル五輪にも出場するが、92年に元夫のジェフ・ギルーリーが、トーニャのライバル選手を襲撃して負傷させた「ナンシー・ケリガン襲撃事件」を引き起こしたことから、トーニャのスケーター人生の転落は始まっていた。プロデューサーも兼ねてトーニャ役で主演したロビーは、スケートシーンにも挑戦。

<感想>弱冠23歳にして世界のヒールに転じたスケーターの波乱万丈の半生を描いている。アメリカ人のフィギュアスケート女子選手として初めてトリプルアクセルに成功し、1992年アルベールビル、94年リレハンメルと2度の冬季五輪にも出場したトーニャ・ハーディングのスキャンダラスなその真実。

1994年のリレハンメル五輪直前に起きた“ナンシー・ケリガン襲撃事件”で疑惑をかけられたトーニャ・ハーディング。全米選手権の会場で、優勝候補のナンシー・ケリガンが何者かに右膝を殴打されたのだ。結果、ライバルのトーニャが優勝を飾る。

しかし、事件発生から2週間後、トーニャの元夫らが逮捕され、彼女の関与も疑われてしまう。暴力夫なのに、何故に18歳で結婚をしたのか、彼女にしか分からない謎でもあります。瞬く間に世界的な嫌われ者となった、氷上のプリンセス。その生い立ちから歪んだ人間関係、事件や五輪競技中の靴紐問題にも迫ります。

最終的には、彼女が事件にかかわったのかどうかは観客の判断に委ねられる形になっているが、本作で明らかにされる彼女を取り巻く環境の複雑さにとにかく驚きました。

「スーサイド・スクワッド」のハーレイ・クイン役で一躍世界的にブレイクしたマーゴット・ロビー主が熱演。制作も務めた彼女は4か月に渡ってスケートを猛特訓して、氷上でのスケーターを見事に演じておりました。

幼いころから母親に連れられてフィギュアスケートを練習し、15歳で厳しい特訓の結果初めてトリプルアクセルに成功したという。6種類のジャンプの中で、唯一前向きに踏み切るため、高難度とされるトリプルアクセル。ちなみに「三回転半」と呼ばれるトリプルアクセルを公式戦で初めて成功させたのは、日本の伊藤みどりさんです。それほどの大技のトリプルアクセルを飛ぶシーンでは、視覚効果の力を借りているそうですよ。

でも、トーニャが頑張ってトリプルアクセルを飛んで、いい点数が取れるという訳でもなく、審査員には芸術点と技術点に問題があると指摘される。

例えば五輪代表に選ばれるほどの才能があったのに、貧しくて衣装は自分でミシンで縫っていたりする。それを審査員に趣味が悪いとけなされてしまう。男子も女子もフィギュアスケート選手は、お金で家族も自分も大変な苦労を強いられるのですね。有名になれば、スポンサーがついていくらかお金も入るのに。

また、何といっても最悪なのが母親であり、言葉と肉体への暴力でトーニャを支配し続けた母親ラヴォナ。まさに鬼のような存在なのですよ。オスカーで助演女優賞を受賞した母親役のアリソン・ジャネイが最高なのは、彼女を思い切り笑えるキャラとして演じていることですかね。

夫のジェフ役には「キャプテン・アメリカ」シリーズのセバスチャン・スタン。少女時代のトーニャに扮したのは、「ギフテッド」のマッケナ・グレイスちゃんが。脇役にも注目のキャストを揃えている。

それはこの映画の全編にも、トーニャを演じているマーゴット・ロビーの演技にも言えることで、彼女はリング以外では悲惨な人生を歩み続けるのだが、それを絶妙なバランスのコメディにすることで、奇跡的に誰もが楽しめる娯楽作品として成立させてしまっていることです。

トーニャが「真実なんてものはない。誰もが自分の真実を信じているから」と語るシーンがあるが、究極的に観客が思い知らされるのもそこなんですね。ただ一つだけ確かなことは、彼女は十分にその代償を払ったということだ。

あれだけの才能がありながら、スケート界から追放されたトーニャは、その後レスリング、ボクシング、オートレースなど試みたが、どのキャリアも成功しなかったのだ。現在の彼女はワシントンで再婚をして1児をもうけ、大工仕事などをして暮らしているという。世間を揺るがした事件ではあったが、本人はコミュニティサービスと言う形で償いもすませた。その意味では事実はどうであれ、本作品のように彼女に同情的な視点で作られた映画もあっても良いのではないかと思いますね。

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