アメリカのオバマ大統領が核廃絶に向けて開催した、核セキュリティーサミットが終わった。世界の核兵器の95%を所有する、米ロが削減に向けて動き調印した。その直後の開催である。核廃絶に向けての動きは、大いに歓迎されなるべきである。例えそれが僅かな動きでも、核廃 絶への動きは評価しなければならない。
ところがここに、アメリカが恣意的に抜いている国家がある。イスラエルである。イスラエルは、多くの国が核保有国に分類している。イスラエルは、あるともないとも言わないとするのがこれまでの態度である。添付の絵は、中東の新聞から失敬したものであるが、どの国もイスラエルの核の存在を信じている。
イラクのフセインがオシラクに核施設を作り始めたことがある。フランスの技術提供である。平和利用という名目であったが、イスラエルはこれを空爆して徹底的に破壊した。その事は2年前のこのブログで述べたことがある。http://okaiken.blog.ocn.ne.jp/060607/cat7240955/index.html
この空爆作戦に使われたのが、アメリカから購入したばかりの(提供された?)ファントムF16である。国連の非難からレーガンはイスラエルを擁護した。1981年のことである。
今回の核サミットは、アメリカが核テロに怯え始めた初めての行動である。そう見ると、アメリカの核拡散防止は自国にの側につくものにとっては、核拡散は容認すると言うことなのである。核テロとは、核兵器の入手、濃縮ウランやプルトニュウムの入手(装置の製造)、放射性物質の入手(汚い爆弾)、核施設の攻撃の4つのケースが考えられる。
いずれも恐怖の無差別殺戮が起きる、恐ろしいテロ行為である。イスラエルはこれらのあらゆるケースからフリーで良いと、オバマにお墨付きをもらったことになる。周辺が敵国ばかりのイスラエルに取って、核兵器ほど魅力的な武器はない。国家は時としてテロ行為まで働くことがある。とりわけイスラエルは、そうした行為の選択が現実的である。
核サミットは、アメリカと中国が表舞台に登場するセレモニーのような様相を呈し、イスラエルには不問のままで行くことを決めたのである。更には、インドの核開発は平和目的と、お墨付きを与えている。アメリカは、ノーベル平和賞をもらったオバマになっても、ブッシュが行ってきた基本的なことはないも変えずに今日至っている。外交や軍事に関しては、何もチェンジしていないのである。