長年アメリカ大統領の不人気のトップは、太平洋戦争を終わらせたトルーマン大統領であったが、これを久しぶりに破ったのがジョージ・ブッシュである。ブッシュの不人気はアフガニスタンとイランの侵攻とその後の物価高など経済の低迷であるるが、すぐにトランプに破られている。
だがその次のバイデンはさらに不人気のようである。当初は4年後託すのでないと思われた、女性副大統領のハリスがどうも存在感がない。
バイデンを窮地に陥れているのは、撤退したアフガニスタン問題(Afghanistan)、大量の移民が流入している南部国境問題(Border)、いまだに収束しないコロナ問題(Coronavirus)の「ABC問題」と言われている。どれも前任者の尻拭いと降って湧いた問題ではある。
決められない優柔不断と、降って湧いた問題がどれも厄介であることも災いしているが、パフォーマンスのトランプ前大統領の人気が上がっているのも皮肉である。売り物だった政治経験の豊かさが、「決められない政治」を生んでいるかのようである。
2020年の大統領選ではバイデン勝利を後押しした無党派層が、これらの働きぶりに不満で不支持率が高まっている。トランプの強引なやり方に辟易した良心の受け皿になっていたが、そうした人たちを裏切る形となっている。
共和党の中で、勝っていたと主張する人たちが半数を超えて、トランプが意気軒高である。民主党の中からもバイデン不支持を唱える人たちも出ている。共和党との対立も、トランプバイデンの寸足らずどうしの大統領を抱えて、深刻化している。
流石に高齢を掲げる人は少ないが、今年の中間選挙の結果がバイデン、ひいてはアメリカの命取りになりかねない。