風の音パンフルート製作工房

浅い軽やかな音・心に沁みる奥深い音を自然の素材から自在に引き出します。パンフルート販売・修理・見学受付け中。

パンフルート・底部加工

2014-07-24 | パンフルート作り

いま6台のパンフルートを製作しておりますが、工程は底部箱型作りに入っております。

   

  パンフルートの底部箱型作りにはフィンランド製航空ベニア⒈0㎜を裁断しカーブに沿って貼付けています。

当パンフルート工房では一度に複数台のグループに別け順を追ってパンフルート製作を行なっております。

現在は8台の完成後の集中吹き込み作業。上写真の6台の底部箱型作り。7台のメダケ管素材の表面加工。

と段階別に作業の空き時間が出ないよう計画しています。

   

パンフルート底部に板を貼付けた後は先に底部ラインを決め仕上げます。

その後板の幅ラインを記入しそのライン上にカッターナイフの刃を入れ切り落とします。

パンフルート管にキズをつけないよう手前0、1㎜で刃先を止めなくてはならない難しい作業です。

この板の幅により楽器の印象が変わりますので慎重に見極めながら作業をすすめます。

パンフルート製作・販売を行なっております。お問い合わせは082-894-08954またはxiaxi@go8.enjoy.ne.jpまで

調律道具販売・パンフルート修理・パンフルート教室なども行なっております。お申し込みください。


パンフルート愛好会で発表

2014-07-22 | パンフルート演奏研究

7月20日(日)広島パンフルート愛好会練習会で私が研究内容を発表いたしました。

   

音が出る最初のアクションは反射から始まります。         椿の木のパンフルート(中音域テノール)

今回のパンフルート愛好会練習日は3連休の真ん中にあたり参加者が少なそうだったので、事前に「通常のカリュ

キラムを進めるのではなく私がいまブログで発表しているパンフルートの音の出かたに研究内容を聞いていただき

たい」と申し込んだところ許可されました。

人前で内容を発表することは自らを検証することであり、矛盾点が浮き彫りになるなど勉強になりますね。

   

ここで前記事の一部に重大な誤りがありましたので訂正し、正確な情報を発表いたします。

前記事では下方の空気の流れは「逆流し渦を巻く」と記しましたが、これは誤りでした。

実際の下方の空気の流れは「一方に前進する」のみでした。

管の中央部で圧力をかけた空気の塊は管内の空気圧が高まると反力が発生し、ここに「反射現象」が起き角度を変え

られてエッジ角に向います。

空気の流れは全て「一方通行」であり逆流などあり得ません。

パンフルート愛好会の教室ではさかんに「音の発生は反射現象から始まる」と強調した私です。

そこは間違いではなかったのですが家に帰り前言を検証し反射後の空気の流れをシュミレーションしてみて「空気の

逆流などありえない」結論に達しました。

パンフルート製作・販売を行なっております。お問い合わせは082-894-0854またはxiaxi@go8.enjoy.ne.jpまで

調律道具販売・パンフルート修理・パンフルート教室などを行なっております。お申し込みください。


木目の美しさ~木のパンフルート

2014-07-19 | 木のパンフルート

当パンフルート工房ではパンフルートの素材に竹のほかに木でも作っており、両方を対比することができます。

   

 桜の木のパンフルートは繊細な木目が現れます。  松の木のパンフルートは大胆で野性的な木目で引きつけます。

木管のパンフルートは作るのは大変ですができ上がって表面に現れでる木目を見るのが楽しみとなります。

各々の木の特性によりその表面の表情は千差万別です。

内面的な音質も違って来ますし重量・感触など違いが際立ち、製作者にしか味わえない対比を楽しんでいます。

   

