そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

TPPは人災である

2011-10-14 | 政治と金

TPPの基本的思想は、自由貿易である。安いものは買われる。これは市場が求めている。必要なものは高価でも売れる。これも市場が求めているということになる。

市場とは売れ筋を決める、社会的作用と思われるが、自由経済とりわけ新自由主義者は、市場の決定は天の声、神の手だと反論を許さない。

一方政治とは、新自由主義者にとって、資本が市場で勝手気ままに動けるように、規制をなくすことと断じる。規制緩和によって、経済は活発化して税収が増え、社会資本が拡充されることになるというのである。

しかし、自由競争社会ですべてが勝者になるわけではない。勝者はほんの一部でしかない。99%は私たちだと、アメリカの市民が動き出しているが、現実には勝者は1%にすら満たない。

新自由主義は、勝者の論理である。敗者になりたくなければ、競争に勝ち抜くことだと決め付ける。勝者は勝ち続けなければ、いずれ敗者になる。

政治がなすべきことは富の分配であり、社会の安定である。新自由主義はこうした政治の働きを認めない。弱者は社会の隅で生きてゆかなければならない。

TPPは勝者の論理、あるいは勝者を想定したシステムである。勝者への願望である。無関税による国家間、地域間の経済的、文化的相違は認めようとしないシステムである。

グローバル化とは、地球全体のことを考えることである。安価であれば、地球の裏側にまで買い付けにいく資本が、地球環境の悪化を招く根源になっている。途上国の富と資源を収奪することになる。

21世紀は環境の世紀である。エネルギーや食料それに福祉は、きわめて限られた地域の中で、賄われるべきである。TPPはこうした、今こそ求められる社会の動きに対峙するものである。

自由競争によって、大量の敗者が量産されることになる。最大不幸社会になる。TPPというシステムは、明らかな人災として人々に降り注ぐことになる。

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