Mars&Jupiter

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ウォルトンの序曲「ポーツマス・ポイント」を聴きながら、横浜から和田町まで歩く

2007-11-10 14:53:44 | 古典~現代音楽イギリス編
昨日は横浜駅から和田町歩きました。
途中聴いた曲は1902年生まれのウォルトン。
ランカカシャーのオールダムに生まれた彼は、
音楽についてはほぼ独学だという。
オックスフォード大学のクライスト・チャーチ校に入学したが、
その後同校を退学し、作曲に専念するようになったらしい。
戦間期の1930年代から映画音楽にも何度か手がけている。

序曲「ポーツマス・ポイント」は1925年に作曲され、
チューリッヒで開催された国際現代音楽祭で、
1926年に初演された作品である。
英文の解説によると画家トーマス・ローランドソンが
港ポーツマス描いた絵からインスピレーションを得たようで、
絵には金貸しや居酒屋、船のマスト、岸辺で踊る人々、歌う人々、
酒樽に向かって寝そべっている人々などが描いているようだが、
必ずしも標題音楽として書いたものではなく
忠実にそれを細部にわたり描写したものではないようだ。
とはいえ、シンコペーションや交差するリズムはあざやかで、
華やかでありながら、イギリスらしい風格を持っている。

喜劇的序曲「スカピーノ」は
シカゴ交響楽団創立50周年のために1940年作曲され、
1941年シカゴにおいて初演されたようだ。
17世紀フランスの画家ジャック・カロの、
「スカピーノ」というエッチングの印象をもとに
書かれた作品で、スカピーノは悪漢の使用人で、
「フィガロ」の原型とも考えられている。
彼のいたずらを助ける主人からは全面的な信頼を受けている。
そして彼は陰謀や悪巧みを考えたり、
ごますりのうまい頭の切れる人物であるようなのだ。
そんな彼の二面性を持った性格を描写した作品のようで、
映画音楽のようなストーリー性をもったような、
華やかな作品であり、オーケストレーションは素晴らしい。
なんとなく、内容からしてリヒャルト・シュトラウスの交響詩
「ドン・ファン」なんかを思い出してしまうなあ。
コメント
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