Mars&Jupiter

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ブリテンと師ブリッジ、そして「フランク・ブリッジの主題による変奏曲」

2007-11-06 07:10:17 | 古典~現代音楽イギリス編
1913年生まれのブリテンの師はブリッジだったが、
そのブリテンはフランク・ブリッジに対して、
「愛情と讃仰をもって」一つの作品を捧げている。
「フランク・ブリッジの主題による変奏曲」は、
1937年に作曲された意欲的な作品で、
ブリッジの主題をもとに10の変奏が展開される。

主題は弦楽四重奏のための田園曲第2番を使用している。
現代的で重苦しい雰囲気の中、旋律の主題が最初に提示され、
第一の変奏アダージョでそれは強められるが、
第二の変奏の行進曲で軽快さを装い、
第三の変奏のロマンスで、甘美さを伴い、
第四の変奏のイタリア風のアリアで華やかさを演出する。

第五の変奏の古典的なブーレで、古めかしさを醸し出し、
第六の変奏のウィンナ・ワルツで、優雅な舞いを展開する。
第七の変奏の無窮動は、駆け抜けるような急速な音型を奏し、
第八の変奏の葬送行進曲では、悲劇的な表情が示され、
第九の変奏の詠唱歌では、厳かな神聖さを表現する。
第十の変奏のフーガと終曲は一番長い演奏時間になるが、
フーガ風主題に基づき、躍動的で技巧的な音楽展開をみせる。
終曲では、最初の導入部の重苦しい雰囲気が再現され、
最後は短いコーダで一気に全曲を締めくくる。

一つの主題をもとに様々な表情を各変奏でみせるこの曲は、
師のブリッジに勝るに劣らず、素晴らしく、
弦楽オーケストラとはいえ、聴きごたえがある作品である。
この曲でブリテンの名を一躍国際的なものにしたのもうなづける。
第四の変奏と第八の変奏は個人的に特にいいと思った。
それにしても、この作品があるからこそ、
「ヘンリー・パーセルの主題による変奏曲とフーガ」、
いわゆる「青少年のための管弦楽入門」という
作品があるのかなという気がしないでもない。
主題とその変奏にみせる鮮やかな技術は、
さすが、ブリテンらしいなあと思うのである。

というわけではないが、
昨日は予期しない雨のためにウォーキングを休みました。
今日は歩こうっと!
コメント
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