Mars&Jupiter

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遅すぎたロマン派作曲家アッテルベリ、そして交響曲第2番と第5番

2007-04-24 11:05:21 | 古典~現代音楽スウェーデン編
昨日は横浜から二俣川までの道のりを
アッテルベリの交響曲第2番と第5番を聴きながら歩いた。

アッテルベリは1887年生まれのスウェーデンの作曲家で、
9つの交響曲やオペラを作曲しただけでなく、
スウェーデンの作曲家協会・著作権協会の会長もつとめ、
様々な分野で活躍した人物である。

第2番では第1楽章で弦楽器が美しい旋律の主題を奏で、
そのあとに金管楽器が奏でる主題が、
印象的で、勇ましくもあり、かっこよくもある。

第2楽章はアダージョとプレストを繰り返しながら、
アダージョでは感傷的で北欧を感じさせる旋律が流れ、
プレストの部分では劇的な変化のある曲想が続く。
最後の部分はまるで映画音楽のようでもある。

第3楽章の最初に金管が奏でる主題は、
ブラバンの曲にもありそうな感じで、
ブラスバンドで金管をやっていた人だったら、
気に入るかもしれないなと思わせるほどである。
ともかく全楽章を通してよくまとまった作品である。

第2番も第5番も金管楽器が活躍する。
ただ、この楽器の使い方のバランスの悪さが
彼の交響曲全体の弱点であるとみなす人もいるようだ。

心に響いてくる聴かせどころの楽章もある。
第5番は「葬送交響曲」という副題がついているが、
第2楽章のレントはそれを感じさせる悲痛な叫びが聞こえてくる。

それにしてもなんとロマンティックな作品だろう。
しかし、彼のロマン派的な作品が、
当時の音楽界の中で受け入れられる時代は終わり、
1940年代以降主流になる前衛的な現代音楽からみれば、
彼は過去の人であり、関心の対象ではなかった。

何がその人の人生に左右するかはわからないものである。
時流に乗る人と乗れない人、どちらが幸福かはわからない。
作曲家もたいへんだなあ。
コメント
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