そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

建国60年の陰で

2009-10-01 | 中国

F2009100113582100434_2  今日は国慶節である。とりわけ今年は60年目になり、軍事パレードなど一段と華やかである。胡錦濤が突如として人民服を着ているのには、いささか驚いた。パレードで毛沢東と鄧小平の肖像が高く掲げられてが高く評価されていいた。革命と改革開放を行って今日の中国があるというのである。

胡錦濤の演説も、今日の中国の経済発展の実績を強調している。中国共産党の業績であると自負している。今の体制がどうして社会主義体制なのかは理解できないが、経済発展が多くの矛盾を取り込んでいる限りは、この体制が続くことにはなりだろう。

最も大きな矛盾の一つに、民族問題がある。とりわけ、新疆ウイグル自治区では深刻である。チベットこと異なり、多くの鉱物資源があるからである。30年目に訪れた、石河子という小さな村があった。今は巨大な、砂漠に広がる直線道路で区画された、近代的な計画都市となっていた。人口は60万人にもなっていた。住民の90%以上が、漢族である。

農業開発者として入植した漢族たちは、新疆生産計画兵団としての側面も持っている。今年の090708 7月に暴動が起きた時などには、大いに活躍した。明治時代に、北海道のアイヌの土地に、日本人が屯田兵として半農の兵士を送ったことを彷彿させる。この時の暴動では、190人が死亡しているが、多くはウイグル族である。(ウイグルの発表では、死亡者は1000人を超えているとのことである)

漢族の兵団は、裁判権もあり告発することできるとのことである。ウイグル族の人たちは、兵団そのものが違法な存在であると訴えている。

今日の中国の経済発展の陰には、国内収奪のシステムがある。少数民族に実行的な自治権を与えない限り、同じような問題はとめどもなく起き、不信感は増大するばかりである。ダライ・ラマがいない分、あるいは10ほどの民族が混在するた分、新疆ウイグル自治区方が問題が深刻である。社会主義を標榜する資格が、中国政府にあるのだろうか。


羅臼港

春誓い羅臼港