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パトリシア・ハイスミスの小説「殺意の迷宮」を基にしたサスペンス。1960年代のアテネを舞台に、詐欺を働いて逃れる詐欺師とその妻に出会った青年を待ち受ける運命を見つめる。監督は『ドライヴ』『47RONIN』などの脚本を手掛けてきたホセイン・アミニ。『イースタン・プロミス』などのヴィゴ・モーテンセン、『メランコリア』などのキルステン・ダンスト、『インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌』などのオスカー・アイザックと、実力派が集結。
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あらすじ:1962年、ギリシャ。アテネでツアーガイドをして生計を立てている青年ライダル(オスカー・アイザック)は、旅行で来たというチェスター(ヴィゴ・モーテンセン)とコレット(キルステン・ダンスト)の夫婦とパルテノン神殿で出会う。彼らのガイドを申し出たライダルだったが、その夜に宿泊するホテルに現れた探偵をチェスターが殺してしまう。混乱したまま死体の片付けを手伝ったライダルは、チェスターが投資家たちから高額の金をだまし取って逃走中の詐欺師であることを知る。
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<感想>原作の「殺意の迷宮」は読んでいないので、観ていてこの映画の設定が1960年代になっているのが、始めは判らなかった。ペテン師とその若く美しい妻、そして、たかり屋というチンケで悪賢い男女3人の逃避行と、痴情のもつれを描いているようだ。
何だか、週刊誌で騒ぎ立てているような内容だが、1960年代初頭という、ノスタルジー、ギリシャとイスタンブールというエキゾチシズム、ヴィゴ・モーテンセンが着ている麻の白いスーツというラグジュアリー感が、その下世話を打ち消しているように見える。
この時代では、ケータイ電話などなかったし、今ならあっという間に捕まってしまうだろう。ギリシャ観光地の風景の中で、今では許されない人間関係と心理描写のもどかしさが、じっくりと描かれている。
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ギリシャ観光にはいまだ行ったことないが、観光名所のパルテノン神殿や、異国情緒溢れるロケーションなど、往年のヨーロッパ映画を愛するファンにはたまらない魅力が満載です。
殺人事件の共犯にされてしまう青年が、典型的な巻き込まれ型サスペンスかと思いきや、巻き込まれるのは全員がそうなのであり、中でも最も印象に残るのは、三角関係に巻き込まれた中年男チェスターの嫉妬と煩悩だったりする。
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若くて美しい妻のコレットに惹かれていく青年ライダル、彼ら夫婦が金持ちと見て近づいていくのだが、それがとんでもないまるでヒッチコック風のスリリングな逃走劇や、その過程での思わぬ殺人事件などが、複雑に絡まっていく男女3人の愛憎関係との相乗効果で、ハラハラ感と緊張感が最後まで観客を惹きつけるのが最高です。
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後半もそこそこに面白くはなっていくが、疑似父子の確執の主題をもっと打ち出しても良かったのではなかろうか。それに、ロケ地の魅力が画面にもっと欲しかったのに、それでも、ヒッチコック的なケレンみもやっぱり必要だし。映画には、ムードっていうのも大事なのだと気づかされました。
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それに、よるべなき者たちの彷徨、父親に取り憑かれた若者との対峙なんて、テーマまで物語の展開の終りに滲みだしてくるのだ。ラストのイスタンブールの裏路地を駆け巡るラストで、警察に追いかけられる男2人は、まるで親子のようにも見える。
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警察も先に捕まえた青年に盗聴マイクを取り付け、詐欺師のチェスターがアメリカから来た探偵を誤って殺し、挙句に、イスタンブールの観光地では、妻のコレットを誤って転落死させるのも、全部チェスターの仕業なのだが、それを丁度居合わせた青年ガイドを巻きこんで罪をなすりつけようとする。
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しかし、彼が最期にとったのは、青年を自分の息子ではなくいきずりの青年で、殺人罪の罪は全部自分にあると、盗聴マイクを付けた青年に向かって言う。これが、せめてもの青年に対する本当の父親ではないが、彼が父親を疎ましく思っていて葬儀にも行かないことに対する、父親になったような嘘を証言する。
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それによって、警察は青年のライダルは殺人事件とは無関係だということが証明されて、ラストで父親でもないチェスターの墓参りをするライダルの姿が清々しく感じました。
