風の音パンフルート製作工房

浅い軽やかな音・心に沁みる奥深い音を自然の素材から自在に引き出します。パンフルート販売・修理・見学受付け中。

半音は甘く切ない音

2013-08-21 | 半音のだしかた

 パンフルート演奏で半音が半数を超えると全体の音質は甘美なものへと変化します。

   

 松の木パンフルート(松の枝付け根の肥え松部分使用)    ワイン作り用ブドウ・品種はネオマスカット。

 半音が多く出る調の曲をパンフルートで演奏するとパンフルート独特の半音の出し方での音質の変化により表現

される世界は甘く・切なく・やるせない、何とも粘っこい世界へと変貌を遂げます。

何音かを全音位置で音を出しますが明るすぎる音はその音だけ浮き上がりますので、できるだけ半音位置の音に近

づけて曲の雰囲気をこわさないようにしています。

パンフルートの世界は奥が深いものですね。

1台の楽器で両極の音質を表現してくれる。

つき合って行くたびに新しい顔を見せてくれる。

その楽器特有の音は「このように吹けば出て来ますよ」と暗に指示してくれる。

今後も自然体でパンフルートと向き合いパンフルートに教えを請いながら進んでいきます。

パンフルート購入・修理・蜜蝋などの問い合わせは082-894-0854または香原 良彦 <xiaxi@go8.enjoy.ne.jp>

までどうぞ。広島パンフルート愛好会教室へもどうぞ。nakamura@an-pan.org


究極の課題曲

2013-08-19 | パンフルート演奏研究

 パンフルートの標準的調律G調1台で全ての調の曲が演奏できるよう挑戦し続けています、

    

 キンメイチク(金明竹)のパンフルート・アルト。     土用干し作業が続いています。分量は一樽分。

 G調パンフルートのみで全ての調の曲を演奏する試みとして究極の課題曲クロード・ドビュッシーの「月の光」を

選んで練習しています。

この曲は♭5つのD♭調から#4つのE調に転調し、またD♭調に戻って終わるという離れた調への移動がある曲です。

しかも転調の際は休符なしで音が続きますので以前のように楽器を持ち換えることなどできません。

パンフルートの特性として#系の半音は1音上の音管を代用して半音下げてそれに充てますので、♭から#に入った

時は#系の半音の出し方に頭を切り替えて対応しなくてはなりません。

どちらの調も半音が多く出て来ますので頭の中が混乱するところではあります。

パンフルート購入・修理・蜜蝋などの問い合わせは082-894-0854または香原 良彦 <xiaxi@go8.enjoy.ne.jp>

までどうぞ。広島パンフルート愛好会教室へもどうぞ。nakamura@an-pan.org


半音の効果で別世界が広がる

2013-08-17 | パンフルート演奏研究

 パンフルートで半音が多くでる調の曲を集中的に練習したところ新たな曲想の展開が始まり出しました。

   

 この2台を集中的に使っています。松の木パンフルート   熟れ始めたブドウを使ってワイン作りに挑戦。

 パンフルート演奏で半音を多く使う曲を練習しはじめた当初はパンフルート操作がうまくいかず技術的向上を

目指して訓練してまいりましたが、ある程度クリアーして音の感情作りに入った時今までとは違った不思議な感覚

に包まれるようになりました。

パンフルートで半音を出す方法は5つがある(当ブログ半音の出し方ページを参照ください)と教えられていますが

全音位置でのびのびと吹き込む音に比べ半音位置ではどうしても窮屈な形となり音も沈みがちでこもり気味の方向と

なります。

パンフルートの半音位置でもっと練習と研鑽を積んで行けば同じ音が出るようにはなるのでしょうが、当面は両者の

質の違った音の範疇で曲作りをやって行かざるを得ません。

このことから半音が半数を超える調の曲になると音の世界がガラリと変わるのです。

30年近くパンフルートと関わってきて初めて味わう感覚です。

未知の分野へ進んでいる感覚でこの後どの地点まで到達するのかワクワクしています。

パンフルート購入・修理・作り方などの問い合わせは082-894-0854または香原 良彦 <xiaxi@go8.enjoy.ne.jp>

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G管1本での演奏は慣れること

2013-08-15 | パンフルート演奏研究

 今年初めから取り組んでいるG管のパンフルートで全ての調の曲を演奏する取り組みはようやく軌道

 乗り始めて来ました。

        

 被災松の木のパンフルート(G調に調律してあります)  梅干し作り・手前は若返り効果のあるゴボウの千切り。

 今年の初め「G調のパンフルート1種類で全ての調の曲を演奏する」目標を立て決意をゆるぎないものにするため

在庫品全てのパンフルートをG調に調律してしまいました。

新しい技術を身につけるには甘えや妥協は許されないと思ったからであります。

この間G調から離れた調、♭で言えば3つ(E♭調)以上の曲#では4つ(E調)以上の曲を選んで集中的に練習を

重ねて来ました。

半音まじりの音の進行のパンフルート操作に慣れることが必要だったのです。

パンフルート購入・修理・作り方などの問い合わせは082−894−0854または香原 良彦 <xiaxi@go8.enjoy.ne.jp>

までどうぞ。広島パンフルート愛好会教室へもどうぞ。nakamura@an-pan.org


安芸門徒のお盆

2013-08-14 | 日記

 パンフルート工房のある安芸の国では仏教の浄土真宗が多く信仰されておりお盆には独特の風習があります。

   

 盆灯籠を持って墓参り。奥の白灯籠は今年初盆の家。     テノールパンフルート(ホウライチク製)

 先祖の供養をする墓参りの時期がやってまいりましたが信仰心が薄れつつある今日、せめて年に1回は墓に足を

運び墓を管理するこの風習も残して行きたいものであります。

安芸門徒のあいだでは墓参りに灯籠を供えることが普通のこととして行なわれています。

竹の上端を6つに割り色紙を貼付けて紙灯籠として仕上げたものです。

広島地方では数十万本の竹が一年で消費されています。

(業者の話によると広島周辺のこの種の竹は取り尽くしたので中国から輸入しているとのこと)

パンフルート製作者私にとって困ることはこの灯籠用竹がパンフルートで使う部位と競合していることであります。

パンフルート購入・修理・作り方などの問い合わせは082-894-0854または香原 良彦 <xiaxi@go8.enjoy.ne.jp>

までどうぞ。広島パンフルート愛好会教室へもどうぞ。nakamura@an-pan.org