覚醒剤の密輸を図ったとして日本人が、中国で死刑宣告を受けて今日処刑された。あと3人いるそうで、今週中に4名の日本人が処刑されることになる。中国には、阿片による苦い歴史的な経験がある。麻薬などに関する罪を目するのは、国家の歴史的な背景を考えると判らなくもない。
しかし、死刑は人の命を奪う行為である。中国は、犯罪の抑止を主張するが実際に犯罪が減っているわけではない。それも好評はされていないから判断基準がない。北京オリンピックが開催された年は極端に少なかったようであるが、アムネスティの発表によると、昨年は数千人の死刑が執行されたようである。
昨年死刑が執行された国は、18カ国である。イランが388+、イラクが120+、日本が7、アメリカが52である。15年ほど前までは、世界で150カ国以上の国で死刑が執行されていたが、現在は方として残しているのは50カ国ほどである。
そうした中で、中国は数千人と言われる死刑を執行している。仮に5000人としても、中国を除く全世界の死刑執行人の倍を越えることになる。かなり異常な数字のように思える。
中国は薬物に関するものに限らず、反政府活動に対しても死刑を持って応じている。一昨年に、牛乳にメラミンを混入して検査レベルをあげることを思い立った人物が、死刑になっている。確か二人と思われる。先頃発表された、農薬を混入した毒入りギョーザ事件の犯人が逮捕された。今頃発表されるのは何の意図があるのか判らないが、この男も処刑されることであろう。
中国の法廷での再審はほとんどなく、判決からまもなく処刑される。経済成長が著しく、やがて世界第2位の経済大国になる中国が、法律や人権問題でも整備したものを見せなくてはならない。