なんとも古めかしいミステリー・サスペンス劇となってますが、画面が懐かしいセピア色のスクリーンで、60年代ファッションに身を包んだキルスティンも暫くぶりの出演で、クラシック調な昔の映画を思い出させて良かった。
2015年劇場鑑賞作品・・・111
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あらすじ:1962年、ギリシャ。アテネでツアーガイドをして生計を立てている青年ライダル(オスカー・アイザック)は、旅行で来たというチェスター(ヴィゴ・モーテンセン)とコレット(キルステン・ダンスト)の夫婦とパルテノン神殿で出会う。彼らのガイドを申し出たライダルだったが、その夜に宿泊するホテルに現れた探偵をチェスターが殺してしまう。混乱したまま死体の片付けを手伝ったライダルは、チェスターが投資家たちから高額の金をだまし取って逃走中の詐欺師であることを知る。
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<感想>原作の「殺意の迷宮」は読んでいないので、観ていてこの映画の設定が1960年代になっているのが、始めは判らなかった。ペテン師とその若く美しい妻、そして、たかり屋というチンケで悪賢い男女3人の逃避行と、痴情のもつれを描いているようだ。
何だか、週刊誌で騒ぎ立てているような内容だが、1960年代初頭という、ノスタルジー、ギリシャとイスタンブールというエキゾチシズム、ヴィゴ・モーテンセンが着ている麻の白いスーツというラグジュアリー感が、その下世話を打ち消しているように見える。
この時代では、ケータイ電話などなかったし、今ならあっという間に捕まってしまうだろう。ギリシャ観光地の風景の中で、今では許されない人間関係と心理描写のもどかしさが、じっくりと描かれている。
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ギリシャ観光にはいまだ行ったことないが、観光名所のパルテノン神殿や、異国情緒溢れるロケーションなど、往年のヨーロッパ映画を愛するファンにはたまらない魅力が満載です。
殺人事件の共犯にされてしまう青年が、典型的な巻き込まれ型サスペンスかと思いきや、巻き込まれるのは全員がそうなのであり、中でも最も印象に残るのは、三角関係に巻き込まれた中年男チェスターの嫉妬と煩悩だったりする。
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若くて美しい妻のコレットに惹かれていく青年ライダル、彼ら夫婦が金持ちと見て近づいていくのだが、それがとんでもないまるでヒッチコック風のスリリングな逃走劇や、その過程での思わぬ殺人事件などが、複雑に絡まっていく男女3人の愛憎関係との相乗効果で、ハラハラ感と緊張感が最後まで観客を惹きつけるのが最高です。
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後半もそこそこに面白くはなっていくが、疑似父子の確執の主題をもっと打ち出しても良かったのではなかろうか。それに、ロケ地の魅力が画面にもっと欲しかったのに、それでも、ヒッチコック的なケレンみもやっぱり必要だし。映画には、ムードっていうのも大事なのだと気づかされました。
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それに、よるべなき者たちの彷徨、父親に取り憑かれた若者との対峙なんて、テーマまで物語の展開の終りに滲みだしてくるのだ。ラストのイスタンブールの裏路地を駆け巡るラストで、警察に追いかけられる男2人は、まるで親子のようにも見える。
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警察も先に捕まえた青年に盗聴マイクを取り付け、詐欺師のチェスターがアメリカから来た探偵を誤って殺し、挙句に、イスタンブールの観光地では、妻のコレットを誤って転落死させるのも、全部チェスターの仕業なのだが、それを丁度居合わせた青年ガイドを巻きこんで罪をなすりつけようとする。
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しかし、彼が最期にとったのは、青年を自分の息子ではなくいきずりの青年で、殺人罪の罪は全部自分にあると、盗聴マイクを付けた青年に向かって言う。これが、せめてもの青年に対する本当の父親ではないが、彼が父親を疎ましく思っていて葬儀にも行かないことに対する、父親になったような嘘を証言する。
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それによって、警察は青年のライダルは殺人事件とは無関係だということが証明されて、ラストで父親でもないチェスターの墓参りをするライダルの姿が清々しく感じました。
なんとも古めかしいミステリー・サスペンス劇となってますが、画面が懐かしいセピア色のスクリーンで、60年代ファッションに身を包んだキルスティンも暫くぶりの出演で、クラシック調な昔の映画を思い出させて良かった。
2015年劇場鑑賞作品・・・111
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