小沢が小選挙区制の導入に当たって、政策論議ができるとsて手本にしたのがアメリカとイギリスである。小選挙区で2大政党が争うと、政策論議が活発になるという論理だった。現実には、党の指導力ばかりが浮き立ち、党の意向に逆らえない議員ばかりになった。
その手本になった、イギリスの総選挙が様変わりしそうである。マルキシズムを依存する労働党とサッチャー以来新自由主義色を鮮明にする保守党しか選択することができなかったが、ここに来て自由民主党が台頭してきたのである。
80年代に自由党と社会民主党が合同して出来た、自由民主党であるがイデオロギー論争に与しない人たちが支援し始めたのである。現実には3大政党になりそうである。連立政権が視野に入り始めている。
ここに来て、労働党のブラウン首相が、支援者をこき下ろす発言がスイッチを切り忘れたテレビ のモニターから、全国民に知れ渡ることになった。質問者の意見は極めて健全な内容であった。東からの移民の対策を何もやっていないというものだったが、ブラウンは馬鹿な女の質問だとか誰の差し金かとかを言ったのである。
投票日が後一週間に迫った時期の失態は致命的になるかもしれない。イギリスの政局は極めて流動的になってきた。自民党がキャスティングボードではなく、政権を握ることになるかもしれない。小選挙区制では、僅かなことが政局を逆転する。ほんの少しの違いが全体を大きく動かすのである。極めて不自然な選挙制度である。