菅内閣の支持率が急落した。党首選で小沢に勝った時には50%ほどあったが、次第に落ちてきたのは通常の動きであるとしても、各社の数字は類似していて半分に落ちて25%前後である。あまりにも急である。更に深刻なのは、自民党支持が15%程度から20%半ばまで復活したことである。新聞社によっては、民主党の支持率を上回っているところも出ている。
もっと深刻なのは、内閣不支持率が各社とも支持率の倍程度に上がっていることである。今回の内閣支持率が出た頃には、柳田法務大臣の失言はなかったのである。つまり失言ではなく、外交などの対応が不支持率を上げているのである。こうした傾向で生じた不支持率は容易に回復することがない。菅内閣は要するに稚拙な失政を繰り返すことで、支持率を下げ不支持率が上がっているのである。この内閣は半年も持つとは考えられない。
北朝鮮が又おかしな動きをしてきた。後継の過肥の3男に手柄を立てさせたかったのであろう が、国内を引き締めアメリカに要求を突き付ける瀬戸際外交の、常とう手段である。こうした事態に、菅首相は「情報を収集する」とだけ発言する、無力さを表現するだけの言葉である。
柳田の辞任の後は小沢を証人喚問すると息巻く自民党が元気になるだけである。小沢は、菅を窮地に追い込むためにも、国会招致には応じるわけがない。身内の多くに冷や飯をくらわし た現政権になにも協力することはないだろう。まじめな岡田幹事長は、政党間を手玉に取る手練手管を持ち合わせない、まじめ一徹な男である。民主党の国会運営はすっかり行き詰った。
せっかくAPECの議長と言う華を貰ったのに、何の成果も上げることが出来なかった。これまでの内閣は国際会議の開催で、支持率の回復などを行ってきたものである。今回全く逆の現象を、菅直人は引き出してしまった。半年も持たないのではないか。
花形であった事業仕分けにも矛盾が露呈し始めてきた。例えば法令によって執り行われている事業を勝手に、30%減らすと言っても法令を変えなければ出来るはずがない。こうしたことが余りにも大すぎたのである。菅の肝いりの事業コンテストはパフォーマンスばかりが目立つ。事業の素人が喜ぶばかりが評価されるのはどう見てもおかしなことである。
仙石官房長官ばかりが目立ち、菅首相は野党時代の面影などなくオロオロ姿ばかりが目を引く。もし菅政権があと半年も持たなければ、一年毎にあるいはそれ以下のスパンで交代する国家をどの国が信用してくれることになるのだろう。