「歯の再石灰化」で検索されている人が多くなったな、と思っての投稿です。
歯の再石灰化とは、「一度脱灰(歯の表面が虫歯になり溶けてしまった状態)してしまった歯の表面(エナメル質)が再び元に戻ること」です。
あくまでも、歯の表面的にできた虫歯限定の話ですが、虫歯が自然治癒するという点で素晴らしい反応であるといえます。
テレビのCMでも歯の石灰化という言葉が使われるようになってから、この言葉は一般的なものとなったと感じます。
さて、一般の人が歯を再石灰化させるためにはどうしたらいいかと考える時に、浮かぶのは何らかの薬ではないでしょうか。
フッ素、キシリトール、アパタイト、リカルデント、、、、、
一度は聞いたことがあるでしょう。これらの物質は歯の石灰化に有効であるといえます。
しかし、私はこれらのものをお勧めすることはありません。なぜなら、根本的なところを改善しないとこれらの物質は全く役に立たないからです。
歯の再石灰化に必要なことは、何かを歯に効かせることではなく2つのことを歯から遠ざけることです。
それは細菌と砂糖(果糖ブドウ糖液糖や人工甘味料を含む)です。
すなわち、歯の脱灰を促すものを避けることが歯の再石灰には最も重要となります。
細菌に関しては歯磨きが大切になります。砂糖に関しては甘いものの食べ方(食べる量と頻度)が大切です。
プラークコントロールといいますが、プラークとは「細菌の塊」のことです。
甘いものを控えて歯磨きをしっかりすることが大切です。このどちらかが欠けると、歯の再石灰は起きません。
先ほどの、再石灰化に効くものというのは商業ベースで語られているものです。甘いものを控え歯磨きをしていなければ、どんなに高価なものを買い求めても焼け石に水のように効果は表れません。
しかも、人間はどんな商品よりもはるかに優れている「唾液」を持っています。
唾液こそが歯の再石灰化にもっとも効果のある物質なのです。
歯磨きをどんなに頑張っていても、甘いものを自分の許容量を超えて摂取していては虫歯を防ぐことはできません。
唾液をたくさん出すためにも、食事はよく噛んで食べましょう。
小幡歯科医院