昨日、国鉄民営化に伴う国労職員の不採用に対する、和解案が提示される歴史的な決着があったが、もう一つ沖縄密約に関する資料開示の要求を認める判決が東京地裁であった。この二つは、すでに多くの人の記憶から消えようとしているように見えるが、いずれも政権交代の結果であるといえる。
沖縄返還に関しては、すでに毎日新聞記者であった、西川氏から一部ではあるが正確な情報が流されていた。それを、政府が女性スキャンダルに封じ込め、毎日新聞も彼を擁護せずに切った結果になっている。
政権交代で岡田外相は就任早々密約問題の捜査を命じている。その結果は密約を広義と狭義に分類する、政権側にも配慮した少しもどかしい結果として発表されている。東京地裁は、国側に対し全面開示を命じた。積年の恨みを抱く西川氏は「革命だ。全面勝利だ」と、喜びを隠さない。
自民党政府と歴代の首相・外相が密約の存在を否定し続けてきたことを、国家機密に関わることと了解させようとする機運があるのは容認できない。一部外交のようではあるが、これは内政問題である。今日の沖縄に不当に押しつけられた基地問題や思いやり予算などの経費負担や地位協定という治外法権などとして、今日も正当性をもち脈々と続いているからである。
普天間問題も、こうした自民党政府のアメリカ追従、従属関係が基本的な問題であるからである。鳩山政権は、密約に理解を示すような姿勢を基地問題にも持たせている。普天間基地を県外に、あるいは国外に移転することが最も、政権公約に沿う選択である確認が必要である。
せっかく政権交代したのに、自民党政権時代のメンツを汚さぬことばかりを考えているように思えてならない。自民党政治からの決別を判りやすい形で表さなければ、歴史的な政権交代をした鳩山政権は消えてなくなる。平成維新と言った言葉が今はむなしく感じられる。