やっぱりというべきか、福島原発から避難区域以上に離れたところでも、高濃度の放射能が検出されるようになった。群馬では基準値以上のセシュウムが検出され、埼玉も同様である。農作物の生産が禁止されている。ここは250キロも離れている。
そうした報道の中で、最も気になるのが45キロ離れた飯館村で、プルト ニュウムが検出されたことである。プルトニュウムは重いため、飛散する範囲も限られると説明されていたが、裏切られた形である。
プルトニュウムは、発がん性が異常に高く、極めて危険な物質である。半減期が四万年以上もある。そのほか、ストロンチウムも80キロ先の白河市で検出されている。
調査した文部省は「直ちに影響の出る値ではない」と、相変わらずの説明に加えて、事故によるものか特定できないとしている。
放射能による人体など動物や植物への影響は、確かに「直ちに」影響は出るとは限らないが、それは影響がないことを意味するものではない。
放射能の声明への影響は、晩発性といわれ遺伝子破壊による生体への発現までは、数十年かかる場合もある。影響の判断は、医学的には因果関係が解明されないと、『証明できなかった』ことになる。医学的な因果関係の証明は極めて、消極的である。
プルトニュウムもストロンチウムも、おもに骨や筋肉に蓄積される。特にプルトニュウムは、極めて高い発がん性が証明されている、毒性の強い放射性物質である。
洗浄や表土の排除で除染の努力が行われているが、広範囲にプルトニュウムが撒かれているとなると、それらの努力も空しいことになる。それでなくても、7割を占める山林の除染は無理なことは、誰もが解っている。
相当広い範囲を、放射能汚染地域として囲い込み、立入り禁止区域にするしか、方策はなくなってきている。