
これまでの安倍晋三の主張や政治姿勢からすると、安倍の謝罪は本心でないことははっきりしているが、朴槿恵の政治的危機というタイミングを見計らったもので、実質的には10億円で決着を図ったものといえる。韓国側も、国内事情を外交に転嫁した感はあるし、あまりにも国内の反応が大きく落としどころの苦慮していた感はある。国内的には、最右翼政権の安倍晋三の時代の決着であればこれ以下のことは起きないであろうと、妙な逆評価されている。この問題の複雑さを韓国紙から見ることができる。関係団体の反発は必至であろうが、朴槿恵はどのような抑え込みを図るるのであろうか。
この問題の決着で、安倍晋三が最も重きを置いたのが、「最終的でかつ不可逆的」というところである。韓国側は監視するとしているが、今後この問題を取り上げないことにくぎを打ったことである。そのため本心にそぐわない謝罪までしたのである。
こうしたタイミングを得られたことで安倍内閣の支持率はまた上がるかもしれない幸運を持った。日韓関係が好転することは歓迎したいが、アメリカの強い要請を受けた合意であり、戦争の傷跡をまた金で封じて何ら反省することなく、次へと向かうのである。