Mars&Jupiter

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ゲーゼの交響曲第4番を聴きながら

2007-04-23 06:20:21 | 古典~現代音楽デンマーク編
4月21日の土曜日に赤坂のカーサ・クラシカで、
東京芸大現役4年生の学生2人による演奏を聴いた。
サクソフォーンとピアノによる演奏であったが、
その演奏曲目の2曲目がゲーゼの作品であった。

のんびりとした優雅な曲であったのだが、
そういえばゲーゼの交響曲を持っていたなとその時思った。
昨日は横浜から和田町までの間を歩く時に聴いたのは、
ゲーゼ(ゲーダ)の交響曲第4番である。
今まで買ったものの一度も聴いていなかったので、
この際封をあけて聴いてみることにした。

1817年生まれのデンマークの作曲家ゲーゼは、
8つもの交響曲を残しているが、
交響曲第1番は、コペンハーゲンで演奏ができず、
メンデルスゾーンの協力でライプツィヒで初演を行ったようだ。
そしてその後ドイツで活動をしばらく続け、
ゲヴァントハウス管弦楽団の副指揮者をつとめ、
指揮者としての活動も活発に行ったようである。

彼の交響曲第4番を聴いてみるとシューマンや
メンデルスゾーンの交響曲を聴いているような印象を受ける。
実際、交響曲第1番の初演に尽力したメンデルスゾーンや
シューマンとも親交を深めていたこともあるので、
その影響は諸作品にあらわれているのかもしれない。

彼がデンマークに戻ったきっかけは、
1848年に起きたプロイセンによるデンマーク戦争である。
その後はデンマークにオーケストラや合唱団を設立したり、
教育者としても活躍し、グリーグなどに影響を与えたということだ。

交響曲第4番はロマン派の作品らしく、時に優雅である。
第1楽章の弦の流れる感じはシューベルトのようでもあり、
管楽器の奏でる旋律は時にメンデルスゾーンを感じさせ、
音楽の構造自体や金管楽器の使い方は
シューマンの交響曲を思わせるところがある。

第2楽章も主題が魅力的であり、時々ベートーヴェンっぽい。
第3楽章のスケルツォは聴いてすぐにあらわれる主題が、
メンデルスゾーンを思わせるものである。
第4楽章もその主題の展開の仕方にシューマンの影響を感じる。

ゲーゼの交響曲第4番はメンデルスゾーンや
シューマンの影響を感じさせるものの、魅力的な作品である。

そしてデンマークでの教育者としての活躍が、
その後のニールセンなどの優れた作曲家を生み出したのだろうなと
思わせたりもするのである。
コメント
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