いま松・桜・椿・竹の4種の新作パンフルーの音の対比を楽しみながら吹き込んでいます。

新作パンフルートの場合は音が不安定で固まっていないのでこの時期に集中的に吹き込んで音をなじませます。

音だしを通じて竹と木のパンフルートの違いを体感しております。

一言でいうと竹は「混じりけのない透明な音」木は「いろんな音が混じり合った濁った音」となります。

どちらを好まれるかはその人の感性によりますが、私は木の音の「濁り具合」が新鮮でいまは木の新作パンフルート

松・椿・桜の3種を吹き進めています。

パンフルート製作・販売を行なっております。お問い合わせは080-5235-7664またはxiaxi@go8.enjoy.ne.jpまで

工房見学でいろんなパンフルートの音色にふれあってみてください。広島市安芸区上瀬野町205(国道2号線沿い)


パンフルート講座・前後の動きを抑える

2014-07-17 | パンフルート演奏講座

パンフルートは演奏時に動き回る楽器です。それゆえに余分な動作は極力抑えて行きましょう。

   

 半音時の各部分の動きイメージ図。         新作椿の木のパンフルートを集中して吹き込んでいます。

パンフルートの底の部分を持つ構えだと移動ストロークが大きく無駄な動きであることは理解できたこととは思いま

すが、あらゆる方向に動き回る宿命をもつパンフルート演奏であるからこそ、その動きをチェックし動きを少なくし

て行く努力が必要だと感じています。

   

  パンフルート工房前の畑では夏野菜が順調に育っています。毎日食べ切るのが苦痛となっています。

  トマトは煮詰めてケチャップにし保存できますが、あとの野菜はその日のうちに近所にわけてあげます。

上図のように半音時に歌口の移動を覚えると管の半分の距離の移動ですみます。

私は数年前から研究し今はパンフルート半音のすべてをこの歌口移動で行なっております。

速度が速く半音が多く出てくる調の曲について行けることが容易いのはもちろんのことですが、片方が半音にかかる

スラーの時や3連譜のとき素早く目的地に止まることができるので余裕をもってなめらかな表現ができます。

楽器を傾けて半音を出しておられる方はぜひこの「歌口移動」の半音の出しかたを研究され楽器の動きを少なくされ

るようお勧めいたします。

または併用されて動きを半分にされてもよろしいかと思います。

パンフルート製作・販売を行なっております。お問い合わせは082-894-0854またはxiaxi@go8.enjoy.ne.jpまで

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パンフルート講座・楽器を傾ける

2014-07-15 | パンフルート演奏講座

パンフルートで半音を出すとき多くの方は基本の「楽器を傾ける」方法を採用されています。

   

パンフルートの構えは垂直から10°ぐらいが理想です。 傾けて半音を出す場合には楽器の底を前に押し出します。

パンフルートの音出しでは1本の管で1つの音程を受け持ち楽譜に沿って演奏を進めて行きます。

半音の時はどうするかというと1本の管の音程を下げる動作を行ないます。

超技巧で音程を上げることができるとは聞いていますが、私もトライしてみましたが半音上げるには遠く及びません。

パンフルートで半音を出す方法は5種類あるといわれていますが、現在構えている角度を10°~15°開いて楽器を

傾ける方法を多くの方が採用されています。

一番確実に音程が下がる方法だからです。

   

この楽器を傾ける方法を採用して最低音管底を持つ形だと下唇を起点に運動ストロークが長く動作が大きくなります。

いったん半音位置で音を出した後はまた元にもどさなくてはなりませんので、逆の動作で元の角度にもどします。

ゆったりした曲ならば余裕をもった動作ができますが速い曲であったり4:3の半音のでかたの調であったりする

と、とても間に合うものではありません。

そこでパンフルート管の中央部を持って構えてみました。

上下写真の腕の角度の動きを見比べてください。

肘の位置が上は10数㎝動いているのに対し下は1~2㎝しか動いていません。

上は肘の移動で楽器を傾けているのに対し上は手首のひねりだけで楽器傾けを完了させています。

どちらが素早い対応ができるか考えてみましょう。

パンフルートで楽器を傾けて半音を出す方は「傾け動作」についていろんな方法を試してみてください。

特にテノール・バスの中・大型パンフルートの下部を持つと悲惨な結果が待ち受けますよ。

パンフルート製作・販売を行なっております。お問い合わせは080-5235-7664又はxiaxi@go8.enjoy.ne.jpまで。

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