そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

景観の公益性を認めた画期的な判決

2009-10-03 | 政治と金

鞆の浦の海岸を通り抜ける道路と駐車場の建設を巡って、画期的な判決が下された。広島地090930裁の能勢顕男裁判長は、「鞆の浦の景観は住民らの利益に止まらず、っ瀬戸内海の美観を構 成し、文化的、歴史的価値を持つ国民の財産というべき公益」と認め、道路建設や駐車場の持つ公益を上回ると判断し工事の中止を命じた。

10年前に、国立のマンション建設に当たって、桜並木の景観が損なわれるとの訴えを認めた判決が下った例がある。対象は民間の建築会社であった。今回は、民主党が政権を取った直後の、公共事業への裁判所の判断である。

日本の裁判官は、永久政権であった自民党の意向に逆らった判決を出すと、地方を回されるなどの冷遇を受けることになっていた。とりわけ、自衛隊に関す002ることや国政に係わる訴訟では、国の意向に逆らう訴訟の判決は、できるだけ係わらない内容 にすのがせいぜいであった。今回の判決を聞いて少し風向きが変わった気がすると思ったのは、私だけではないだろう。

景観が重要な公益であるなら、これに反する公共工事はごまんとある。知床のウトロ漁港にできた埋め立て地もその典型であろう。こともあろうに、道の駅と知床ネーチャーセンターが建てられている。景観破壊の解りやすいのは、スキー場とゴルフ場である。

スキー場は遠くからでも違和感のある傷跡を、山の斜面に残している。アルペンに似せたゲレンデを作るためである。ゴルフ場に至っては、多くの場合里山と言われるような地域を剥ぎとりって、イングランドの景観に似せ木を切り芝を播くのである。里山は景観に限らず、いろんな意味で公益性が高い。

不便性を残してまで、あるいは経済的効率に逆らってまで、景観を守る時代になったのかもしれない。民主党の、ダム見直しや鞆の浦判決を受けて、やっと時代も転換点に立ったのかと思う。

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