「ソーシャル・ネットワーク」「スティーブ・ジョブズ」などで知られる気鋭脚本家アーロン・ソーキンが自ら初監督も務めて映画化した実録クライム・ドラマ。主演は「ゼロ・ダーク・サーティ」「女神の見えざる手」のジェシカ・チャステイン、共演にイドリス・エルバ、マイケル・セラ、ケヴィン・コスナー、クリス・オダウド。
あらすじ:女子モーグルのトップ選手として活躍していたモリー・ブルームは、五輪目前の大事な国内予選で転倒して重傷を負い、五輪どころか選手生命も絶たれてしまう。その後、LAで1年間の休暇をとることにしたモリーは、ひょんな成り行きからハリウッド・セレブやビジネス界の大物たちが高額を賭けて遊ぶ非合法のポーカー・ゲームでアシスタントをするようになる。そこで違法賭博のイロハを学んだモリーは、数年後には自ら地下カジノの運営に乗り出し、たちまち成功を収めるのだったが…。
<感想>オリンピック候補のトップアスリートから一転、わずか26歳でセレブ相手の高額闇ポーカーの経営者となるも、ついにはFBIに逮捕されてすべてを失った女性モリー・ブルームの驚きの実話。彼女はアドバイスに従い検事出身の潔白な弁護士チャーリー(イドリス・ジャフィー)を雇うのだが、・・・。
実際に逮捕されたモリー・ブルームのベストセラーとなった回顧録を、「ソーシャル・ネットワーク」の脚本家でアカデミー賞を受賞したアーロン・ソーキンが、彼女と会って回顧録に書かれなっかった部分も聞き出しつつ、三年にかけて脚本家し、自ら初監督に挑戦したもの。
主人公のモリーを演じるのは「女神の見えざる手」など話題作への出演が続くジェシカ・チャステインであり、強いヒロインを演じさせたらピカイチの女優。華やかでスタイリッシュなドレスの数々を凛々しく着こなすジェシカが、不屈の女性の生き方を輝かせていた。特に胸の開くドレスの谷間に、目がいってしょうがなかったのは、女性だけではないですよね。
その弁護士には「ダークアワー」のイドリス・エルバが扮している。監督は最初からジェシカをモリー役にキャスティングしたいと思っていたそうです。
共演は他にも、父親に「ドリーム」のケヴィン・コスナーが、プレイヤーXには、マイケル・セラが、映画スター役でディーンの主催するゲームの常連客に、モリーが独立した時にはモリー側についた。その他、ジェレミー・ストロング、クリス・オダウドなど。
2000年の冬季オリンピックの最終予選で、1本の松の枝のために転倒し、アスリート人生は終わってしまった。その後、ロサンジェルスで1年の休暇を取るモリーが、ウェイトレスのバイトで知り合ったディーン(ストロング)にスカウトされ、彼の主催するハリウッドスターや、大金持ちのセレブばかりが集まる参加費1万ドルのゲームという、法外な掛け金でポーカーに興じるアンダーグラウンドなポーカーゲームの運営アシスタントをすることになる。
2005年にディーンから解雇されたモリーだったが、プレイヤーXらを顧客に自らゲームを主催する。その後プレイヤーXと決裂してからはニューヨークへ進出する。
こういった高額ゲームの主催ではなく手数料を取るのが違法なのだ。掛け金がいくら多額だろうが、ゲームの主催自体は違法ではない。違法となるのはプレイヤーから、手数料を取ることであって、モリーはニューヨーク時代の最後の半年間だけ違法行為を染めていた。高額ゲームの顧客としてニュースで報じられたのは、レオナルド・ディカプリオ、マット・デーモン、ベン・アフレックといった映画スター、野球の選手のA・ロッドらであります。
2014年、モリーはFBIに逮捕されるが、弁護士チャーリーに依頼づるが、倫理に反する弁護はしないという彼は、事情をモリーに聞き、高潔なモリーの信条を知って弁護を引き受ける。
20代にして華麗なる転身を成功させて、栄光と挫折を味わった実在の人物のスキャンダルの裏側を映画化したもの。ポーカーゲームや裁判の頭脳戦をスピーディな展開で描きながら、権力に媚びない一人の女性の生き方を浮き彫りにしているのが良かった。
頭がいいのに、モリーがのめり込んでいったギャンブルの恐ろしさに気が付かなかったのだろうか。法的に問題があろうがなかろうが、所詮ギャンブルの元締めですよね。そこに共感はなかったです。しかし、モリーのへこたれないド根性を讃えるのが、いかにもアメリカ人ウケしそうなストーリーだったと思う。
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